2024年4月11日(木)に東京・シアター風姿花伝にて、プロダクションピエロ プロデュース2作品同時公演 『陰陽師、はやりました。』&『陰陽師、はじめました。』が開幕した。初日前日に行われた『陰陽師、はやりました。』の公開ゲネプロと、沖田桃果、太田達也、小日向はる、松川大祐、小栗諒、松田浩毅が登壇した初日前取材会の模様をお届けする。
2022年11月にフライドBALL企画がパフォーマンス プラス ピエロ作品『陰陽師、はじめました。』を上演。その後、パフォーマンス プラス ピエロが新たにプロダクションピエロ合同会社として活動を開始し、今回、その前日譚にあたる新作『陰陽師、はやりました。』との同時上演となった。両作品とも、平安末期の鳥羽天皇の時代において、人間、陰陽師、そして妖怪たちとのドラマとアクションを描く。
『陰陽師、はやりました。』の出演は、皇族に仕える巫女であり陰陽師で憑依を得意とする主人公・咲耶役を単独初主演となる沖田、陰陽師で式神の使用を得意とする蘆屋道真役に太田、三大悪妖怪の一人、酒呑童子役に小栗、同じく三大悪妖怪の一人、大嶽丸役に松田。
さらに、大嶽丸に仕える鬼の妖怪、金平鹿役を早川維織、酒呑童子を慕う鬼の妖怪、茨木童子役を加藤悠。蘆屋家に代々仕える強力な式神、大天狗役を高渕優寿、蘆屋道真の式神、鎌鼬役を青山絢香、蘆屋道真の式神、紅葉役を菜乃華れみ。陰陽師の賀茂忠憲役を吉岡臣、山賊頭領の菜奈役を伊澄朋夏、山賊の不堂役を鎌田佳侑、山賊の綱丸役を落合大樹が演じる。
『陰陽師、はじめました。』の出演は、霊感ゼロだが妖力はまさかの最強という主人公・美琴役をのののん、美琴の幼馴染である素戔嗚役を西間庭惇、美琴の幼馴染である零役を堤雪菜。陰陽師の蘆屋知古役を田中宏宜、貴族の土御門麻呂役を田代竜之介、土御門麻呂に仕える武士の中原健三郎役を平野雄介、土御門麻呂に仕える侍女の麻里役を相川なつ。団子屋の娘、風役を森優菜、湖子と夫婦の八兵衛役を天野和菓子、八兵衛と夫婦の湖子役を中村江利奈。座敷童子役を木村光来、小豆あらい役を瓦林桜、鉄鼠役を有紀羽優が演じる。
そして、両作品出演となるキャストは、三大悪妖怪の一人、玉藻前役を小日向、歴代の天皇の中でも文武の優れた秀才である鳥羽役を松川。さらに、最強の陰陽師にして鳥羽天皇に仕える安倍泰成役を湯本貴大、猫の妖怪、猫又役を小倉萌、他者を操る力を持つ妖怪、犬神役を伊吹翔、町娘の管狐役をムライリヲが演じる。
プロダクションピエロ プロデュース2作品同時公演 『陰陽師、はやりました。』&『陰陽師、はじめました。』は、2024年4月11日(木)から4月14日(日)まで東京・シアター風姿花伝にて上演される。また、公演後にアーカイブ配信も行われる。配信チケットなどの詳細は公式リンクを参照。
初日前取材会レポート:キャストの絆をお客様に全力で伝えたい
ゲネプロ直後に行われた取材会では、まず主演の沖田が「音と光がついて、お客様も入って、すごくテンションが上がって、楽しかったです。殺陣もたくさんあって、コメディーなシーンもあって。最後はうるっと泣けるようなシーンになったんじゃないかなと思っています。このまま初日も最高のものを観せられるなと確信できました」と心境を披露。
同じく、ゲネプロを終えた心境として、太田は「緊張したんですけど、音と照明が入って、やっぱ気持ちが盛り上がってテンション高くめちゃくちゃ楽しくできました」、小日向は「ストーリーが進むにつれて、稽古場よりも劇場の方がワクワクするし、早くみんなに観てもらいたいなと、すごく楽しみになりました」と明かした。
また、松川は「ちょっと不安だったりも色々あったんですけど、全員がいい集中力を持って最終調整に臨めたかなと思っております」、小栗は「稽古場とは違うものを、その身を感じてるものがあるので、新しい発見ができたんじゃないかなと思いつつ、それが重なって、その気持ちの持っていき方がどんどん上に向かっていったので、早く観てほしいという気持ちが高まりました」、松田は「皆さんの熱量とテンションがすごく高くて、これをお客様にもうすぐ観せられるという、ワクワクがどんどん高まっています」とそれぞれ語った。
初主演、初座長となることに関して沖田は、「私自身、初めてだから、どう引っ張っていくかどうかは正直あんまり考えられなくて、とにかくどの舞台でもやっているとおり、真摯に台本に、お芝居に向き合って、その姿で引っ張れていけたらいいなと思っています」と意気込みながらも「ですが、正直できていたのかなと思いながらも、結局、舞台上ではめっちゃ暴れ回っています」と笑顔を見せた。
