2024年9月8日(日)に東京・日生劇場で開幕するミュージカル『三銃士』の公開ゲネプロと会見が行われ、坂本昌行、末澤誠也(Aぇ! group)、屋比久知奈、上口耕平、原田優一、上山竜治、シルビア・グラブ、今井清隆、そして、演出を務めるフィリップ・マッキンリーが登壇した。
『三銃士』アトスの葛藤とダルタニアンの恋!
「三銃士」は、19世紀フランスの作家であるアレクサンドル・デュマの代表作。そのスリリングなストーリー性から、ブロードウェイやフランス、オランダなど、世界各国でミュージカル化されてきた。今回の上演版は、2004年にチェコで製作された後、2009年に韓国で脚本や楽曲を大幅にリニューアルし、再演を繰り返しているものとなる。
演出を手掛けるのは、『THE BOY FROM OZ』、日本版『ロックオペラ モーツァルト』、『スパイダーマン:ターン・オフ・ザ・ダーク』などで知られるフィリップ・マッキンリー。坂本と末澤とは『THE BOY FROM OZ』ぶりの集結となる。
「三銃士」定番の、憧れの銃士を目指すダルタニャンの成長と恋の物語だけでなく、三銃士のリーダー格であるアトスにも焦点を当て、かつての恋人との間で揺れる愛憎や、ダルタニャンの亡き父を通してアトスとダルタニャンの絆をピックアップしている。
枢機卿による陰謀に三銃士とダルタニャンが挑む!
物語の舞台は17世紀のフランス。 国王ルイ13世を守る近衛銃士隊と、政治の実権を握るリシュリュー枢機卿(今井清隆)直属の親衛隊との間で争いが絶えず、国王を守る銃士の一人としてその渦中にいたアトス(坂本昌行)は、この戦いの中で恩師を亡くしてしまう。
一方、亡き父と同じ銃士になることを夢見て、田舎町からパリへと出てきたダルタニャン(末澤誠也)は、三銃士を率いるアトスに続き、アラミス(上口耕平)、ポルトス(原田優一)と次々に出会い、ガキとからかわれたことに腹を立て、それぞれに決闘を申し込む。その騒ぎの中、目の前に美しいコンスタンス(屋比久知奈)が現れ、ダルタニャンは一目で恋に落ちる。
三銃士とダルタニャンが決闘の時を迎えると、リシュリュー卿の親衛隊長ジュサック(上山竜治)が法律違反を名目に、4人を逮捕しにやってくる。三銃士とダルタニャンは親衛隊相手に共に戦い、見事に勝利、コンスタンスの宿屋で祝杯をあげ、仲を深める4人。
そして、そんな宴の最中に突然、リシュリュー卿の腹心として暗躍するミレディ(シルビア・グラブ)がコンスタンスをさらうことで、物語はさらに加速していく。リシュリュー卿が企てる、国家を揺るがす陰謀を知り混乱、そして、ミレディとの過去の恋を思い出し葛藤するアレスが、三銃士と新たに仲間になったダルタニャンと共に戦う姿に注目だ。
ミュージカル『三銃士』会見に坂本昌行ら登壇!
公開ゲネプロの直前には会見が行われ、坂本昌行、末澤誠也(Aぇ! group)、屋比久知奈、上口耕平、原田優一、上山竜治、シルビア・グラブ、今井清隆、そして、演出を務めるフィリップ・マッキンリーが登壇した。
主演を務める坂本は「グループ(V6)ではリーダーを務めていましたが、実質上は違くて、ニックネームという形でした。今回は役として、リーダーをやらせていただいております。とにかく殺陣のシーンが非常に多いので、まずは体力をしっかりキープしながら頑張っていきたいと思います。怪我のないように頑張ります」と意気込んだ。
坂本とは『THE BOY FROM OZ』(2022年)ぶりの共演となる末澤は、「坂本君と2度目の共演で、毎日楽しい稽古場でした。ハードなけいこ場でもあったのですが、頑張って初日まで来たので最後まで走り抜きたいなと思います」と気合十分だ。
ダルタニャンの恋のお相手となるコンスタンス役の屋比久は「とても熱量の高い、エネルギーいっぱいの作品になっています。全体のエネルギーに負けないように最後まで精いっぱい演じたいと思います」とコメント。
三銃士のメンバーを演じる上口は「僕が演じるアラミスはキザな伊達男で、女性を口説く理由は祖国のためという謎の持論を持っている男なのですが、その信念を誇り高く持って、エネルギーを皆さまに届けていきたいと思います」と語り、原田は「ポルトスは元海賊で剛腕、口より手が先に出てしまうような役なんですけど、出演が決まった時に『あまり痩せないでくれ』と言われまして。運動量が多いもので稽古中に少しだけ痩せたのですが、フィリップさんからエクレアをもらいまして。僕だけ。膝に気を付けて頑張りたいと思います」と裏話を明かした。
三銃士&ダルタニャン達と敵対する役を演じる上山は「ちゃんと三銃士と対立できるように、責任をもって最後まで真っ当していきたいと思います。見るからに悪い人の役です!」とアピールし、シルビアは「私も見るからに悪女です! ただ、悪女ですが、元々アトスとは恋仲だったという・・・闇の世界を賢さで生き抜いてきた女性を演じます。大人なお魅力を出せるように頑張りたいと思います」とコメントした。
そして、陰謀を企てるリシュリュー卿を演じる今井は「王の座を密かに狙ってる、企てる役なのでいかにかっこよく演じられるか。頑張ってやっていきたいと思います。若い子たちに助けられながら、労われつつ頑張っています。本番も若い子に負けない様に頑張っていきたいです」と意気込んだ。
演出を務めるフィリップは「3年前にこちら企画をいただいて、チェコの作品を原作に日本のクリエイターの皆さんと力を合わせて、日本唯一のオリジナル作品を作らせていただきました。私も初日が楽しみで仕方ありません。エキサイティングな作品に仕上がっているので、ぜひ楽しんでください」と語り、『THE BOY FROM OZ』ぶりに坂本・末澤と再会したことについて「非常に幸いな機会に恵まれていると思います。素晴らしい皆さまを集めていただいたことを感謝しています。マサとセイヤとは『OZ』以来でまたご一緒出来て嬉しいです。今作で全く違う側面を見せていただいてるので楽しみにしてください」とアピールした。
本作の見どころのひとつはなんといっても、激しい殺陣のシーン。稽古も大変だったようで、坂本は「ここまでの殺陣は初めてで、殺陣をしながら歌うというのもあるので、踊りと違ってカウントじゃないので息を合わせるのがかなり大変でした。なので、常に剣を交わすということを稽古の前に必ずしてました。今日もやってきました」とその大変さを語った。
シルビアはそんな男性陣の殺陣稽古を「『かっこいい!』と声が出るほどすごくて、私も本当だったら客席で見ていたいです」と見守っていたようだが、「突然私もやることになったんですけど、本稽古の前に2週間ほど皆さんがやっていたフェンシングの練習に参加してなかったのを後悔しました。今すごい焦っています(笑)」と明かすと、フィリップから「戦ってくれる女性大好きです!」と、演出の思いが溢れた。キャスト陣が奮闘した殺陣のシーンがどんな仕上がりになっているのか、ぜひチェックしてほしい。
ミュージカル『三銃士』は、9月28日(土)まで日生劇場で上演し、その後、10月4日(金)から広島文化学園 HBGホール、10月18日(金)からSkyシアターMBSで上演予定。上演時間は一幕55分、休憩25分、二幕70分を予定している。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部3号)