20204年3月16日(土)に東京・天王洲 銀河劇場にて、『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2が開幕した。初日前日に、初日会見と公開ゲネプロが行われ、大友至恩、阿久津仁愛、小越勇輝、近藤頌利、丘山晴己、太田基裕、山崎彬(演出)が登壇した。
舞台『HUNTER×HUNTER』とは?
原作は、1998年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載を開始した冨樫義博による漫画作品。昨年上演された公演では完成度の高さから話題を呼び、早くも第2弾公演の上演となった。
前作の模様はこちら▶未知へ挑むゴンたち、冒険への出発の日!『HUNTER×HUNTER』THE STAGE開幕
前作の「ハンター試験編」「ゾルディック家編」に続き、本作ではハンター試験を終え、各地で念能力を習得した主人公・ゴン、キルア、クラピカ、レオリオが世界最大のオークションが行われるヨークシンシティで再会を果たし、通称“クモ”と呼ばれる盗賊グループ・幻影旅団と対峙する、原作でも屈指の人気を誇るエピソード「ヨークシンシティ編」を中心に描かれる。
脚本・演出は前作に引き続き山崎が務める。父に会うため、父と同じハンターとなり過酷な試練に立ち向かう主人公のゴンを大友、ゴンの良き仲間となるキルア、クラピカ、レオリオを、それぞれ阿久津、小越、近藤が引き続き演じ、ゴンたちに異様な興味を示す奇術師・ヒソカを丘山が続投する。
そして、団員から絶対の信頼を得る幻影旅団団長・クロロ役に太田を迎え、団員となるノブナガ役を村田充、フェイタン役を平松來馬、マチ役を秋野祐香、フィンクス役を田鶴翔吾、シャルナーク役を織部典成、シズク役を佐當友莉亜、パクノダ役を鳳翔大、ウボォーギン役を伊勢大貴が演じる。
さらに、前作からシルバ役として北村圭吾、ゼノ役として椎名鯛造が引き続き出演し、新キャストとして、センリツ役に岩田弘子、ネオン役に櫻井佑音、ライト役に和泉宗兵が出演している。
『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2は2024年3月16日(土)から3月31日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、2024年4月6日(土)から4月14日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。
取材会:原作を読んだ時のいろんなものが前作に続いてパワーアップしている
初日会見では、まず主演の大友が「初日を迎えまして、前回とは一味違った作品を届けられたらいいなと思っています。よろしくお願いします」と挨拶した。
登壇者たちがそれぞれ心境を語る中、丘山は「前回よりも熟れたリンゴちゃんたちにお会いできるの楽しみにしてるから、今回もた~くさんリンゴいっぱい食べたいな♥」と前作の囲み取材から用いている「リンゴ」呼びを使い、ヒソカらしさを爆発。
演出の山崎は、見どころについて「まず大前提として、原作がとにかく面白いので、それを素直に、しっかり余すことなくやるというのを、第1作に続いて今回もとても心がけました。だから隅から隅まで楽しめると思います」と自信を見せた。
さらに、「原作の作品、特に2.5次元を作る時に、稽古場でも大事にしていることなんですけど、お客さんや読者の方とかが初めて『HUNTER×HUNTER』を読んだ時、見た時のワクワク感みたいなものを、劇場でもう1度再現したいというのが1番大きいんです。ここまでリハーサルさせてもらっていて、物語を全て知っているんですけど、『HUNTER×HUNTER』を読んだ時の驚きとか、ワクワクとか、悲しみとか、喜びとか、怒りとか、いろんなものが前作に続いてパワーアップし、より多くなっています」とアピールした。
