7人組グループTravis Japanの松倉海斗・川島如恵留がW主演を務める音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』が東京・日本青年館ホールにて2024年6月24日(月)に開幕した。初日前日には合同取材会と公開ゲネプロが行われ、主演の松倉海斗、川島如恵留、青柳翔が取材に登壇した。
香港映画の傑作『男たちの挽歌』を世紀や国境を超え新たに音楽劇に
本作は香港映画の傑作『男たちの挽歌』(1986年)を原作に劇作家・演出家の鄭義信(チョン ウィシン)が原作の核でもある兄弟愛や友情、パワフルなエネルギーはそのままにオリジナル脚本を書き下ろし、世紀や国境を超え新たに音楽劇として蘇らせた。
W主演を務めるのは、2022年にメジャーデビューし確かなダンス力と歌唱力で活躍の幅を広げているTravis Japanの松倉海斗、川島如恵留。
映画ではレスリー・チャンが演じた弟・キット役を松倉が、キットの兄・ホーの親友で弟分のマーク役を川島が演じる。物語の柱を担う兄・ホー役の青柳翔をはじめ、岡田義徳、尾上寛之、上瀧昇一郎、清水優、中村まこと、福井晶一、神保悟志と個性豊かな面々が現代香港に生きる人々を活写する。
物語はホー(青柳)とマーク(川島)が将来を夢見て香港に向かうところから始まる。目を輝かせながら香港での生活を始めた2人だったが、ホーは病気の父ディエン(中村)と学生の弟キット(松倉)を養うために組織に加わり幹部として働いていた。映画のオープニングのようなタイトルコールに目を奪われていると香港のネオンサインが舞台上に現れる。一見華やかに見えるキャバレーでは様々な人間の思惑が渦巻いていた。
そんな中、兄の職業を知らないキットは大学を卒業し、警察になった!と無邪気な笑顔で報告する。弟のためにも組織から足を洗うことを誓うホーの顔には決意がにじんでいた。最後の仕事として挑んだホーだったが、取引は密告されており、ボスの息子であるシン(岡田)を逃がして自首することに。
一方、取引の失敗を受けた組織がホーの家族を襲撃したことによりキットは父を失い、尊敬する兄が組員だったことを知り激怒する・・・。
事情を知ったマークは報復に向かい、復讐を果たすが足を負傷してしまう。3年の服役を経たホーは今度こそ堅気になって穏やかに暮らそうとするのだが・・・交差する人間関係が絡み合い、男たちは自分の信じるものを守るために走り出す!
Travis Japan松倉海斗&川島如恵留「カッコいい」連発!
取材会では神妙な面持ちの青柳とは対照的に登場こそ「緊張する!」と言っていた松倉・川島がずっと笑顔でいたのが“愛されキャラの兄を慕う弟たち!”という印象で劇中の登場人物とリンクして見えた。
初日を迎えるにあたり、松倉は「事務所の舞台以外の作品に出るのがほぼ初めてで、尚且つW主演という形で出演させていただくので・・・正直言うと、めちゃくちゃドキドキしています!本当に新鮮なことだらけなので本番どうなるのかなっていうドキドキと、ちょっとワクワクが今ある感じです!」と唇をかみしめた。
川島は「どちらかというと僕はすごく楽しみですね!楽しいシーンから、心苦しいシーンまでたくさん波があるのでその中で自分がマークとしてどのように生きるかっていうのが今すごく楽しみです!」と意気込んだ。
続いて青柳が「多分僕が1番緊張してるんじゃないかっていうぐらい緊張してるんですけど。すぐ顔に出るんで(笑)。今日から全公演頑張っていけたらなと思っております」とはにかんだ。
そんな青柳を2人は本当に兄の様に慕っているようで、川島は「もう兄貴って呼んでるんです。僕の兄貴的な存在でもあって、キットからするとお兄さん。“兄貴~汗かいてるよ~!”って感じで普段から突っ込んだりさせていただいていて(笑)。1番近いところにいる頼れる兄貴であり、ちょっと可愛いお兄ちゃんって感じです」と明かすと、青柳も年代は違うが2人の方が精神年齢は高いと苦笑する。
お芝居について2人とも青柳からのアドバイスもうけ互いに良い刺激をもらっているようで、「稽古場で今日も顔見合わせたらちょっとやろうよ!みたいな関係性が気づけたことが1番でかいかな」と青柳が話した。
普段同じグループの松倉と川島は互いの印象を聞かれると、茶目っ気たっぷりの笑顔で川島は「びっくりするくらいかっこいいんすよ」と稽古場を振り返る。「天真爛漫な笑顔っていうのもあって、キャスト・スタッフの皆さんを笑いに包んでくれる。そんな存在だっていうのもすごく心強かったですし、アクションも歌も芝居もピカイチなので同じメンバーじゃなかったら嫉妬してたなって思うぐらい!本当に頼れる存在ですね」と熱を込めた。
