ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の製作発表会見が2016年9月5日(月)に都内で行われ、潤色・演出の小池修一郎と、出演者の古川雄大、大野拓朗、生田絵梨花(乃木坂46)、木下晴香、馬場徹、矢崎広、平間壮一、小野賢章、渡辺大輔、広瀬友祐、大貫勇輔、宮尾俊太郎(Kバレエカンパニー)が登壇した。
本作は、シェイクスピアの不朽の名作「ロミオとジュリエット」を、フランスの作曲家ジェラール・プレスギュルヴィックが脚本と音楽を手がけミュージカル化。2001年にパリで初演されて以降、世界各国で上演され500万人以上を動員。日本では、宝塚歌劇団星組によって2010年に日本初演が行われ大ヒットを記録。その後も2011年、2013年に再演され、計16万人を動員した。新キャスト、新演出となる今回の再演は、2017年1月15日(日)から東京・赤坂ACTシアター、2月22日(水)から大阪・梅田芸術劇場で上演される。
大勢のオーディエンスを招いて行われたこの会見では、最初に劇中の楽曲が公開された。ロミオ役の古川・大野(Wキャスト)、ベンヴォーリオ役の馬場・矢崎(Wキャスト)、マーキューシオ役の平間・小野(Wキャスト)による「世界の王」から始まり、ティボルト役の渡辺・広瀬(Wキャスト)による「本当の俺じゃない」、ジュリエット役の生田・木下(Wキャスト)による「バルコニー」、ロミオ役の二人による「僕は怖い」、そしてロミオ役とジュリエット役の4人による「エメ」の5曲が立て続けに披露され、会場は興奮の渦に。その後行われた登壇者の挨拶で、小池が「少し心配していたのですが(楽曲披露を見て)このメンバーでいけるのではないかと思った」と答えるなど、開幕への期待が高まる内容であった。
また、小池は挨拶の中で本作の新しい演出プランについて触れ「80年代に一世を風靡した漫画家・大友克洋さんの「童夢」という作品のような“崩壊した世界”“失われた世界”の中でロミオとジュリエットを描いてみたい」と構想の一部を明かした。
続いて、ロミオ役である古川と大野にマイクが渡り、古川が「今回は新演出に加えキャストも入れ替わるので、僕自身、新作に挑む気持ちです。小池先生のご指導のもと、今までにない『ロミオ&ジュリエット』を作れるように努めていきます。ご期待ください」と落ち着いた雰囲気で意気込みを語ると、小池から「座長感満載!」とツッコミを入れられ、会場は笑いに包まれた。
大野は「小池先生演出の『ロミオ&ジュリエット』が世界で一番好きな公演で、この舞台に立つことを夢見て精進してきました。見てくださった皆様の人生において最高級の良い思い出になるような舞台にしますので、ぜひご期待ください」と、本作への熱い気持ちを吐露。すると小池は「オーディション用に歌っている映像を見させてもらったら、『え、これ本当に大野?吹き替えじゃないの?』というくらいによかった」と、歌の上達ぶりを褒め称えた。
ジュリエット役の生田は「前作を拝見させていただいて、いつかジュリエットをやりたいと思い続けてきたので、ここに立てて嬉しいですし…不思議な感じがします。このプレッシャーに負けないよう、たくさん努力をして頑張っていきます」と緊張した面持ちでコメント。また、現役高校生ながら大抜擢を受け、今作が初の舞台出演となる木下は「私は小さい頃からミュージカルが好きで、今回、客席から憧れて見ていた皆さんと同じ舞台に立てて本当に夢のようです。全力でジュリエットを演じたいと思います」と、初々しく爽やかに挨拶した。
小池から「心配していません!」と太鼓判を押されたベンヴォーリオ役の馬場と矢崎は、「舞台をかき乱していけたらと思っています(馬場)」、「新生『ロミオ&ジュリエット』、チーム一丸となって新しいものを作っていけるよう頑張ります(矢崎)」と、堂々とした振る舞いでそれぞれに意気込みを語った。
マーキューシオ役の平間に対して小池は、「平間くんは達者なので、相当楽しませてくれると思っている」と期待のコメントを寄せた。一方、同役の小野については、『モーツァルト!』のオーディションを断って大泣きさせてしまったというエピソードを語りつつ、「今では『ハリー・ポッター』の声優さんとしても活躍されて、舞台も頑張ってらっしゃる。楽しみです」と、その成長ぶりを称賛。恥ずかしそうに小池の話を聞く二人の姿も新鮮だった。
この日の会見のなかで、登壇したほぼ全キャストの魅力を口早に語っていた小池。大物演出家の興奮した様子に、オーディエンスの期待も大いに高まっていたように見えた。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、2017年1月15日(日)から2月14日(火)まで東京・赤坂ACTシアターにて、2月22日(水)から3月5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。
なお、エンタステージでは、ロミオ役の古川雄大と大野拓朗をはじめ、各キャストのインタビュー記事を掲載予定。こちらもご期待ください!
(取材・文・撮影/大宮ガスト)