そんな沖田の座長ぶりに対して、登壇者たちは「もうしっかりしています」と太鼓判を押すと、それぞれ、小栗が「みんなを引っ張ってくれるというか、背中を見せてくれるというか、それがあるからこそ、そういうベクトルにみんなが向かいやすかったとすごく感じています」、小日向が「一緒にお芝居をしていて安心します」、松川は「100点満天中5万点です(笑)」と絶賛した。
本作の見どころについて、太田が「やっぱり、すごく多い殺陣です」とアピールすると、松川も「殺陣に使用する武器の種類もたくさんあります」と同調。続けて、松田は「キャスト全員のレベルが高いなと思います。殺陣ももちろん、全員がこのストーリーの本筋をちゃんと狙ってきていて、全員が何も言わなくても理解して、同じ目標に向かって進んでいるんです」と称賛した。
加えて、両作品に出演する小日向は、『陰陽師、はやりました。』は、『陰陽師、はじめました。』の過去の話なので、『陰陽師、はやりました。』から観ると、シングルキャストの過去をちょっと分かりやすく観られると思います。でも『陰陽師、はじめました。』を観てから『陰陽師、はやりました。』を観ても、これがこうだったのかという風により一層キャラの深いとこまで知ることができて、気持ちが入りやすくなると思います」と語ると、「『陰陽師、はじめました。』を観てから、『陰陽師、はやりました。』を観ると、『あれはこういうことだったんだ!』というのがあって、そういう見方のほうが私は好きかも」と、2作品同時公演ならではの見どころを語った。
演じる役柄の見どころについて、咲耶役の沖田は「憑依してお芝居をしたり、アクションをするんですけど、そこが見どころです。一つの作品で、いろんな種類のアクションや殺陣をするとは思ってもみませんでした。素手や刀、扇子でのアクションもあって、こんな役をできるのは最後なんじゃないかというぐらいギュウギュウに詰め込んでいただいています」と挙げた。
蘆屋道真役の太田は、自身の役の見どころについて「お芝居の中ではちょっと女好きでふざけたキャラなんですけど、立ち回りやアクションになると意外といろんな能力持っていて強いんです。式神を使って戦ったりとか、自身を強化して戦ったりとか、憑依して戦ったりとか、いろんな戦い方があるので、そこを注目していただきたいです」と訴えた。
小日向は、演じる玉藻前について「初めて扇子をやることになったんですけど、最初は両手でも開けなくて不安だったんですが、周りの先輩方にたくさんアドバイスを頂いて、できないことが色々少しずつできていくようになった過程がすごく楽しかったです。玉藻前を演じることによって、いろんなことを得ることができました。その扇子をどこまで頑張れているか、ちょっと注目してみてほしいです」と稽古を振り返りながらアピールした。
鳥羽天皇役の松川は、「1番偉い立場になる人間なんですけども、天皇らしからぬ言動だったり、いろいろ詰め込んでいます。何より衣装がとても華やかで綺麗なので、その衣装とめちゃくちゃかっこいい殺陣に注目してください」と自身の見どころを明かした。
荒々しい酒呑童子を演じる小栗は「普段は大嶽丸みたいなクールな役が多くて、ここまでステージ上で大声をずっと出している役は初めてぐらいな感覚です。だから『小栗亮がこんな声出すんだ』みたいなところももちろんですし、役としてもオラオラで、殺陣の中でのオラオラ声とかも魅力です」と役柄の注目ポイントを挙げた。
一方、クールな大嶽丸を演じる松田は「僕も大嶽丸みたいな役は初めてで、普段は小栗さんの役と逆なんです。それで、演出の森(勇介)さんに『俺、諒さんと同格で大丈夫ですか。身長足りませんよ』って言ったら、『その身長差を芝居でカバーしてください』って言われたので、カバーができているかどうかを観てほしいです」と裏話を披露しつつ、笑顔でアピールした。
取材会のラストには、メッセージとして松田が「誰が見ても面白い作品になっていると思いますので、後悔させません。ぜひ観に来てください」、小栗が「胸アツ展開もありますし、お客様も一緒に汗をかくんじゃないかというぐらい僕たちが熱量をあげて、ステージ上でこの世界を紡いでいますので、劇場で、そしてまた配信でも観てください」と呼びかけた。
続いて、松川から「陰陽師を扱っている作品がいくつもある中でも、今回は斬新な物語になっていますので、コメディーのシーンや、熱い殺陣のシーン、感動するシーンだったりを、ぜひその目で見届けてください」、小日向から「始まった瞬間からワクワクが止まらず、ラストシーンに行くにつれて胸アツ展開になって、いろんなシーンで楽しかったり、苦しくなったり、いろんな感情を持てると思うので、ぜひ楽しんでください」、太田から「笑いあり、涙あり、アクションもあって、最高の作品になっていると思いますので、皆様ぜひ劇場に足をお運びください」とメッセージが送られた。
