大竹しのぶと三浦春馬が初共演する舞台『地獄のオルフェウス』が2015年5月、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演されることが決定した。本作は、アメリカ現代演劇界の重鎮テネシー・ウィリアムズが、彼の絶頂期ともいえる1957年に発表した戯曲。1940年に初演された『天使のたたかい』を17年の歳月をかけて改訂し、作家生命のすべてをかけて書いた傑作である。
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本作の舞台は、偏見と慣習に囚われた小さなコミニティ。愛のない結婚をし、淡々と日常を生きる女の前に現れたひとりの青年。彼が放つ“違和感”は波紋のように広がり、人々の欲望を触発していく…。
主人公レイディ・トーランスを演じるのは、女優・大竹しのぶ。かつて演劇界を騒然とさせた舞台『欲望という名の電車』ブランチ役の名演で、ウィリアムズ戯曲との相性の良さは実証済。今回も鬱屈と情熱を抱えるリアルな女性像をどのように描くか期待されている。そして、自由な魂の象徴である青年ヴァル役は、若手実力派ナンバー1の呼び声も高い三浦春馬に決定した。これまで、地球ゴージャスや劇団☆新感線の舞台で優れた身体能力と華のある演技を魅せてきた三浦は、今回ストレート・プレイ初挑戦となる。難役にどう挑むか、そしてベテラン大竹にどう挑んでいくのか、注目したい。
本作への出演について、大竹は「身も心も焼けつくようなテネシー・ウィリアムズの世界にまたいける喜びに溢れています。初めての演出家のフィリップ・ブリーンさんが、どんな風に私達をその世界に連れていってくれるのか、とても楽しみです。また、初めての三浦春馬さんとの共演。先日少しお会いしたのですが、何て純粋な方なのだろうと、一目で分かりました。春馬さんとフィリップさんと、そしてみんなでテネシー・ウィリアムズととことん向き合い、劇場を出る人達が「フゥー」と幸福のため息が漏れるよう、熱い舞台を作っていきたいと思います」と語っている。
また三浦は「素晴らしい戯曲に挑戦させて頂けること、大竹しのぶさんと共演させて頂けること、とても光栄に思います。稽古中、一時も無駄にせず、実りのある時間を過ごすと共に、役者として、しっかり勉強させて頂きます。作品を創り上げる一部として、努力して行きたいです」と真摯にコメントしている。
演出を務めるのは、シアターコクーン・オンレパートリー公演で初の英国人演出家となるフィリップ・ブリーン。イギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどでキャリアを積み重ね、昨年ロンドンで上演した『TRUE WEST』が劇評各紙から高い評価を受けるなど、いま最も注目を集める新進気鋭の演出家だ。
『地獄のオルフェウス』東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、2015年5月7日(木)から5月31日(日)まで上演。その後大阪公演も予定されている。