また松倉も「僕から見ても如恵留の歌・お芝居・アクションも素晴らしいですし、今回改めて発見したのが、めちゃくちゃ器用で順応性が高い。演出のチョンさんにこうして欲しいって言われたら結構すぐ順応できるタイプなんだなって思って・・・かっこいいなって!」と互いが真摯に向き合っていた思いを聞けた。
2人が作品の出演を知ったのはライブツアー中だったそう。出演を聞いてかなり驚いたと話す松倉だったが、原作をみて「とにかく格好いい、男臭い映画。アクションも本当に素晴らしいし、伝説の香港映画を僕が勤めさせていただいていいのかって最初思ったんですけど…でも稽古を重ねるにつれて、作品に恥じぬように頑張りたいなって。自分を高めて“今↓(両手の人差し指を地面に向けて)ここにいます”」と口元を引きしめた。
川島も何度も原作映画を見返し研究した中で、自身が演じるマーク役との共通点を探したそう。役と似ているところは“どろくさい所”と即答する。「夢を諦めないとか、自分は1段飛ばしでは階段を進めないけど、1歩ずつでいいから前に進んでいきたいっていう思いでずっとこの芸能活動をやってきたので。それがまさにマークという役の人生と少し似てるなって。そこは根幹として僕は大事にしているところですね」と説明する姿にグループを結成してからメジャーデビューまでの道のりをもがきながらもひた向きに歩んできたことを感じた。
また、グループのスケジュール帳にはすでに他のメンバーが“この日に見に来る”というのが記載されているそうで、メンバーの仲の良さがうかがえた。
最後にファンに向けて、川島は「見に来てくださるファンの皆様に、そして今回残念ながら見に来れなかったファンの皆様にも。次も、次こそ絶対に見たいと思っていただけるような、そんな作品にしてまいりたいと思います。ぜひ皆様の歴史の1ページに刻んでいただけるような作品にしたいと我々思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と瞳を輝かせた。
そして、松倉が「見に来てくださったお客さんに、よりいい明日を迎えたいと思ってもらえるような作品を届けたいと思いますので、ここから初日~千秋楽まで突っ走っていきたいと思います。よろしくお願いします!」と笑顔で締めくくった。
音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』は2024年6月24日(月)から7月8日(月)まで東京・日本青年館ホール、7月12日(金)から7月16日(火)まで大阪・オリックス劇場にて上演。
(取材・文・撮影/カヤシマヒデミ)
音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2024 年6月24日(月)~7月8日(月) 日本青年館ホール
【大阪公演】2024年7月12日(金)~7月16日(火) オリックス劇場
スタッフ・キャスト
【脚本・演出】鄭義信
【原作】映画『男たちの挽歌』
【出演】
松倉海斗 川島如恵留
青柳 翔 岡田義徳 尾上寛之 上瀧昇一郎 清水優
中村まこと 福井晶一 神保悟志
加藤照男 進藤ひろし 松上順也 五味良介 羽鳥翔太 稲葉俊一 嶋村昇次 森野憲一 榊海搭
音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』あらすじ
ホー(青柳翔)は、親友で弟分のマーク(川島如恵留)と共に組織に加わり、偽札の製造、取引に関わっていた。そして、病気の父・ディエン(中村まこと)と学生の弟・キット(松倉海斗)を養うため、幹部として仕事をこなしていた。しかし、キットはホーとマークが裏組織で働いていることを全く知らず、正義感に燃え警官になろうとしていた。
ホーはキットの警官としての就職を機に足を洗うことを父に約束し、最後の仕事として台湾での取引に向かった。だが取引は密告されており、警察に取り囲まれたホーは、ボスの息子・シンを逃して、自首。一方香港では、取引の失敗を受けた組織が、口封じのためにホーの家を襲撃。
ディエンは殺され、キットは尊敬する兄が組員だったことを知ってしまう。さらに事情を知ったマークは報復を決意、裏切り者の一派が集うレストランに単身で乗り込み、敵を皆殺しにするが、足を負傷してしまう。
8年の服役を経てホーは出所した。だがキットは父の死の原因をつくり、出世の妨げともなっている兄を受け入れようとはしない。それでもホーは和解を願い、今度こそ堅気となって穏やかに暮らそうとするのだが——。
公式サイト
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