10年に一人の逸材と言われ、多くのファンを魅了してきた元宝塚歌劇団星組トップスターの柚希礼音。彼女が退団後の初主演作に選んだ作品が、ミュージカル『バイオハザード~ヴォイス・オブ・ガイア~』だ。累計出荷6800万本を超える大ヒットゲームの世界初オリジナルミュージカル化となる本作の製作発表が2016年7月6日(水)に行われ、柚希のほかに、横田栄司、渡辺大輔、平間壮一、海宝直人、吉野圭吾、脚本・演出を務めるG2、作曲・音楽監督の和田俊輔、監修の小林裕幸(CAPCOM)が登壇し、意気込みを語った。
本作は、“人類を滅亡へと向かわせる「ウイルス=奴ら」との壮絶な戦い”という原作、サバイバルゲーム「バイオハザード」のモチーフを世界で初めてミュージカル化している作品。原作ゲームは、1996年にゲームソフトとして発売されると、脅威の大ヒットを記録。さらに日本のみならず、アメリカ、ヨーロッパを始め、世界各国で絶大な支持を得て、2002年にはハリウッドで映画化もされた(ミラ・ジョヴォヴィッチ主演)。以降、映画もシリーズ化され、本年12月には、シリーズ6作目で最終章となる新作が、全米に先駆けて日本公開される。
主人公のリサ・マーチン役を務める柚希は、「宝塚退団後初のミュージカルです。すっごくお芝居がしたいと思っていたのでとても嬉しく、どのようにミュージカルにするのか楽しみです」と挨拶。
そして、「ゲームファン、映画ファンの方もすごくたくさんいらっしゃる作品です。今まではチケットを頼まれなかったんですが、(今回は)兄の友達の友達など行きたい人がいっぱいいることを感じました」と笑顔で語ると、「オリジナルのメッセージ性、愛や勇気、ハートフルなものをお届けしたい」と意気込んだ。
とはいえ、柚希はゲームが苦手。本作の主演が決まってから、原作ゲームにも挑戦しようとしたというが、「どうしても最初のゾンビを倒すことができないんです。銃を1回撃つんですが、それ以上に噛まれて死んでしまう。逃げたくて仕方ないんです」と苦笑いで話し、意外な一面も覗かせた。
実は大の怖がりというG2は「夜は怖くて観れないので、朝から全シリーズを観ました。観終わった後に、ウイルスや分子生物学の本を読みまくり、出て来たストーリーです」と本作の制作過程を説明。そして、「キーは音楽です。音楽とゾンビに意外な関係性があるので、そこが見どころになると思います。そして、第二幕には海の中を舞台にしたシーンがあります。自分でもどうすんだって思ってますが(笑)、海の中でどう展開されるのかもお楽しみいただきたい」と演出プランを明かした。
舞台『嵐が丘』でもG2とタッグを組み、見事な音楽を作り出した和田は、本作では「(舞台となる)アドリア海の周辺を思わせる架空の地の風土を感じられる楽曲を作っています。その上でゾンビが出てくる恐怖感、サバイバル感、サスペンス感を出していこうと思います」と構想を明かす。また、「G2さんがとてもストレートな楽曲を欲していると感じたので、ミュージカルらしい楽曲もあります」とコメントした。
稽古は8月中旬からスタートする。それまでに取り組みたいことを聞かれると、ベルナルド・チャベス役の横田は、「四十肩を治す(笑)」と冗談混じりで答えて会場を笑わせた。ダン・ギブソン役の渡辺は「医師の役なので、映画版を観てそれを参考にしても面白いかもしれないし、逆に何も考えず現場入りして、皆さんとのセッションの中で作り上げていくかもしれない。楽しみです」と役作りへの思いを口にした。
さらに、ロブロ役の平間は、「ホラーの中にある人間ドラマです。日常的にゾンビがいる生活だと人間も変わってくると思いますので、自分自身も強くなりながらこの役を作り上げていきたいです」、ロベルト・レコ役(Wキャスト)の海宝は「人間ドラマあり、スペクタクルありな作品になっていますが、この世界がどう展開していくのか僕自身も楽しみにしています」、モーリス・グリーン役の吉野は「地球の息吹を感じていただける作品になったらいいなと思います」と、それぞれが作品にかける思いを語った。
ミュージカル『バイオハザード~ヴォイス・オブ・ガイア~』は、9月30日(金)から10月12日(水)まで東京・赤坂ACTシアターにて、11月11日(金)から11月16日(水)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。
なおエンタステージでは、柚希礼音と平間壮一のインタビューを後日掲載予定。こちらもお楽しみに!