2018年10月4日(木)より舞台『カレフォン』が開幕する。本作は、作・演出を鈴木おさむが手掛け、廣瀬智紀と川栄李奈がW主演を務める作品。生きる実感を無くしてしまった派遣OLの茜(川栄)に、古いスマホを通して2年前に病気で亡くなった恋人・駿(廣瀬)の声が届き、彼女の背を押す・・・という、切なく泣けるラブファンタジーを描いている。本インタビューでは、廣瀬に本作の印象や、作品を通して届けたい思いを語ってもらった。
――間もなく『カレフォン』開幕ですね。この作品は、鈴木おさむさんの作品ですが、まずこの企画を聞いたことを振り返っていただけますか?
鈴木おさむさんには、以前からお世話になっていまして、今回、また舞台でキャスティングしていただいたので、すごく嬉しい気持ちになりました。僕自身、こういった恋愛ものはあまりやった経験がないのでプレッシャーもすごくありましたが、自分の中でチャレンジになるという印象を持ちました。
――鈴木さんとは、デビュー間もない頃からご縁がありますが、廣瀬さんから見た鈴木さんはどんな方ですか?
やはり、クリエイターですね。唯一無二のクリエイターと言いますか・・・。おさむさんって、すごくいろんなことに興味を持って、いろんなところに顔を出して自分から情報を仕入れにいく方なんです。『私のホストちゃん』のドラマでご一緒させていただいた時も、女性が喜ぶことを考えてるために、いろんな女性にインタビューをしたり、アンケートを取ったりしたことを演出に取り入れていたので、何に対しても貪欲ですごいなと思っています。
――鈴木さんの作品は、作品ごとに違うアプローチをされていますよね。
そうですよね。今回の作品も、すごく意外に感じました。恋愛を描くというよりもファンタジックで、女の子を応援するような感じで。スマホをメインに据えるというのも斬新で、おさむさんならではだなと。
――ブログなどを拝見すると、廣瀬さんのファンの皆さんへの向き合い方と近いのかなと思いました。
今そう言っていただいて、近いところあるかもと思いました。僕はこの仕事を、誰かのために、と思ってやっている部分があって。ファンの方が、僕に会っただけで元気になると言ってくださるんです。お芝居やそのほかのいろんなことを通して心を動かせたことが、その人の次の一歩につながったらいいなという気持ちでお仕事をさせていただいています。今回の舞台でも、川栄さん演じる茜にいろいろとアドバイスしていく役なんですが、それがまた、観劇しに来てくださる方々への応援メッセージにもなったらいいなって思っています。
――廣瀬さんご自身も、イベントなどで脚本を書かれている伺いました。書くことはお好きなんですか?
廣瀬智紀が書いたっていう前提で観てもらうのには、どこかまだ恥ずかしい部分もあったりするんですけど、イベントで2本ほど書かせていただきました。子どもの頃、自分の頭の中にある想像を絵に描いたり、作文したりすることが結構好きだったんです。役者になって、どこかそういう部分を忘れてしまっていたんですが、イベントではいろんなことができるので、自分で書いて演じてみたいなと思って・・・でも、難しいですね(笑)。
――ファンタジーはお好きですか?ちょっと不思議な経験とかされたことあります?
基本的にはハッピーエンドの作品が好きです。不思議な経験・・・具体的なことはないんですけど、僕、運命って言葉をすごく信じていて。自分にとっていいことがあった時、もちろん、悪いことがあった時も「あの時のあれがこうなっているんだな」「ああいう風に言ってもらってたことが叶っているんだろうな」って、ふと思ったりするタイプなので、ファンタジーの世界観はすごく好きです。
――捨てられなかった「スマホ」が物語の鍵となりますが、廣瀬さんご自身は昔のスマホって昔のどうされてますか?
捨てずに残してます。ガラケーもまだあります(笑)。
――ものへの愛着を持つタイプですか?
子どもの頃から「モノを大事にしなさい」と親に言われて育ってきたのもあって、物持ちはすごくいい方だと思います。だから10年前に着ていた服を今も着ていたりしますし、バックも長く持っています。だからモノがどんどん増えていっちゃうという(笑)。基本的に、思い入れの強いモノとかは捨てられないタイプですね。
――ヒロインである川栄李奈さんのご印象は?
初めてお会いしたのは、戸塚(純貴)くんの出ている舞台を観た行った時でした。テレビで見ない日はないぐらいご活躍されている方ですからね。すごくかわいらしいですし、今の時代にすごく合った雰囲気を持っていて、見ているだけで人にパワーや元気を与える方だと思います。
――今回、舞台の音楽を大塚愛さんが書き下ろされるそうですね。
僕、高校生の時から、大塚愛さんの音楽が大好きで、ずっと聞いていたんです。周りの同級生も皆大好きだったんですよ。高校生の頃の、この仕事をしていることをまだ知らない時代の自分に言ってあげたいですね。まさか、こうしてお仕事で関わることができるなんて思ってももみなかったですし。
――どの曲がお好きですか?
「甘えん坊」っていう曲が好きなんですけど・・・男がこの曲好きっていうと、えーって思われちゃうかなあ(笑)。大塚愛さんの世界観が好きで、よくカラオケでも歌わずにPVを観たり、そういう楽しみ方もしてました。
――音楽もお芝居も、誰かの背を押すきっかけになるものだと思います。遠く離れた人の、電話から聞こえる声もそうですよね。
僕も基本的に、話したいことがあったら、LINEとかメールじゃなくて、電話の方がいいなって思います。ちょっと矛盾するかもしれないんですが、文字だけではなかなかすべての気持ちって伝わりきらないところもあるのかなって。だから電話はもちろん、直接お会いできる人には、ちゃんと目を見て話すことを自分の中では大事にしています。
――この舞台と通しても、いろんなことがお客様に伝わるといいですね。
おさむさんの書く切なく泣けるラブファンタジーは、多分、どの女性にも共感していただけるものだと思いますし、僕自身もこの舞台が、普段世の中で戦っている女性や応援してくださっているファンの方々への応援のメッセージになったら嬉しいなと思っています。ぜひ、劇場へキュンキュンしに来てください。
◆公演情報
『カレフォン』
【東京公演】10月4日(木)~10月21日(日) オルタナティブシアター
【大阪公演】10月27日(土)・10月28日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【広島公演】10月31日(水) はつかいち文化ホールさくらぴあ
【埼玉公演】11月3日(土) ウェスタ川越大ホール
【仙台公演】11月6日(火) 電力ホール
【北海道・七飯町公演】11月11日(日) 七飯町文化センターパイオニアホール
【北海道・札幌公演】11月13日(火) わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
【作・演出】鈴木おさむ
【音楽】大塚愛
【出演】廣瀬智紀 川栄李奈/戸塚純貴 柳美稀 山崎樹範
【公式HP】http://www.krph.jp/
漫画 (C)鈴木おさむ・丹沢ユウ/講談社