2014年はウィリアム・シェイクスピア生誕450年にあたる年ということで、数多くのシェイクスピア作品が国内外で上演された。日本を代表する演出家・蜷川幸雄が芸術監督を務める彩の国さいたま芸術劇場では、1988年以来、シェイクスピアの全戯曲上演を目指す「彩の国シェイクスピア・シリーズ」を開催してきたが、2014年はシェイクスピア作品の中でも代表的な悲劇『ジュリアス・シーザー』を蜷川幸雄演出で上演。この模様を3月8日(日)WOWOWプライムにて放送する。
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紀元前44年、ポンペイを破ったローマの将軍ジュリアス・シーザーが、民衆の大歓声を受けがい旋してくる。だが、独裁色を強めるシーザーに対し、カイアス・キャシアスは不満を募らせていた。キャシアスはシーザー暗殺を画策。ローマ市民から信望の厚いマーカス・ブルータスに声を掛ける。敬愛するシーザー暗殺の誘いに悩むブルータスだが、結局、国の将来を案じその申し出を受けることに。そして決行の日の議事堂、暗殺共謀者たちが振り下ろす無数の刀によりシーザーは息絶える。ブルータスの暗殺の正当性を訴える演説は市民たちの理解を得たように思えたが、その後、シーザーの腹心、マーク・アントニーの弔辞で空気が一変。アントニーの言葉には、暗殺者たちを憎悪するよう市民の心をコントロールする力があった。やがて、ブルータスやキャシアスらは、断罪を唱える市民たちに追い詰められていく。
ドラマチックなストーリーが魅力の本作だが、蜷川は「叙情に流された演出をせず、生身の、俳優の演技の力強さで全編を駆け抜けたい」と語る。そんな蜷川の想いを具現化する俳優陣が集結した。悩みながらもシーザーの暗殺に加わるブルータス役は阿部寛。シーザー役は文学座の横田栄司が担当する。また、シーザーの腹心・アントニー役に藤原竜也。蜷川とのタッグで数々の伝説を残してきた藤原は意外にもシリーズ初登場となる。さらに、昨今、映像作品で大活躍の一方、日本を代表するシェイクスピア俳優の一面を持つ吉田鋼太郎が、シーザー暗殺の発案者・キャシアスを演じる。
『ジュリアス・シーザー 阿部 寛×藤原竜也×横田栄司×吉田鋼太郎 作・W.シェイクスピア 演出・蜷川幸雄』は、3月8日(日)午15:00からWOWOWプライムにて放送。