浦井健治が、故・坂東三津五郎に誓う「この賞の名を汚さぬよう精進する」読売演劇大賞贈賞式

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2015年2月26日(木)、東京・帝国ホテルにて第22回読売演劇大賞の贈賞式が開催された。当サイトでもすでに紹介した最優秀男優賞の浦井健治、最優秀女優賞の秋山菜津子をはじめ、各賞の受賞者が出席した。同賞は1994年に創刊120周年を迎えた読売新聞の記念事業として、舞台芸術の発展のために創設されており、古典から現代劇まで演劇全分野を対象としている。第22回となる今回は9人の選考委員が作品・男優・女優・演出家・スタッフの5部門の候補それぞれ5件を選出。その中から作品、人物の中から演劇評論家や演劇界、マスコミ界の関係者103人による投票を行い最優秀賞を決め、それをもとに大賞や新人を対象とした杉村春子賞、長年の功績や優れた企画を顕彰する芸術栄誉賞も決定される。

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男優賞・女優賞は前年度の最優秀賞受賞者がプレゼンターを務めるのが恒例となっているが、前年度最優秀男優賞を受賞した歌舞伎俳優の坂東三津五郎は今月21日(日)にすい臓がんのため急逝。代わりに選考委員の一人であるアナウンサーの中井美穂がプレゼンターを務めた。最優秀男優賞を受賞した浦井は、友人でもある三津五郎の息子、坂東巳之助からメッセージをもらったことに触れながら、スピーチの中で「(5日前に三津五郎が亡くなったことで)いろいろな思いが胸にこみ上げてきましたが、この賞の名を汚してはならないと改めて自分に誓っています。今後一層、より気を引き締めて命あるかぎり毎日精進していきます」と熱い思いを語った。

浦井健治

全ての賞の贈賞が終わると、第二部では受賞者や会場に訪れた演劇関係者たちの懇親パーティーが行われた。そこではサプライズとして浦井による、『アルジャーノンに花束を』楽曲メドレーの歌唱パフォーマンスもあり、会場を盛り上げていた。

以下、改めて今年度の受賞作品を紹介する。

・大賞・最優秀作品賞
『伊賀越道中双六』(国立劇場)
・優秀作品賞
万獣こわい』(パルコ)
『ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる』(シアター風姿花伝)
HISTORY BOYS』(シーエイティプロデュース)
『初萩ノ花』(演劇集団 円)
・最優秀男優賞
浦井健治『アルジャーノンに花束を』(ニッポン放送、M・G・H)のチャーリィ・ゴードン役、『星ノ数ホド』(新国立劇場)のローランド役
・優秀男優賞
加藤武『夏の盛りの蝉のように』(文学座)
中村歌六『伊賀越道中双六』(国立劇場)
中村倫也『HISTORY BOYS』(シーエイティプロデュース)
橋本さとし『アダムス・ファミリー』(パルコ)
・最優秀女優賞
秋山菜津子『きらめく星座』(こまつ座)の小笠原ふじ役

秋山菜津子

・優秀女優賞
霧矢大夢『I DO! I DO!」(ナッポスユナイテッド)
高林由紀子『初萩ノ花』(演劇集団 円)
日色ともゑ『蝋燭の灯、太陽の光』(劇団民藝)
増子倭文江『ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる』(シアター風姿花伝)、『地の乳房』(劇団青年座)
・最優秀演出家賞
上村聡史『ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる』(シアター風姿花伝)、『炎 アンサンディ』(世田谷パブリックシアター)
・優秀演出家賞
小川絵梨子『ロンサム・ウェスト』(シス・カンパニー)、『HISTORY BOYS』(シーエイティプロデュース)
中津留章仁『虚像の礎』(TRASHMASTERS)
藤田俊太郎『ザ・ビューティフル・ゲーム』(オフィス・ミヤモト)
和田憲明『304』(ウォーキング・スタッフ)
・最優秀スタッフ賞
二村周作『フォレスト・ガンプ』(Quaras)、『ブラック メリーポピンズ』(日本テレビ、東宝芸能、キューブ、シーエイティプロデュース)の美術
・優秀スタッフ賞
石井みつる『不破留寿之太夫』(国立劇場)の美術
川崎悦子『ラストフラワーズ』(劇団☆新感線・ヴィレッヂ)の振付
新海絵理子『ザ・ビューティフル・ゲーム』(オフィス・ミヤモト)の振付
・杉村春子賞
藤田俊太郎『ザ・ビューティフル・ゲーム』(オフィス・ミヤモト)の演出
・芸術栄誉賞
加藤武
・選考委員特別賞
宇野亞喜良『ジャガーの眼』(新宿梁山泊)の美術、『オールドリフレイン』(結城座)の人形美術

読売演劇大賞

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