2015年に創立30周年を迎えた人気劇団キャラメルボックス。この記念すべき年の最後を飾る舞台『BREATH』が、2015年12月10日(木)、サンシャイン劇場にて開幕を迎えた。当日は、初回の上演直前に記者会見が行われ、主演の多田直人と岡内美喜子、そして脚本・演出を手掛けた成井豊が登場した。
関連記事:キャラメルボックス、30周年記念公演『BREATH』のテーマソングにTUBEの新曲が決定!
キャラメルボックス入団12年目の多田は、「神戸、新潟と経ていつものサンシャイン劇場に帰ってこられて、初日前の今はとても楽しみな気持ちでいます」と挨拶。まもなく入団20年目を迎えるという岡内は「劇場の職員という役どころなので、劇場という場所が本当に素敵な場所だということを体感できるような意気込みで頑張っていこうと思います」と笑顔で語った。
本作について「30周年の最後の作品にふさわしいものを書こうというところから構想をはじめた」と語った成井。「ずっとずっと前から、『ラブ・アクチュアリー』という映画が大好きで、何組かのカップルが出てきてクリスマスにどんなことが起きるのか。群像劇というか、そういうのを一度キャラメルでやりたいと思っていた」と、製作のきっかけを明かした。
稽古の様子をふり返った多田は「今回はキャスト20人、しかも劇団員のみでということで、とにかく稽古場は賑やかな雰囲気でした。でも、その賑やかな感じが世間のクリスマスの感じと相まって、いい雰囲気で稽古できたなっていう感覚があります」と語りつつ、「7組のカップルの話が出てくるので二人でのシーンが多く、会話の面白さ、関係性の面白さみたいなところで魅せていかないといけないところが多くて」と、これまでの作品ではあまり見られなかった演出に苦労したという。
そして本作の大きな注目の一つが、メインテーマとなっているTUBEによる書き下ろしの新曲。今回のコラボについて、「前田さんのボーカルはすごい存在感!最初は怖かったですね。舞台上で何をしたって、全部前田さんが持ってっちゃうんじゃないかって」と成井が話す一方、岡内は「私はTUBE世代なので、小さい頃から聞いていた前田さんの歌声が芝居の中で流れることが本当に新鮮で、ドラマチックで。前田さんも出演者の一人みたいに思えて、TUBEさんと一緒に舞台を作っているということをすごく感じられた」と喜びのコメント。
会見の最後、観客へのメッセージとして成井は「REDとGREENの2チームがあるから、できるなら2チームとも観てほしい。本当に自分たちでも面白いものが作れたんじゃないかなと思っています。自信を持ってお届けする、本当にクリスマスらしい芝居ですので、ぜひサンシャイン劇場に足を運んで欲しいです」と、熱意あふれる言葉でアピールした。
さらに「これがキャラメルボックスの本当に良いところが詰まった作品だと、胸を張って言えるものが出来ました」と満足げな表情を見せた岡内。多田も「キャラメルボックスの30年間の厚み、強み、みたいなものを劇場に来て体感して頂きたいなと思います。31年目を語る上でも、この30年目の『BREATH』は見逃せないものになってるのではないかと思います」と語り、3人それぞれから本作への強い自信が感じられた。
関連記事:「クロノス」シリーズDVD発売記念!キャラメルボックス成井豊×梶尾真治が制作の裏側を明かす
男と女、親と子、上司と部下…様々な関係の中に生まれる“愛”、あるいは“絆”という繋がりが、成井の創り出すいくつものストーリーの中で描かれる。劇中に用意された多数のシチュエーションのどこかに、観る者それぞれの琴線に触れるシーンがきっとあるはず。笑いも切なさも織り交ぜつつ、最後には温かな気持ちになれる。まさにクリスマスにピッタリな作品だ。
キャラメルボックス 30th vol.5 クリスマスツアー『BREATH』は、2015年12月25日(金)まで、サンシャイン劇場にて上演される。
<ストーリー>
舞台は12月の東京。都内の劇場に勤める堀江恭子(岡内美喜子)に、高校時代の同級生・赤星一馬(多田直人)から突然電話がかかってくる。一馬は「明日のニュースを見てほしい」と伝え、翌日、恭子は一馬が小説家におくられる芥山賞を受賞したことを知る。高校の卒業式の日、「芥山賞を取ったら結婚してあげる」と言った恭子の言葉を信じ、一馬は連絡をしてきたのだ。その日から一馬は、恭子の劇場で上演されている芝居に毎日訪れるようになり…。