2024年2月18日(日)より東京・東急シアターオーブにて上演されるミュージカル『ボディガード』。その制作発表記者会見が1月9日(火)に東京・コットンクラブ・丸の内にて行われ、新妻聖子・May J.(Wキャスト)、大谷亮平が登壇した。
ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演により世界中で大ヒットを遂げた映画『ボディガード』を舞台化した本作。映画の楽曲もふんだんに使ったこの大型ジュークボックスミュージカルは、英国「ローレンス・オリヴィエ賞」で、最優秀作品賞を含む4部門にノミネートされ、18ヶ月の英国&アイルランドツアーは完売しウエストエンドへ凱旋。以後世界中で上演され、日本では、2019年9月に本場英国キャストによる初の来日公演が行われた。
2020年春に新演出にて公演を予定していた日本キャスト版初演は、コロナ禍の影響により殆どの公演回が中止に。その後、2022年に念願の再演が叶い、この度、更なる進化を遂げて、3度目の上演を迎える。
演出・振付は、前回までに引き続きジョシュア・ベルガッセが手掛ける。キャストには、誰もが認める抜群の歌唱力でミュージカル界を牽引し、数々の作品で主演を務める新妻と、紅白歌合戦にも出場し、日本を代表する歌姫として幅広い世代から支持を集めるMay J.が前回に続き出演し、人気絶頂のポップシンガー、レイチェル・マロン役をWキャストで演じる。そして、レイチェルを守るボディガード、フランク・ファーマー役として、端正なルックスと確かな演技力で映画やドラマで活躍中の大谷が初演から3回目の出演となる。
さらに、才能ある歌手だが表舞台は妹に譲って生きるニッキー役にAKANE LIV、レイチェルの広報担当サイ・スペクターに初演キャストの水田航生が再び出演。旧来のボディガード、トニー・シベリ役を演じる加藤潤一と、レイチェルにつきまとう正体不明のストーカー役は大久保祥太郎は今回が初参加。そして、彼女を支え続ける人望厚きマネージャー、ビル・デヴァニーには吉本新喜劇の内場勝則が演じる。
制作発表は、新妻とMay J.の2人が揃っての歌唱パフォーマンスからスタート。本作を代表するナンバーで、グラミー賞受賞曲でもある「I Will Always Love You」と、本作のフィナーレでも歌われる「I Wanna Dance with Somebody」の2曲が披露された。2人は公演ではWキャストでの出演のため、揃っての歌唱は制作発表記者会見でしか見られない特別バージョンということで、短い時間ながらも大いに盛り上がり、2人の歌姫のスペシャルなデュエットに酔いしれる贅沢な時間となった。
歌唱パフォーマンス終了後の会見では、まず新妻が能登半島地震の被災者の方々へお見舞いを述べ、続けて「今、我々にできることをという思いで、皆で一丸となって頑張っております。今回で3度目の上演となりますが、一人でも多くのお客様に笑顔になっていただけるように皆で頑張って参りたいと思います」と挨拶。
May J.は「小さい頃から大好きな作品で、曲が本当にどれも素晴らしいので、観に来てくださる皆さんに力を届けられるように、元気を届けられるように私たちも一生懸命に頑張りたいと思います」と意気込んだ。
大谷は、演じる役について「なかなか多くを語らない難しい役なんですけど、同時に演じがいのすごくある男なので、この役を演じさせてもらえることを、今、非常に嬉しく思います」と喜びを口にした。
先ほどの歌唱パフォーマンスの感想を尋ねられると、新妻は「ちょっとユニットを組もうかなと思うぐらい楽しかったです。本番では同じステージには立てないので、本当に贅沢な時間でした」と答えると、May J.も「幸せでした」と振り返った。大谷は「本番の時は入れてほしかったんですけど、外にいたんですよ(笑)」と笑いを誘うと、「リハーサルで拝見したんですけど、レイチェル2人が一緒に歌っているのを見るのは初めてだったので、リアルで楽しみました」と語った。
昨年の出産後、本作で本格的な復帰となるMay J.は、「前回、この役を演じさせていただいた時はまだ子供がいなかったので、育児で感じることを自然に自分の役柄にも雰囲気が伝わってくれたらいいなという思いです」と期待を寄せると、先輩ママとなる新妻が「『本当に無理しちゃダメだよ。困ったことがあったら、みんなで助けるから無理だけはしないでね』と話していて、みんなで見守っていて、みんなで育てます(笑)」とボディガードぶりを発揮。その言葉に、May J.は「心強いです」と笑顔を見せた。
