2015年1月に、“東京”をテーマにしたリーディング企画『朗読「東京」』が、東京芸術劇場シアターイーストにて上演される。東京芸術劇場は、2009年に野田秀樹が芸術監督に就任以降、積極的に自主制作に取り組んでおり、これまでに「芸劇+トーク」シリーズとして、二人の作家が自作を朗読し、対談する企画を不定期で開催してきた。
関連記事:朗読劇(リーディング)の魅力は、観ている者の脳内で無限大にふくらむイメージの心地よさなのでは?エンタステージでこれまで紹介した朗読劇をご紹介!
この芸劇+トークで、東京から世界へ“東京”の文化を発信していくために2013年からスタートしたのが、東京をテーマにした新たなシリーズ『朗読「東京」』 だ。
『朗読「東京」』は、古今の名作に描かれた“東京”を二人の俳優が読み、朗読後のトークで自分と東京を語るという二部構成。東京で生まれ育った人にとっての“東京”、外から来て東京に暮らす人にとっての“東京”。読まれる物語と、それぞれの距離感で語られる“東京”から、さまざまな東京の顔が見えてくるだろう。
三回目となる本公演では、新進気鋭の劇団「範宙遊泳」の山本卓卓が演出を手がける。企画監修は、文芸、映画、都市文化まで幅広い見識をもつ評論家の川本三郎。川本は、二人の俳優の聞き手として、朗読後の対談にも出演するのもこの企画の魅力の一つだ。博識な川本の紹介する東京にまつわるさまざまなエピソードに、俳優も質問を投げかけ、楽しいトークが展開される。
以下、3日間で上演される3作品と出演者を紹介しよう。
1月7日(水)19:30開演『白痴』坂口安吾 作
無頼派として知られる坂口安吾の代表作。独身男と白痴の女の奇妙な関係を描く物語。
出演:川口覚(『ライクドロシー』)×藤井美菜(ヤクルト・マクドナルドCMに出演)
1月8日(木)19:30開演『少年』谷崎潤一郎 作
少年と少女のどんどんエスカレートしていく、危ういサドマゾヒズムの「ごっこ遊び」の行く先は…。
出演:百瀬朔(『仮面ライダー鎧武』)×名児耶ゆり(『うまれてないからまだしねない』)
1月9日(金)19:30開演『品川心中』古典落語より
品川の遊郭が舞台の、女郎と客の心中騒動を描いた古典落語の名作。落語を朗読するとどうなるか!?
出演:橋本淳(『連続テレビ小説 ちりとてちん』)×宮菜穂子(『夜中に犬に起こった奇妙な事件』『炎立つ』)
Photo:(上から順に)
『白痴』藤井美菜、山本卓卓、川口覚
『少年』百瀬朔、山本卓卓、名児耶ゆり
『品川心中』宮菜穂子、山本卓卓、橋本淳