2016年4月9日(土)より東京・全労済ホール/スペース・ゼロにてKOKAMI@network vol.14『イントレランスの祭』が上演される。KOKAMI@networkとは、作家・演出家の鴻上尚史によるプロデュースユニット。本作は、鴻上が主宰する虚構の劇団の公演として2012年に初演されている。今回、風間俊介、岡本玲をはじめ、久ヶ沢徹、早織、福田転球、藤田記子、三上陽永、田村健太郎、大高洋夫といった実力派俳優陣が集結し上演される。
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“イントレランス”とは、不寛容ということ。本作ではこの「不寛容」をテーマに、宇宙人と地球人の愛と戦いの物語を描く。あるとき、地球に580万人の宇宙人が難民として逃げてきて、各国は国連できまった割り当てに従い、日本では25万人の宇宙人を受け入れることになる。宇宙人が地球に溶け込み、生活を始めてから数年がたったある日、売れないアーティストの佐渡健吾は恋人から自分は宇宙人だと告白される。
上演にあたり、鴻上から以下のコメントが届いている。
◆鴻上尚史(作・演出)
どんどん、世の中がギスギスしていくような感じがあります。自分自身も余裕がなくなっていく気持ちになります。電車が駅に着いても、動かないままドア付近で他の乗客をブロックしている人を見ると、無意識に苛立っている自分を発見します。どんどん、世の中が「不寛容」になっていると感じます。そんな時、一冊の本『ネットと愛国』(講談社文庫 安田浩一著)に刺激を受けて、作品を書き上げました。2012年、『虚構の劇団』の第8回公演となりました。
4年たって、時代はますます、不寛容になっていると感じます。それは、他人事ではなく、自分自身の問題でもあります。
どうして不寛容になってしまうのか。どうして差別してしまうのか。どうして憎むのか。どうして愛するのか。人間の心の動きと世の中の動きを、深刻にではなく面白く、重くではなく軽やかに、悲しくではなく笑える形で追及し、描きたいと思います。
どうしようもない差別をするのも人間なら、その差別に怒り、戦うのも人間で、その人間の絶望と希望が表現できればいいなと思うのです。
今回、じつに魅力的なキャストに出演してもらうことができました。風間俊介さんは『ベター・ハーフ』でその上手さに唸りました。岡本玲さんは抜群の実力のある若手女優です。早織さんはチャーミングで、期待の若手達と共に、頼もしいベテランの方々の演技が楽しみです。
『第三舞台』の作品を、『虚構の劇団』で上演したことはありましたが、『虚構の劇団』の作品をKOKAMI@networkで上演するのは初めての試みです。まったく新しい『イントレランスの祭』になると確信しています。ご期待下さい。
KOKAMI@network vol.14『イントレランスの祭』は、2016年4月9日(土)から4月17日(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて上演。その後、大阪公演が4月22日(金)から4月24日(日)までシアターBRAVA!にて、東京凱旋公演が4月29日(金)から5月6日(金)までよみうり大手町ホールにて上演される。