そして、最後に沖田が「誰が見てもすごく楽しんでいただける作品に仕上がりました。キャストの皆様に本当に支えられ、恵まれたなとひしと感じております。私的には「絆」がテーマだと思っているので、作品テーマの「絆」もそうですが、キャストの絆をお客様に全力で伝えられたらいいなと思います。配信でも劇場でも楽しんでいただけますので、ぜひ観てね♪」と会見を締めた。
ゲネプロ・レポート:陰陽師×妖怪たちによる和風ファンタジー群像活劇
物語の舞台は、平安末期の鳥羽天皇の時代。三大悪妖怪の玉藻前、酒呑童子、大嶽丸を筆頭とした妖怪が圧倒的な力を持っていたが、鳥羽天皇に仕える最強の陰陽師と名高い安倍泰成や、憑依を得意とする巫女の咲耶たち陰陽師が妖怪たちに対抗していた。
その中で、人間に興味を持った玉藻前が人と偽って鳥羽天皇に仕え、そして人間である咲耶と出会うことで、妖怪と人間の関係に大きな変化が生まれ始める。しかし、その裏では、妖怪の世界と人間の世界を共に揺るがす陰謀がうごめいていた……
本作の魅力は、様々な個性を持った陰陽師と妖怪たちが繰り広げる多種多様なアクションと、そこから生まれる咲耶を中心とした人間たちと妖怪たちのドラマだ。
そんな咲耶を演じる沖田は、人間と妖怪たちによる群像劇の中心として、各キャラクターに影響を与える明るく元気な少女としてステージ上に愛くるしい姿を振りまきつつ、妖怪たちと戦う時には憑依により様々なキャラクターとして殺陣を披露するという難役を巧みに演じ分ける。
その咲耶と共に物語の中心となる玉藻前を演じる小日向は、妖怪としての怪しい神秘さを纏いながらも、咲耶たち人間に感化されていく心境の変化を繊細に演じきり、その玉藻前と次第に心を通わせていく鳥羽天皇を演じる松川は、民を統べる天皇としての威厳と優しさを見せつける。
さらに、コミカルだが決めるときは決めるギャップが魅力の蘆屋道真を太田が好演し、湯本が最強の陰陽師である安倍泰成としての圧倒的な存在感でステージ上を支配。その陰陽師たちの対極となる妖怪の中心的存在として、酒呑童子役の小栗と大嶽丸役の松田がオラオラ系とクール系という対比で魅力を倍増させており、彼ら陰陽師と妖怪や式神たちが物語を激しくドラマティックに盛り上げてくれる。
2作品同時公演として、人間、陰陽師、そして妖怪たちとのドラマとアクションを壮大な物語として紡ぐ、和風ファンタジー群像活劇の幕がついに上がる。
『陰陽師、はやりました。』あらすじ
今は昔、妖怪や霊が大量に存在した時代。妖怪は圧倒的な力を持っていた。しかしそれに対抗する力を持った者達が現れる。彼らは陰陽師と名乗る。中でも憑依を得意とする巫女「咲耶」や最強の陰陽師と名高い「安倍泰成」を中心に多くの実力ある陰陽師が誕生し、
陰陽師、はやりました。
そんな中、3大悪妖怪の一人「玉藻前」は一人の人間「咲耶」と出会う。妖怪と人間の在り方、世を大きく変えるきっかけとなる始まりの物語。
『陰陽師、はじめました。』あらすじ
今は昔、妖怪や霊が大量に存在した時代。 陰陽師は高貴な職であり民衆の憧れであった。実力ある陰陽師は莫大な富を得るが多くの妖怪達に狙われることとなる危険な職業。
そんな時代を生きる一人の女性、美琴(みこと)。 霊感が一切ない彼女の周りにも妖怪達は確かに存在した。 貧しい生活をおくる彼女は人生一発逆転の方法を思いつく。
陰陽師、はじめました。
はたして霊感ゼロの美琴は収入を得ることができるのか? 生き残ることができるのか?
一か八かの陰陽師、ここに爆誕!
『陰陽師、はじめました。』公演情報
上演スケジュール
2024年4月11日(木)~4月14日(日) シアター風姿花伝
キャスト・スタッフ
【陰陽師、はやりました。】
沖田桃果
小栗諒
松田浩毅
早川維織
加藤悠
太田達也
高渕優寿
青山絢香
菜乃華れみ
吉岡臣
伊澄朋夏
鎌田佳侑
落合大樹
【陰陽師、はじめました。】
のののん
西間庭惇
堤雪菜
田中宏宜
田代竜之介
平野雄介
相川なつ
森優菜
天野和菓子
中村江利奈
木村光来
瓦林桜
有紀羽優
【両作品出演】
小日向はる
松川大祐
湯本貴大
小倉萌
伊吹翔
ムライリヲ
【作・演出】森勇介
【企画製作】プロダクションピエロ合同会社
公式サイト
【公式サイト】https://productionpierrot.com/
【公式Twitter】@troupepierrot