少女漫画の金字塔とも呼ばれる「王家の紋章」が世界初のミュージカル化され、2016年8月5日(金)についに本公演が開幕した。『エリザベート 』や『モーツァルト! 』などを手がけてきた巨匠シルヴェスター・リーヴァイの音楽と、圧倒的な存在感を誇る俳優たちが織りなす壮大な世界観で話題となっている本作だが、公演初日のカーテンコールでは、早くも2017年4月に東京・帝国劇場、5月に大阪での再演が決定したことが主演の浦井健治より発表され、ますます盛り上がりを見せている。さらに、この公演終了後には浦井、宮澤佐江、新妻聖子が囲み取材に応じ、公演への思いを改めて語った。
本作は、1976年から現在まで「月刊プリンセス」(秋田書店発行)で連載されている少女漫画「王家の紋章」 を原作としたミュージカル。主人公のメンフィス役には浦井、ヒロインのキャロル役には宮澤と新妻(Wキャスト)、イズミル役には宮野真守と平方元基(Wキャスト)、そしてアイシス役に濱田めぐみ、イムホテップ役に山口祐一郎と、日本トップクラスの俳優が揃い、演出・脚本は、繊細で美しい世界観の創出に定評のある荻田浩一 が務める。
浦井は、初日公演を終えた感想を「感無量です。(原作の)細川智栄子先生と芙~みん先生がご覧になられて、涙を流されていたのを(舞台から)見て、大感動しました。お客様に支えられて、キャスト、スタッフが一丸となってやれたので、こんなに幸せな舞台はありません」と語る。そして、「リーヴァイさんの楽曲は一人ひとり、自分たちの声に合わせて作ってくださったので、全楽曲が宝物のような楽曲です。同時に、荻田さんが構成した台本自体もよくぞこの作品を詰めたなというところがあるので、すべてが見どころです」とアピールした。
一方、原作の大ファンを公言している新妻は、「この世界に入れていただいて、実際にキャロルとして生きることがこんなにも幸せなんだなと思いました」と満面の笑みで話す。とはいえ、大ファンだけにプレッシャーも大きかったようで「お話をいただいた時から、喜びと怖さが同じぐらい大きくて、はち切れんばかりで、それを両手に抱えて今もやっています」と本音も明かした。さらに、「今回の舞台は原作の1巻から4巻ぐらいのエピソードを詰め込んで描かれています。そして、私が“神エピソード”としている水をろ過するシーンや腕を折られるシーンも盛り込まれていて、台本をいただいた時に手が震えました!それを王族(原作ファンの呼び方)の皆さんがどのように受け止めてくださったのか、オフ会をして聞きたいです」と愛情いっぱいに語った。
宮澤にとっては本作がSKE48を卒業後初の舞台。「(宮澤にとって初出演となる)明日は泣いちゃうかなって思います。色んな思いが込み上げてくる」と話すと、「帝国劇場に立てることも、キャロルをやらせていただけることも夢みたいです。夢の時間もとりあえず1カ月で終わってしまうのですが、その1カ月、成長できたらいいなと思います」と意気込んだ。
そして、この日、再演決定が発表されたことについて浦井は、「おめでたいです。このメンバーは、絆が強いんです。みんな仲が良いし、稽古場でこれでもかというぐらい支えあったので、その絆は絶対に変わらないと思います」と改めて本作への強い思いを語った。
ミュージカル『王家の紋章』は、8月5日(金)から8月27日(土)まで東京・帝国劇場にて上演 。再演は、2017年4月に帝国劇場、5月に大阪にて上演される。
(取材/嶋田真己)