一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会が運用するAiiA 2.5 Theater Tokyo(アイア 2.5 シアタートーキョー)の第一弾『ライブ・スペクタクル NARUTO -ナルト-』のワールドツアー終了に続き、『デスノート The Musical』の韓国公演が6月20日に韓国の城南シアターにて開幕した。
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日本では東京・日生劇場ほか、大阪、名古屋でも上演され、フランク・ワイルドホーン作曲、栗山民也演出により多くのファンを魅了した『デスノート The Musical』。韓国公演では、夜神月役にホン・グァンホ、L役に人気グループ「JYJ」のキム・ジュンスと、人気、実力を兼ね備えたキャストが起用され、現地でも話題となり、8月9日(日)までの公演チケットはすでに完売。初日となった6月20日(土)は開演時間の前から舞台の開幕を待ちきれないファンが劇場に押し寄せ、大きな歓声の中、公演がスタートした。
「とにかく、開演前は現地のお客さんの“待ちきれない”といった雰囲気が劇場を覆っていた。上演がスタートし、一幕目が終わった後は更にその興奮度が増し、終演時には劇場全体が盛り上がっている感じ」と、現地での初日の様子を実際に目にした、日本2.5次元ミュージカル協会の理事でもあり、日本での公演の主催元である株式会社ホリプロ(以下、ホリプロ)の堀義貴代表取締役社長。『デスノートThe Musical』は、楽曲はもちろん、脚本もブロードウェイのスタッフにより制作。原作は日本の人気漫画であり、日本のオリジナルミュージカルとしてホリプロが権利を所有し、今回の韓国公演も権利を許諾する形で、韓国の主催者サイドが実際の公演を運営している。
「契約までの作業は正直、本当に大変だった。ただ、実際に韓国での公演を見ると、キャストもスタッフも質が高い。圧巻だった。演出の栗山さんも同じ演出をしてもキャストたちのアプローチの仕方も違うと言っていた。キャストたちの役への取り組みは非常に真剣だしもちろん原作も知っている。日本公演とは演出もセットも衣装以外は全て同じものなのだが、ある意味、全く違う『デスノート The Musical』になっていた」と話した堀代表取締役社長。ミュージカル市場としては世界でも上位に入る日本でありながら、世界に通じる「オリジナルミュージカル」は多いとはいえない。海外公演を通じて、海外でも人気の高い漫画、アニメ、ゲームを原作とした2.5次元ミュージカルは、その可能性を秘めている。
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「せっかく世界に通じる力のある漫画などの原作があるのだから、実力のあるスタッフで舞台化に臨めば、十分世界で受け入れられる。今回の韓国版では父と子の関係など、物語そのものは同じでもそこにその国の文化なども自然に織り込まれていて、日本発の作品でありながら、ちゃんと韓国版として存在していた。日本の演劇市場を活性化させるためにも、日本にちゃんと権利料が入り、世界中でロングラン公演される形にならないと意味がない。今後も『デスノート The Musical』の他国での上演の希望があれば対応したい。オリジナルを英語で制作しているので、希望があれば提案しやすい」と堀代表取締役社長は語る。
6月にワールドツアーを終了させた『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』のように日本のオリジナルキャストで海外公演を行う形と共に、日本2.5次元ミュージカル協会が設立時より目標の一つに掲げている「日本発、世界標準ミュージカル」の確立に向け、大きな一歩となった『デスノート The Musical』。今後の2.5次元ミュージカルの展開にますます期待が高まる。