東京・シアター1010でのプレビュー公演を経て、2015年8月13日(木)に東京・日比谷シアタークリエで幕を開けるミュージカル『貴婦人の訪問』の製作発表が、5月26日(火)に都内で行われ、演出を担当する山田和也と山口祐一郎、涼風真世、春野寿美礼らのキャストが登場。報道陣と抽選で選ばれたオーディエンスを前に、作品にかける想いや物語のキーワードにもなっている“10代の頃の恋”について熱いトークを繰り広げた。
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『貴婦人の訪問』はスイスの作家フリードリヒ・デュレンマットによる名作小説で、1964年にはイングリット・バーグマン主演『訪れ』というタイトルで映画化もされている。今回シアタークリエで上演されるのは2014年に公演が行われたウィーン版をベースにしたバージョン。実力派のキャストが揃ったこの夏注目のミュージカル『貴婦人の訪問』・・・まずは登壇者のコメントを紹介しよう。
山田和也(演出)
とてもロマンティックで情熱的な作品でありつつ、どこかシニカルな面もあって、凄く“大人”なミュージカルだと思っています。原作には寓話のような乾いた笑いの部分や文明批評的なところもあるのですが、このミュージカルはもう少しロマンティック寄り・・・愛と憎しみのドラマが展開していきます。内容的にも音楽的にも『モンテ・クリスト伯』や『レベッカ』に近い所もあるのかな、と。皆さんのご期待に応えられる作品にしたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
山口祐一郎(アルフレッド役)
今日はありがとうございます。本当に良いお天気ですね。この後皆さんと日比谷公園でお花見が出来たら…なんて思ってみたりして(笑)。この作品の中で私が演じるアルフレッドは涼風さん演じるクレアと10代の頃付き合っていたわけですが、その後春野さん演じるマチルデと結婚してしまいます。そして田舎で平凡な雑貨屋を営んでいたわけですが、そこに億万長者となったクレアが戻って来るという…私は一体どんな目に遭うんでしょうか?怖い!本当にミュージカルで良かったです(会場爆笑)。若い頃、いけない事をすると大人になって大変なことが起きるんですよ(笑)。そんな事も考えつつ観て頂けたらと思います。
涼風真世(クレア役)
クレアという役を生き、完全燃焼できるよう頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
春野寿美礼(マチルデ役)
私が演じるマチルデは、夫を愛し、子どもを愛し、家庭を守り抜く…そんな女性です。しっかり演じていきたいと思っております。
質疑応答で「作品のキーワードにもなっている“10代の恋”の思い出は?」と質問が飛ぶと、山田は「高校の時に好きな人が出来て手編みのマフラーを貰いました…以上です!」と、照れた笑顔で語り、山口は「え、10代?10代ですか?…えーっと、本当に楽しかったです(笑)。ある公園の柵にあちこち穴が開いていまして、そこから中に入って夜空の星を芝生に寝転がって眺めたりしましたね…楽しかったです!その頃、一緒に星を眺めた方が、今でも時々劇場にお子さんやご主人と一緒に来て下さるのですが、そういう時って舞台よりたくさん汗をかくんですよね」と会場の笑いを誘うトークで盛り上げた。
涼風は「父の仕事の関係で富山に住んでいまして、バス通学をしていました。その頃同じバスに乗っていた男の子に惹かれていたのですが、特にお付き合いはなく、甘い思いを抱いたまま18歳で宝塚音楽学校に入学しました。それでこの話は終わるのかと思いきや、20代になって富山の実家に帰った時に彼が訪ねて来てくれたんです!そこで改めて宝塚の事を報告して、お付き合いは出来ないとお話した記憶があります」とオーディエンスのため息を誘い、春野は「実は私、10代の頃に恋はしていないと思うんです。宝塚の舞台を初めて観たのが中学3年生の時だったのですが、そこからずっと宝塚の男役に恋をしてしまい…20代までそんな状態が続きました」と語った。
ミュージカル『貴婦人の訪問』は2015年7月27日(月)~29日(水)東京・シアター1010でのプレビュー公演を経て、8月13日(木)~31日(月)まで日比谷・シアタークリエにて上演される。
撮影:上村由紀子