劇中で、大谷はお姫様抱っこをするシーンで体重の変化を感じるという話題になると、新妻は「大谷さんに負担を掛けないように、絶対に太っちゃいけないなと思っています(笑)。ちょっと体重変動を敏感に察知されるので、気を引き締めていきます。(大谷から)『アレ?餅食った?』と言われるんですよ(笑)」と明かすと、大谷は「今、お正月なのでね。僕が鍛えればいい話なので、もう準備はできています」とフォローした。
劇中のお気に入りの曲について、大谷はレイチェルの姉ニッキーとレイチェルが2人で歌う「Run To You」を挙げ、その理由について「2人が各々の心情を歌うところで「Run To You」の“You”って俺じゃんみたいな(笑)。こっちに向かってみたいなことを考えると非常にお気に入りの1曲になりました」と説明した。
May J.は「舞台に来て楽しんでいただきたいんですけど、大谷さんが歌う「I Will Always Love You」が毎回違うんですよ。ちょっとハズしたように歌っているんですけど、実はハモリのラインを歌っているというすごい高度な技を見せていて、毎回、心を持っていかれます」と挙げた。
新妻は「「I Will Always Love You」も捨てがたいんですけど、1幕の最後に歌う「I Have Nothing」という曲がありまして、大谷さんの目の前で歌うんです。あんな至近距離で誰かに歌いかけたとことってなくて、それを受け止める大谷さんもすごいなと思うんですけど、その演出込みで大好きなんです」と説明し、「一度、その曲をコンサートで歌ったことがあるんですが、大谷さんの顔に向けてじゃないと歌えなくなっていて、全然気持ちが乗りませんでした(笑)」と裏話を披露すると、会場から笑いが起こった。
最後に3人からメッセージが送られた。May J.は「本当に楽曲が素晴らしいのでストーリーを知らない方でも楽しめるライブ・ミュージカルになっています。ぜひ最後まで皆さんと盛り上がっていけたらと思います」とコメント。
大谷は「3度目の出演ということで、勝手にですけど3回目ってファイナル感があるなと。勝手に最終章と位置づけて、またみんなで頑張って稽古をして、素敵なものをお届けしたいと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください」と呼びかけた。
そして、新妻が「名曲揃いのミュージカルで、皆さまがご存じの洋楽、でもいい塩梅で日本語を交えながらお届けしますので、お芝居の一部としても楽しんでいただける、本当にいいとこどりのミュージカルでして、最後にみんなで盛り上がれるフィナーレもあります。そして、声出しも解禁となっていますので、お越しくださるお客様が一緒に楽しい気持ちになって帰っていただけるところを目指しております。ぜひ劇場に足をお運びください」と会見を締めた。
ミュージカル『ボディガード』は、2月18日(日)から3月3日(日)まで東京・東急シアターオーブ、3月9日(土)・3月10日(日)には山形・やまぎん県民ホール、3月30日(土)から4月7日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。
(取材・文・撮影/櫻井宏充)
ミュージカル『ボディガード』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2024年2月18日(日)~3月3日(日) 東急シアターオーブ
【山形公演】2024年3月9日(土)・3月10日(日) やまぎん県民ホール
【大阪公演】2024年3月30日(土)~4月7日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
スタッフ・キャスト
【出演】
レイチェル・マロン:新妻聖子 May J.(Wキャスト)
フランク・ファーマー:大谷亮平
ニッキー・マロン:AKANE LIV
サイ・スペクター:水田航生
トニー・シベリ:加藤潤一
ストーカー:大久保祥太郎
ビル・デヴァニー:内場勝則
青山航士 飯田一徳 岡田治己 加藤翔多郎 鹿糠友和 熊澤沙穂 後藤裕磨 斎藤葉月 杉浦小百合 杉山諒二 橋本由希子 深瀬友梨 Micco 吉元美里衣(50音順)
<スウィング>
新井健太 江崎里紗
【原作】ローレンス・カスダン作 ワーナー・ブラザース映画「ボディガード」
【脚本】アレクサンダー・ディネラリス
公式サイト
【公式サイト】https://bodyguardmusical.jp/
【公式Twitter】@BodyguardNIPPON