2015年5月24日(日)から東京・紀伊國屋サザンシアターで上演されるこまつ座『戯作者銘々伝』。本作は、井上ひさしの小説『戯作者銘々伝』および『京伝店の烟草入れ』を素材に劇団桟敷童子の東憲司が書き下ろした新作だ。その公開稽古が5月12日(火)都内で行われ、同日行われた会見では北村有起哉、新妻聖子、玉置玲央、相島一之、阿南健治、山路和弘、西岡徳馬が意気込みを語った。
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山東京伝役で主演を務める北村は「この公演はこまつ座として新しく輝かしい一歩目。しかし、小説を戯曲にするという作業はそう簡単にいくものではないと日々、肉体を通して痛感しているところであります」試行錯誤の様子を明かした。作・演出を務める東も、新作を生み出すことに苦労したようだが「みんないい作品を創ろうと奮闘中。自分でもこれがどんな作品になるかワクワクしている」と自信を見せた。
唯一の女性キャストである新妻は「演じる三役のうち、二役は京伝さんの先妻と後妻ということで、いささか複雑な気分です(笑)男性の偉人伝ですが、その中にも確かに女性が生きた証があったということを表現できたら」と笑顔で語り、年齢が最も若い玉置も「若いなりに自分が何をできるかということに真摯に向き合っていきたい」とコメントした。
ともに劇団東京サンシャインボーイズ出身である相島と阿南は「一緒に舞台をやるのは『returns』(2009)以来かもしれない」と顔を見合わせ、久しぶりの共演を喜びあっていた。
また、こまつ座初出演となる山路は「この人たちとできるなら楽しめると、想像した通りの稽古場になっている」と今回の座組みを絶賛。
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西岡は、今回演じる蔦屋重三郎役を2007年に上演された『写楽考』の中でも演じたと言い、「ご縁があるのかな」と笑った。作品については「(井上には)『天保十二年のシェイクスピア』(2005)の時にお会いしましたが大変魅力的な方だった。井上先生は、難しいものを難しく見せない。それを重々わかっている東さんが演出されているから、とてもわかりやすくなっていると思う」と評し、「今の日本人が忘れている部分をぐっとえぐる楽しい舞台をお見せしたい。是非ご期待ください」と締めくくった。
江戸時代後期、黄表紙や洒落本が風俗を乱すととがめられ弾圧されながらも『笑い』に賭け、筆を折らなかった江戸の戯作者たちの姿が平成に甦る。こまつ座『戯作者銘々伝』は、2015年5月24日(日)から6月14日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演される。
※公開稽古の模様は後ほどお届けします!