劇作家・演出家の鈴木勝秀が、武士を捨て町人に寄り添うように戯作者となった近松門左衛門と、忠臣として歴史に名を残す大石内蔵助の物語を、「男同士の友情ドラマ」として描く新作舞台『近松忠臣蔵』が、2025年5月から6月にかけて上演されることが決定した。本作で、佐藤流司とA.B.C-Zの橋本良亮が再びタッグを組む。
鈴木勝秀が描く『THE BLANK!~近松門左衛門空白の十年~』の続編
本作は、近松門左衛門の末裔である、近松洋男氏の「口伝解禁 近松門左衛門の真実」を元に、鈴木が近松家に伝わる「門左衛門と大石内蔵助の不思議な関係」に注目して描いた新作舞台。
鈴木は、2019年に『THE BLANK!~近松門左衛門空白の十年~』で、20代の近松門左衛門の波乱万丈の青春期、大石良雄と赤穂塩の専売と販路開拓事業に励み、そこで結ばれた門左衛門と良雄との友情を描いており、本作はその続編となる。歴史的事実に忠実に再現するのではなく、役柄の年齢なども含めフィクション性を含んだ物語となる予定だ。
また、音楽は鈴木作品では、欠くことができない大嶋吾郎が担当。時代物でありながらも、ロックテイスト溢れる音楽で作品を彩る。
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舞台『近松忠臣蔵』のあらすじは?
波乱万丈の青春期を過ごし、赤穂塩の専売とその販路開拓事業に励んだ、大石良雄と近松門左衛門。その後、大石は播州赤穂藩の筆頭家老、一方、近松は武士を捨てて戯作者となった。だがふたりは、武士と町人に身分は分かれたが、日々その友情を深めていた。
時を同じくして、江戸城内。
勅使饗応役を命じられた赤穂藩藩主の浅野内匠頭長矩は、教育係の高家肝煎の吉良上野介義央から、イジメともとれる厳しい指導を受けていた。吉良の理不尽な指導に耐えきれなくなった浅野は、江戸城「松の廊下」で、ついに吉良に斬りつける刃傷事件を起こす。いわゆる「赤穂事件」の発端である。
将軍・綱吉の逆鱗に触れた浅野は、即日切腹、赤穂藩は改易に処された。筆頭家老である大石は、「主君の仇討ち」という重荷を背負わされることになる。そして──。
舞台『近松忠臣蔵』キャストは?
出演は、大石内蔵助(大石良雄)役を佐藤流司、近松門左衛門役は橋本良亮(A.B.C-Z)。二人は、2023年に上演された音楽劇『逃げろ!』~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~(上演台本・演出:鈴木勝秀)でも共演している。
また、近松家から討ち入りに参加した赤穂浪士のひとり、近松勘六役には瀧陽次朗(少年忍者)、浅野内匠頭長矩役には瀬戸祐介、吉良上野介義央役には細見大輔、竹本義太夫役にはブラザートムが決定した。
佐藤流司・橋本良亮、再共演に「待ってました!」コメント到着
佐藤流司/大石内蔵助(大石良雄)
佐藤流司と申します。
近松忠臣蔵、出演させて頂きます。
2023年に音楽劇『逃げろ!』~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~にてバディを組ませてもらったはっしー君こと橋本良亮君。
そして昔からお世話になっている演出のスズカツさん。
こうして信頼できる仲間達と、また新たな作品を創り上げる事が出来るということ、心より光栄に思います。
実はもう台本を頂いておりますが、相変わらずスズカツさんワールド全開の高揚感、そしてとんでもない台詞量。
大好きなはっしー君と共に、今回も楽しく一生懸命、大きな壁を乗り越えていけたらと思います。
皆様どうぞ宜しくお願い致します。
橋本良亮(A.B.C-Z)/近松門左衛門
A.B.C-Zの橋本良亮です。
今回「近松忠臣蔵」のお話をいただいて、
待ってましたと言わんばかりに喜びました。なぜなら演出家の鈴木さんそして流司君、プロデューサーさん含め2年前に「またこのチームで絶対やりましょう」と約束したからです。
でもこんなにも早く実現出来るとは思ってなかったので・・・お話をいただいた時は驚きましたが二つ返事ですぐにお答えしました。
流司君とは前回ご一緒した時も何度か食事に行ったりしていたので、またそれが出来るのも楽しみです。
2年前の自分に負けない素敵な作品にしたいですし、鈴木さんとはもう4度目なので信頼関係は抜群だと思っています。
見に来てくださるお客様に、これだけは伝えたいです。名前だけを見ると難しそうだな…と思うかもしれませんが全く気を張らず観ていただければと思います。
僕も何か勉強出来ることがあったら・・・
なんて鈴木さんに伝えたら、
あまり深く考えずに流司君と舞台上で楽しんで!との事だったので僕は思いっきり楽しみたいと思います。
このチームならお客様を楽しませる自信があるのでご安心ください。
なので劇場でお待ちしております。
瀧陽次朗(少年忍者)/近松勘六
近松勘六役を演じさせていただきます、瀧陽次朗です。
演出の鈴木勝秀さんとは、2022年の『BOSS CAT』 〜シャルル・ペロー「長靴を履いた猫」より以来、3年ぶりにご一緒させていただくことになり、本当に楽しみです!
