2015年10月9日(金)より、東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて公演が始まった、本格文學朗読演劇 極上文學 第九弾『高瀬舟・山椒大夫』。これまで、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』や芥川龍之介『藪の中』をはじめ、様々な文学作品を題材にしてきた大人気シリーズが、今回は森鴎外の名作『高瀬舟』『山椒大夫』の2編からストーリーと登場人物を紡ぎ合わせ、鴎外の世界観を作り上げる。そして本公演直前の10月8日(木)、同劇場にて公開稽古と記者会見が行われた。
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この日の会見には、村田充、伊勢大貴、藤原祐規、松本祐一、椎名鯛造、水石亜飛夢、服部翼、雨宮良、松田洋治の主要キャスト8名が登壇し、それぞれの意気込みを語った。
村田充(喜助・山椒大夫)
「独特な作品ですので、指先ひとつ、瞬きひとつ、上手に汲み取れるようにして、ミスの無いような表現を最後までやり切りたいと思います」
伊勢大貴(喜助・山椒大夫、厨子王・弟)
「今回のお話をいただいてから小説を読みましたが、今回こうやって2役、それ以上を演じさせていただいてすごく楽しいので、千秋楽まで頑張りたいと思います」
藤原祐規(庄兵衛)
「ミツさん(村田)とイセダイ(伊勢)の喜助が全然違うので、二人が違うだけでも全く違う作品になるのではないかと思います。ぜひ劇場で観ていただければ」
服部翼(安寿)
「今回はWキャストになりますが、それぞれの色でいい所を出せたらと思います。普段本を読まない人にとっては、僕たちが演じて分かりやすく伝えられたらいいな」
雨宮良(林太郎)
「キャストが同じ事が無い、良い役者同士のセッションが出来ると思います。繊細な表現でいろんな伝わるものが増えたり減ったりすると思うので、丁寧に、大胆に、頑張りたいと思います」
このほか、安寿役のWキャストとして本シリーズ初参加の水石は「なかなか無い機会だと思いますので、この世界観と役をしっかり生きようと思います。演劇と朗読の素敵なバランスをとった独特の世界観を皆さんに楽しんでいただけたら」と、初の女性役にも気合十分。また、庄兵衛と厨子王・弟の2役を演じる松本は「立場によっていろいろな見え方や感じ方があるので、そこを楽しむと共に、その空気を皆さんと共有できたら」とコメント。
伊勢、松本とともに厨子王・弟のトリプルキャストを務める椎名は「持っている台本がいろんな小道具に変化したり、効果的な使い方をしている作品なのでそちらも楽しんでいただけたら。今回初めて大阪に行くので、関西のお客様にもぜひ来ていただけたらと思います」と、関西のファンへメッセージ。そして会見の最後、前作に続いて出演の林太郎役・松田は「私の役名“林太郎”は森鴎外の本名です。なぜ鴎外ではなく林太郎なのか、というところから役へのアプローチを楽しくやっております」と役作りについて語った。
多くのキャストが見どころに挙げていた“マルチキャスティング”は、毎回異なる配役で上演されるという、本作の大きな特徴の一つ。配役が変わるごとに作品の印象もガラリと変わり、何度観に行っても新たな表情を見せてくれる。一度だけの観劇ではもったいない作品だ。
本格文學朗読演劇 極上文學第9弾『高瀬舟・山椒大夫』は、2015年10月18日(日)まで、東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて、その後、10月24日(土)、25日(日)に、大阪ビジネスパーク円形ホールにて上演される。
撮影:金山フヒト