2015年、この夏のストーリーはわたしが決める!新国立劇場が、未来のおとなと永遠の子どもたちへ贈る未知の感“劇”体験フルコースとしてダンス・演劇・バレエを一緒に楽しめる『新国立劇場 夏のこども劇場セット』を発売することとなった。その発売にともない、2015年4月6日(月)に行われた制作発表の模様をお届けする。
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登壇したのは、2015年6月20日(土)から新国立劇場 小劇場にて上演される『サーカス』の演出・振付・アートディレクション・出演を務める森山開次、美術・衣装担当のひびのこづえ、音楽担当の川瀬浩介。2015年7月6日(月)から新国立劇場 小劇場で上演される『かがみのかなたはたなかのなかに』の演出・出演の長塚圭史、振付・出演の近藤良平、そしてバレエダンサーの首藤康之。7月22日(水)から新国立劇場 オペラパレスで上演される『シンデレラ』よりシンデレラを演じる新国立劇場バレエ団の4人、小野絢子、米沢唯、長田佳世、細田千晶。
大人も子どもも家族で一緒に楽しめるダンス公演『サーカス』の森山開次は「2004年から2009年まで『からだであそぼ』(NHK教育)という番組を通して子どもとの接点を持ち、それからずっと子どもに向けての作品作りをやってきています。『サーカス』というタイトルですが、あくまでもダンスの表現の中から生まれるサーカスとして、子どもから大人まで楽しんでもらえる作品にしたい」と語る。タッグを組むひびのと川瀬は、番組を通して知り合い2010年より『LIVE BONE』というパフォーマンス公演を全国各地で行っている仲。ひびのから川瀬に「子どもが帰りに口ずさめるような記憶に残るテーマソングを作って」とプレッシャーがかかるなど、気心の知れた間柄だからこそのアイデアがいっぱい生まれそうだ。
『かがみのかなたはたなかのなかに』は、長塚圭史による新作。2012年に上演された『音のいない世界』に続く、未来のおとなとかつての子どもたちへ贈る作品の第二弾となる。長塚は「劇場の中に大人と子どもが同じ空間にいるということは、子どもにとっては新しいものと出会う新鮮な驚きがあり、大人にとっても豊かな時間になると思います。夏の上演なので、楽しめるだけではなくちょっとぞくりとするような、子ども向けだからとあまり目線を下げすぎずに遊び心に満ちた作品にしたい」と意気込んだ。「昔から鏡にすごく興味がある」という長塚。ストーリーは、“たなか”という男が鏡の向こうの世界を意識し始め、その中で“けいこ”という女性に惚れるというところから始まる。キャスト・スタッフともに2年前と同じメンバーが集結するということで、演劇とは異なるジャンルから参加する首藤はほっとしたようだ。また、本日は不在だったが、3月30日(月)に女児を出産し母となった松たか子も本作で復帰する。前回公演の印象から「前回ほんとにセリフが多かったので、それだけは阻止したい!」と近藤から注文が入っていた。
『シンデレラ』チームからは小野が、「今回はレパートリー演目を1時間半に凝縮したものになっています。バレエの全幕のストーリーがちゃんと楽しめるように、美しい音楽、物語、美術、バレエそのものの醍醐味が味わえるようになっていますのでお楽しみに」と見どころを紹介。
“夏のこども劇場セット”ということで、それぞれの記憶に残っている幼少期の劇場体験について質問が及ぶと、長塚が別役実の『雰囲気のある死体』、首藤が九州で観た『屋根の上のバイオリン弾き』を挙げた。子どもが観る作品ではないのだが「観てはいけないものを観たという感覚に、子どもの頃は非常にワクワクした」と長塚。首藤は「観てくれた子どもたちの未来に繋がっていくとよいなと思う」と自らの体験を振り返った。小野、米沢、長田、細田もバレリーナを目指すきっかけは幼少期にあったという。この公演を観た子どもたちの中からも、未来の“シンデレラ”が…?
このひと夏の体験が、子どもの新しい可能性を開くかもしれない。お子様と一緒に劇場デビューしてみてはいかがだろうか。夏のこども劇場セットは、2015年4月11日(土)10時より発売開始。3公演フルセットの小学生セット(¥6,800)、中学生セット(¥7,700)、おとなセット(¥9,800)には、新国立劇場大解剖ブックレット付きなので、自由研究に役立てることもできそうだ。その他、2公演のセレクトセットも発売される。