岩本照主演で再演！ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』レポート

2024年8月21日

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ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』が東京国際フォーラムホールCにて2024年8月19日（月）に開幕した。本記事では、初日前に行われた取材会の模様とフォトコールの模様をレポート（舞台写真は公開ゲネプロ時のもの）。取材会には、主演の岩本照、仙名彩世、吉田栄作、演出・上田一豪が登壇した。

実話を基にした『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

本作は、1980年に出版されたフランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』もとに製作された映画のミュージカル版。映画はスティーヴン・スピルバーグが監督し、主役の天才詐欺師にレオナルド・ディカプリオ、彼を追うFBI捜査官をトム・ハンクスが演じ話題となった。

ミュージカルは2009年7月シアトルにて初演後、2011年にブロードウェイに進出。同年のトニー賞では主演男優賞・ミュージカル作品賞をはじめ計3部門にノミネートされた。日本では2022年夏に演出・上田一豪×主演・岩本照で上演され、今回満を持しての再演となる。

主演として天才詐欺師フランク・ジュニア役を演じるのは岩本照。「Snow Man」のリーダーであり、近年ドラマや映画などで活躍の場を広げる岩本が再び同役に挑む。天才詐欺師を追うFBI捜査官ハンラティ役には、昨年俳優デビュー35周年を迎え円熟味がさらに増した吉田栄作。こちらも初演に続いての出演となり、絆の深まった岩本・吉田の二人の芝居に期待が高まる。

ヒロインのブレンダ役には新たに元宝塚歌劇団花組トップ娘役・仙名彩世を迎え、初演に続き岸祐二、春野寿美礼、生田智子、阿部裕らミュージカル界の実力者たちが再び顔を揃え、作品を鮮やかに彩る。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』岩本照が吉田栄作からもらいたかったものは

プレスコールでは物語のプロローグとなる「Live In Living Color」と詐欺師として岩本扮するフランクが華麗な七変化を歌とダンスで魅せる「ジェット・セット」が披露された。つい聞惚れてしまう岩本の甘い歌声に、キレッキレのダンスが相まって、コミカルな要素も多いこの作品の中で、岩本のチャーミングさが一層開花したように感じた。

取材で、再演を迎えたことについて岩本は「（再演が決まって）純粋に嬉しかったです！即答で、『ぜひ、やらせてください！』とお願いさせてもらったのを覚えています」と笑顔で語った。

稽古日数は前回よりもたっぷりあったそうで「稽古を積み上げてきて、みんなで作り上げてきたっていう自信になっています。あとはお客さんに見せるだけだなという楽しみと、ワクワクの方が強いなっていう印象です！」と意気込みを述べた。

岩本と同様に続投する吉田も「まず頭に思い浮かんだのは岩本照くんの顔でしたね。多分、僕が一番この再演を望んでいたんじゃないかな。このステージ上でスポットライトを浴びて輝く岩本くんの姿を誰よりも近くで観たいなって（笑）」と茶目っ気たっぷりに岩本を見つめた。

前回の公演を経て関係性が強まっている二人だが、再会をした時の話を記者に聞かれると、岩本は吉田からずっともらいたいものがあったそう。「連絡は取っていたんですけど、お会いできたのは初演以来で。2年越しに会った時の第一声が『栄作さん！僕まだ白T頂いてないんですけど･･･』で（笑）。（吉田さんも）『もちろん俺も覚えてるよ』って言ってくれて！次の日に白Tを持ってきてくださったんです」と岩本。念願の吉田オリジナル白Tを手にした岩本だが「大事すぎて飾っている！」とのこと。

また、岩本は吉田のことを“打ち上げリーダー”と命名しているそうで「健康面も楽しい時間も含めて、色々計画してくださる兄貴です！そこはもう、存分に甘えにいくっていうスタイルで僕は過ごさせてもらっていました（笑）」と仲の良さをアピールする場面も。

自身のグループではリーダーとしてしっかりとしている印象の岩本だが、甘えられる先輩と一緒に過ごすことが嬉しそうな様子。吉田もこれに応えるべく、大千秋楽の大阪の打ち上げをすでに考えていると語った。

『キャッチミーイフユーキャン』稽古場で仙名彩世を驚かせた岩本照の不思議な一面

また、今回初出演となる仙名は弾けんばかりの笑顔で、作品について「華やかなダンサーさんもいますし、ワクワクするシーンが立て続けに目の前で展開していきます！見てくださるお客様は忙しいと思うんですけれども、身を任せていただけたらいいなと思います！」とアピール。

また、稽古場での様子を聞かれると仙名は岩本の不思議な一面を目撃したそうで「ある時通し稽古中の出番前に、袖でスタンバイしていたんです。そうしたら、ふらっと岩本さんがいらっしゃって。何か探されているから『どうしたの？』って聞いたら。『なんか、ぶら下がれるかなと思って～』という答えが返ってきて。え？今、懸垂！？って（笑）」と、驚いたエピソードを披露。

様々なメディアで岩本の筋肉エピソードはささやかれているが、実際の稽古場でも懸垂できる場所を探している岩本に驚いたと明かした。これに対して、岩本は「誰も見てないって思ってやってたのに･･･見られていると思うと、本当に（自分が）やばいヤツに思えますね（笑）。はい、常に探してます！」と少し恥ずかしそうに答えていた。

筋肉のたくましさが功を奏しているのか、仙名は岩本について「受け止め力がとてつもないな、という印象があるんです。みんながやっていることを受け止めて、取り込んでくださる方っていう印象があるから、日々みんなが安心して稽古に来ているなって。さすが座長だなと日々感じておりました」と頼りにしている様子。

再演だからこそ、みんなで確認しながら再構築して作品を作ってきたと話す上田は「初演の稽古はマスクをつけて、コロナ禍で色々と制約がある中でやっていました。今回は曲の内容のことや、実際に生まれてくるお芝居の空気感をすごく丁寧にみんなで確認してきました。また、ヒロインが変わったことで、新しい空気感の中でチャレンジするシーンがいっぱいありました。そこを作るのもすごく楽しかったなと思います」と振り返る。

カンパニーとして目指すことを聞かれ「健康第一に、みんながやり残したことなく1回1回を大切にして、千秋楽を全員揃って迎える。それが一番の望みです」と真剣な目で語る岩本。天才詐欺を演じるのに、自分は嘘がつけないと話す岩本らしい実直さを感じる望みだ。

最後に舞台を楽しみにしているファンに向けて「この作品は嘘のような本当の話。とんでもなくエネルギーの強い作品だと思いますし、再演という形に甘んじることなく、初心の気持ちで一丸となって作ってきました。お時間を作って見に来てくださった方たちの気持ちや、その時間を嘘なく本当のエネルギーで満たせるという自信が揃ってるので！ぜひ、気をつけて劇場に足を運んで欲しいな思います」とチャーミングな笑顔で締めくくった。