2016年4月8日(金)東京・俳優座劇場にて、~崩壊シリーズ~『九条丸家の殺人事件』が開幕した。本作は、2015年英国オリヴィエ賞最優秀コメディ賞を受賞し、現在もロンドンでロングラン上演中というホットな作品(原題『THE PLAY THAT GOES WRONG』)。その初日前日に同劇場にて舞台挨拶と公開ゲネプロが行われ、山崎樹範、松下洸平、上地春奈、久保田秀敏、伊藤裕一、大水洋介(ラバーガール)、長谷川忍(シソンヌ)、彩吹真央、梶原善、そして台本・演出のオークラが登壇した。
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英国では本作だけでなく、ピーターパンを題材にした“崩壊”演目も上演されており、すでに人気シリーズとなっている。今回の日本公演は、海外原作の舞台では珍しく、ストーリー、登場人物も日本の設定として上演。日本版公演の上演台本・演出は、バナナマンや東京03など数々の人気芸人の傑作コントはじめ、人気バラエティ番組「ゴッドタン」や「ウレロ☆シリーズ」も手掛ける構成作家・オークラが手がける。予測不可能なドッタバタの劇中劇となる本作品。高度な演技力が求められるキャストにも、芝居力に定評のある実力派が勢ぞろいしている。
舞台挨拶では、まず主演の山崎が「本当に楽しいコメディな舞台です。気持ち良く笑って頂いて、スッキリして帰って頂ける舞台です。ぜひみ、なさんに来て頂きたいと思っております」と真面目に挨拶をすると、登壇者たちからガチガチじゃないかと言われて、山崎はタジタジに。
続いて、松下は「ここ数年はシリアスな演目が続いていたので、笑いについて沢山考えさせられました。こんなに初日を迎えるのが怖い作品はないですが、自分たちが作ってきたことが正しいか正しくないかはお客さん次第なところがあるので、ぜひ観に来て頂きたいと思います」と難しい演目と感じながらも意気込みを語った。
彩吹は「稽古から今日まで毎日、笑って過ごしてきました。オークラさんの底知れない笑いへの執着心から、台本が毎日変わるので、戸惑ったところはありましたが、それがコメディとかリアルな笑いを求める姿勢なんだなと学ばせて頂きました。初めて元キャバ嬢という役を演じますので頑張ります(笑)」と宝塚の女優に憧れる元キャバ嬢というセルフパロディなキャラクターを演じることを茶目っ気たっぷりに語った。
梶原は「俳優座という劇場で新しい息吹として、シリーズ化して続いていけばいいなと思っています。芸人さんの若干のキャストの変更はあると思いますが、頑張っていきましょう!」と、Wキャストで出演する大水、長谷川をイジると、二人から「毎回、Wキャストで出ますからね」とツッコミが入り、会場は爆笑。
本作は、これまでまともな上演をした事がない劇団が上演する殺人ミステリー劇『九条丸家の殺人事件』の本番中にアクシデントが立て続けに勃発するというストーリー。劇中劇という作品はこれまでも多くあるが、崩壊シリーズという本作はあらゆるシーンでアクシデントが発生し、芝居が“崩壊”していく。英国版とは違って日本版は各キャラクターの劇団員としての面をより掘り起こしており、エンディングは大きく変わっており、セットの崩壊具合も英国版よりさらにパワーアップ。
演出家のオークラも「ロンドンで賞を取った作品という触れ込みとは違って、本当に中身の無い作品です(笑)。中身は無いかもしれませんが本当に面白いです」と語るように、ただひたすら笑える作品。舞台好きなら劇中劇の崩壊具合が、舞台に馴染みがない人でもドタバタコメディとして、この笑いを堪能できるに違いない。ぜひ劇場で約100分の崩壊コメディを体験して欲しい。
~崩壊シリーズ『九条丸家の殺人事件』は、2016年4月8日(金)から4月24日(日)まで東京・俳優座劇場にて上演。その他の公演日程は下記のとおり。
4月27日(水)名古屋・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
4月29日(金・祝)大阪・シアターBRAVA!
4月30日(土)~5月1日(日)福岡・イムズホール