2016年6月2日(木)に東京・博品館劇場にて歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫(シャノワール)~』が開幕した。原作は、明治にタイムスリップしてしまった主人公が、菱田春草、森鴎外など歴史上の偉人と出会い、恋に落ちる乙女ゲーム「明治東亰恋伽(通称:めいこい)」。初日前に行われた囲み取材には出演者が登壇し、意気込みを語った。
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本作が初主演作品となる菱田春草役・橋本祥平は「特に(主演らしいことは)何もできずに、自分のことで精一杯だったんですが、たくさん皆さんに支えていただいたのでこの初日で集大成を迎えられたらと思います」と意気込み、ゲームのプレイヤーの役割となる綾月芽衣役・青木志穏は「普通の女子高生だった芽衣ちゃんが、明治時代の人たちと出会うことで成長していったり、キュンキュンしたり、いろいろなことを感じているので、お客様も一緒に感じて楽しんで頂けたらいいなと思っています」と呼びかけた。
「恋愛シミュレーションゲームが原作ということで、恋愛の素晴らしさを伝えたい」というのは森鴎外役・荒木宏文。「偉人を演じるというよりは、原作をリスペクトした役作りをしました。時代のリアルを追及するというよりは、設定から感じられる夢をより華やかに見せて、“めいこい”というゲームを愛している方に楽しんでもらいたいと思っています」と自身の役作りを明かした。
歌劇と銘打たれているように、劇中では22曲のオリジナル楽曲が歌われる。泉鏡花役の赤澤燈は「オリジナルの歌やダンスがとても素晴らしいです。その日しか観られない演出もあるので楽しんでいただければと」見どころを挙げた。「今回女形もやらせていただいている」という川上音二郎役・遊馬晃祐は、劇中で艶やかな姿を披露。
また小泉八雲役・汐崎アイルは「ギリシャ生まれアイルランド育ちの小泉八雲さんを、アイルランド生まれ日本育ちの自分が演じるのですが、すごくシンパシーを感じます。彼も、日本に来た時にワクワクした気持ちを持っていたと思うので、そういうところを大事に演じたいです。もののけ大好きな八雲と、もののけを退治しようとする藤田との絡みを楽しんでください!」とアピール。その藤田五郎役・吉岡佑は「藤田五郎は、新撰組の齋藤一でもあり、寡黙で一目置かれている感じで、こういうキャラを演じるのは自分自身初挑戦です。誠実さを大事に演じようと思います」と語りつつ、荒木から前髪パッツンをいじられ「そこも見どころ(笑)」と答え、笑いを誘った。
主人公を明治時代に誘うチャーリー役・安里勇哉は、「観ているみなさんを実際に(明治時代に)連れて行けるようなチャーリーでありたいです。それから、奇術を披露していますのでそこも楽しんでいただきたいです」と役どころを語った。
今回の物語は、ゲームでいうところの菱田春草ルートが描かれる。橋本が「最初は冷たかった春草が、だんだんと恋に落ちていく姿を観ていただきたいです」と語っていたように、劇中では淡い恋模様が丁寧に描かれ、春草演じる橋本の、態度だけでなく徐々に変化していく表情が胸の奥を締めつける。
乙女ゲームらしい、胸がキュンとなるシーンはもちろん、からかいながらも春草の変化をあたたかく見守る森鴎外、ハイテンションな小泉八雲とクールな藤田五郎が生み出すコメディ感、本を完成させられずにいる泉鏡花とその本を演じたいと望み続ける川上音二郎など、それぞれのドラマが描かれる。そして、明治の世界に芽衣を誘ったチャーリーの想いとは・・・?
全員で歌い踊る迫力あるオープニングや、9人の出演者だけで演じきるアンサンブル、光と影の表現など、舞台ならではの表現の追求がされているので、目が足りない!となるかもしれない。すでに前売券は完売しているが、全公演に当日券が用意されているとのこと。また、千秋楽となる6月12日(日)2公演のニコ生配信も決定。決して出会うはずのなかった芽衣と春草、二人の恋の行方をぜひ目撃してほしい。
歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫(シャノワール)~』は、2016年6月2日(木)から6月12日(日)まで東京・博品館劇場にて上演。
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(C)歌劇「明治東亰恋伽」製作委員会