『BOSS CAT』の時は、たくさんのことを教えていただき、僕が演じやすい環境を作ってくださって、とても感謝しています。
今回またご一緒できることになったので、成長した姿をお見せできるよう、全力で励みます。
また、この舞台では歌の演出もあるので、歌が上手な橋本くんに負けないように頑張ります!
橋本くんとは、まだ個人的にあまり接点がないのですが、この機会にぐっと距離を縮められたらいいなと思っています。
面白い舞台になるよう、全力で演じますので、どうぞよろしくお願いします!
瀬戸祐介/浅野内匠頭長矩
「忠臣蔵全く勉強しなくていいですよ」
初めて鈴木さんとお会いした時に飛び出した会話の一コマです。忠臣蔵といえば言わずと知れた演目、そして僕自身、昔教育実習でちょうど赤穂事件を生徒に教えた記憶もあり、馴染みはあったのですが、台本をいただいて鈴木さんの言葉の全てに合点がいきました。
型破り!!そんな言葉が相応しい。唯一無二のオリジナリティがありとてもポップでトリッキー!と、思わず慣れない横文字を使ってしまいたくなる陽気さと地力がこの物語にはあります!忠臣蔵なのに?そう思ったみなさんの度肝をど真ん中から抜きにいきます!
これが稽古を通してどのように育ち、初日に皆様の元に届くのか今から楽しみにしています。
日本を元気に!そんな大仰な言葉もこの作品なら出来る!そう思わせてくれる作品です。
待っていてください!
細見大輔/吉良上野介義央
スズカツさんの舞台に久しぶりに出演する事が出来て、今から楽しみで仕方がありません!
演劇という枠を超えてとにかく面白いものを作りたい、というスズカツパワーを全身に浴びながら、僕も汗をたくさんかいて全力で取り組みたいと思います。
また、佐藤さん、橋本さんのお二人とご一緒するのも「逃げろ!」以来久しぶりとなりますので、前回ご一緒した時よりもさらにパワーアップした舞台をお見せできればと思います。
トムさんともお久しぶりですので、これもまた楽しみです!
とにかく楽しみだらけの舞台です。皆様も楽しみにお待ちください!
ブラザートム/竹本義太夫
僕が知り合ってきた演出家の中で「鈴木さん」大好き 大好物
とにかく 斬新 キテレツ ヘンテコリン
笑えて泣けて 最高
音楽は 吾郎さんでしょ
てーことは 最高の音楽ってことなのよ
ほんとに 最高なミュージシャンの演奏
あのさ 見にきた友達が
「最高だったよ」って親指立てるのが
もう見えてるもの
そして演者はね 一癖ある
いや 一癖も二癖もある連中
もちろん実力派
僕はこの人たちに会えて
幸せです
きっと 皆さんも
この作品に会えて
幸せなはず
帰りに電車で僕を見かけたら
遠慮なく 親指たてていいんだからね
上演台本・演出:鈴木勝秀
『近松忠臣蔵』は、6年前に『BLANK!~近松門左衛門空白の十年~』を上演したときに、すでに構想していた。
近松家に伝わる、門左衛門と大石内蔵助の不思議な関係は本当に興味深く、最後まで上演されるべきだと思っていたからだ。
どこまでが実際にあった話なのか?伝えられるうちに変化してしまったのか?
そんなことはどうでもいい。芝居とは、本来そういうもの。
実際にあったことを題材にしていても、好きなように脚色すればいい。
それに歴史に客観的なものなど存在しない。すべて主観的歴史なのだ。
2年前の『逃げろ!』大阪公演のとき、佐藤流司と橋本良亮に、『近松忠臣蔵』の構想を話した。
「『逃げろ!』同様、超強力生バンド入れて、江戸時代だろうがなんだろうがロックテイスト!で、男の友情!」
「やります!」「やりましょう!」
ふたりはその場で快諾。
というわけで、あとはスケジュール調整するだけでした。
音楽:大嶋吾郎
鈴木勝秀さん演出舞台の音楽を作り、かれこれ10年となる。その中でハッシー、流司とは幾度かの機会があった。どれも思い出深いし、良い音楽が作れたと思っている。
僕が作る音楽はロックだ。そしてスズカツさんも、ハッシーも流司もロックだ。ロックとは音が激しいとかギターが目立つとかそういうことではない。そもそも音楽である必要がない。その空間にいることで何かを強烈に感じる、揺さぶられる、涙、笑い、スリルにアドレナリン、そんな演劇がロックなんです。
今回は最高に楽しいメンバーがそろっているので、素敵な空間が生まれることは間違いない。
ジェットコースターのような上演となるでしょう。劇場でお会いしましょう。
舞台『近松忠臣蔵』はいつどこで上演される?
【東京公演】2025年5月30日(金)~6月15日(日) IMM THEATER
【大阪公演】2025年6月20日(金)~6月22日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
【公式サイト】https://chikamatsu-stage.jp/
【公式X(Twitter)】@chikamatsu_st