本作の物語において、中心的なキャラクターとなるクラピカとクロロ。クラピカを演じる小越は、役作りについて「今回、鎖を具現化するということで、原作のように鎖を触ったり、嗅いだり、舐めたりはしてないんですけど(笑)、自分のクラピカという役の復讐や、仲間の緋の眼の奪還というところに向き合いながらも、ストーリーを通して見ていると、クラピカが果たして正しいのかとか、果たして幻影旅団がみんな悪いのかというのが、よく分かんなくなってきたりもしています」と苦労を明かした。
続けて、「でも、前作にもあるように、1番恐れることは、この怒りが風化してしまわないかということというように、そこの怒りや復讐心を、やはり核に持ちながら、クラピカとしてもそうですし、1人で孤独に戦っている部分はもちろん、やっぱり素敵な仲間がいて、その仲間に救われている部分を、すごく大切にできたらなと思いながら今日までやってきたので、これから本番もしっかりそれを実感しながらやっていきたいです」とコメント。
小越の本作へ掛ける思いについて、クロロ役の太田は「しっかりしてますね」と笑顔で称賛しつつ、役作りについて「幻影旅団とクロロがなぜこうなったのか、一体何がそうさせたのか、そういうところを想像しながら稽古していました」と振り返り、「一見すごく強そうなんですけど、その強さの裏にある弱さとか、揺らぎとか、悲愴感とか、孤独とか、絶望とか。その中でも希望を見出だそうとしますけども、そういうものがしっかりとクロロとして、幻影旅団として、人間らしく演じられたらいいなと今は思っております」と意気込みを披露した。
前作から続くゴンとヒソカの因縁に関わる見どころに関して、大友は「ハンター試験編でヒソカに悔しい思いをさせられた時のゴンが、成長して、念を覚え、ようやくヒソカと戦えるというゴン自身のワクワク感だったり、ドキドキしながら1発でもパンチを食らわせてやりたいっていうその心意気を頑張って表情とか表現できるように頑張っています。あと、やっぱりアクションシーンも、音に合わせたような動きになっているので見どころです」と挙げた。
ゴンらしく元気いっぱいな大友に対して、丘山は「かわいい~♥」と声を上げると登壇者たちも爆笑。2人が関わるシーンの見どころについて「本当に至恩君でありゴンであるんですけど、それが1作目から2作目にわたって本当に成長が見られるというところがまず1つ。プレイヤーとしてもお客さんとしても、とてもワクワクすると思います。どれだけ“コン”が“ゴン”になったか・・・オッケー!!」とジョークを飛ばすと、大友や登壇者たちは笑いをこらえきれず。
改めて、丘山は「そういうところだったりとか、もちろん曲中だったりとか、色々皆さんのハートだったりとか、エクスタシーに伝わるところにビビビビっと伝わるエンターテインメントに仕上がっていると思いますし、お芝居としてもすごく楽しいものとなっていると思います」と魅力を語った。
稽古場の思い出を質問された阿久津と近藤。阿久津は、「前作にはなかった念が新しく出るということで、本当に稽古場の時から水見式のシーンとかすごいんですよ。本当にロマンが詰まっています。俺たちも感動するような演出になっているんです」と答えながら、「あと今回は、クラピカを含め幻影旅団チーム側が重い話になっているので、ゴンとキルアのちょっと喧嘩するシーンとか、お互いなんか影響し合って成長していく姿みたいなところも、至恩ともより絆も深まっていると思うので、そういうところがお客様に伝わればいいなと思います」と見どころを語った。
近藤は「冒険の話なので、童心の心を忘れずに子供の気持ちで稽古を・・・」と突然小道具の携帯電話を取り出すと、「こういうものも出てきます。ビートル07型と言いまして、こういう小道具にもたくさんこだわっております。スタッフを含め、みんなが童心の気持ちを持って、原作漫画の魅力をより多くのお客様に届けようとしています。ちょっと暗い話が多いので、しょっぱいもの食べた後、甘いものを食べるとちょっと休めるじゃないですか。僕とかが、そういう気持ちにできるように頑張ります。そんな心意気で稽古場も望みました」と意気込みとともにコメント。
