ウィリアム・シェイクスピアの初期の傑作喜劇を1971年にミュージカル化、ブロードウェイでの公演も好評を博した『ヴェローナの二紳士』。今回、演出の宮本亜門、主演の西川貴教をはじめ個性豊かなキャストで日本での上演が決定、その記者会見が10月3日(金)、都内で行われた。
かつて劇団四季が上演したこの作品を観て、非常に感銘をうけたという宮本は、「シェイクスピア生誕450周年の年の最後を飾る、めちゃめちゃ変わったシェイクスピアです。こんなに面白くていいのか、楽しくていいのか。こんなに人って愛おしくて素敵なの、シェイクスピアってなんでもアリだね! というような、幸せと喜びが溢れた作品にしたいと思います」と意気込みを語る。
友情と愛情の葛藤に悩む主人公・プロテュース役を演じるのは意外なことに?今回、宮本と初の顔合わせとなる西川。「非常に律儀で純朴な男性を想像するかもですが、非常に破綻した役です(笑)。そんな素晴らしい役をやらせていただくということで、僕なりのプロテュースを演じたいと思います。感動ももちろんですが、皆さんに楽しんでいただきたい」と語った。恋人がいるのに親友の恋人に一目惚れしてしまう役とのことで、彼の役柄の奔放ぶりも見どころの一つだ。
プロテュースの親友であり、同じ女性をやがて追放されてしまうヴァレンタイン役はミュージシャン・堂珍嘉邦。「台本を読んでいたら自分が思っている以上に喜びと自由と葛藤、友情など(様々なものが)がある作品。みんなが自由になれるような舞台です」と語っている。
また、プロテュースの恋人・ジュリア役は近年ミュージカルでも活躍中の島袋寛子。「畑を耕すことが好きな純朴な女の子。そんな女の子がプロテュースを愛すことでいろんな経験をするんですが、台本を読んでいて『わ、嘘でしょ』という言葉が私自身出てきました(笑)私自身宮本さんがどう演出なさるのか楽しみです」とのこと。彼女の役はラストにあっと驚く展開があるようで、そちらも楽しみだ。
ヴァレンタインの恋人でプロテュースにも一目惚れされるシルヴィア役の霧矢大夢は「今ご紹介にあったようにモテる役なので非常にプレッシャーなんですが(笑)愛と夢がたくさん詰まった作品を皆さんに見て頂いて、『いい夢見て来年を迎えられるな』という気分になっていただきたい」、今回舞台上でサックス演奏もあるという武田真治は「観て頂いての通り濃いメンバー。既に自分の表現を持っているメンバーの中で自分が何ができるか楽しみ」とそれぞれこの作品への思いを語る。また、宿屋の主人役の斉藤暁が歯に衣着せぬ?発言を繰り返し宮本と武田から総ツッコミを受けるという場面も! 作品の雰囲気を伺わせるような自由で楽しい(!?)記者会見となった。
宮本曰く「憂鬱になっている方、発散したい方、本当の愛を探したい方は観に来ていただきたい」というこの作品。楽しい気分で来年を迎えられる、そんな舞台となりそうだ。『ヴェローナの二紳士』は、12月7日~12月28日に日生劇場にて上演される。