囲み取材の最後には、登壇者たちからメッセージが送られた。山崎は「すでに劇場でのリハーサル時点でも、面白いなとかワクワクするなと思って観ております。お客様が入ることによって、最後のピースとして、劇場全体を使って物語の世界にも入っていただけるような演出になっていますので、とにかく劇場で待っています」と呼びかけた。
太田は「とても盛りだくさんなエンターテインメント作品になっていますので、ぜひいろんなキャラクターに感情移入しながら楽しんでいただけたらいいなと思っております」、丘山も「太田さんをはじめ新しいキャストも加わって、より一層ワクワクする冒険になると思いますので、世界中の皆さん、ぜひ観てください」と続けた。
近藤は「これから僕たちは冒険に出ますけれども、冒険に出ると様々な出会いがありますね。その様々な出会い、戦い、そして成長して、千秋楽に一皮向けて皆さんまたこの作品が終わって次へと繋がるような作品にしたいと思います・・・まとまりませんでした(笑)」と自分にダメ出しをしつつ、「まあ、こういうことがレオリオのいい一面でもあります。よろしくお願いします!!」と気合いを見せる。
小越は「なんかあんまり実感がわかなかったんですけど、こうして囲み取材を受けていると、始まるんだなという気持ちになっています。前回とはまた一味違ったストーリーになっていますし、でも原作の面白さや、ワクワクする部分ってたくさんあると思いますので、そこを楽しんでもらえたら嬉しいなと思います」と期待を寄せながら、「僕らキャスト陣もそうですけども、アンサンブルの皆さんも前作と同じようにいろんな役をやって、たくさん走り回って、このストーリーを盛り上げてくださっていますので、そういったキャストの皆さんやスタッフの皆さんの力も借りて、素敵な舞台をしっかり届けていこうと思います」と気を引き締めた。
阿久津は「稽古をたくさんしてきて、あとはお客さんが 来てくださることで本作が完成すると思います。今回は東京、そして大阪公演もありますので、本当にたくさんの方々に楽しんでいただけるように精一杯頑張りたいです」と意気込んだ。
大友は「約1年前、この場所で囲み取材をした時から成長できたようなゴンや他の役とかをしっかり観ていただけたらと思っています」と思いを明かしながら、「ちょっと身長も伸びちゃって、今ちょっと重心を落として喋っているんですけど(笑)」と肉体面の成長もアピールして笑いを誘った。そして、「場面も同時進行で、いろんな話が交差したり、ぶつかったりとかするんですけど、光の表現とかもすごくて、観ていてワクワクするような舞台になっていると思います。皆さんぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです」と会見を締めくくった。
ゲネプロレポート:念能力登場!「ヨークシンシティ編」を中心に大ボリュームのストーリーを展開
物語は原作5巻から13巻までの、天空闘技場におけるゴンとヒソカのストーリーと念能力の登場、ヨークシンシティでのクラピカと幻影旅団を中心としたストーリーと共に、ゴン、キルア、レオリオの3人たちの活躍が描かれる。
好評だった前作のステージングはそのままに、舞台中央の回り舞台を前作よりさらに効果的に用いて、場面転換のテンポと物語の余韻を生み出している。さらに、ステージ上で、各キャラクターたちの物語を同時進行させるなどの演出によって、大ボリュームとなっている原作ストーリーでありながら、さらなるテンポの良さによって観やすく再構成されており、一場一場が名シーンのオンパレードとなっている。
そして、本作の大きな見どころの一つとなるのが、『HUNTER×HUNTER』の大きな魅力でもある念能力の登場だ。数々の念能力を、前作よりさらに激しさを増した演者の生のアクションと、アンサンブルたちによるマンパワーの演劇的表現、加えて紗幕などを用いた映像表現で、ステージ上に実現している。特に「ヨークシンシティ編」において大きな盛り上がりのあるシーンとなるクラピカとウボォーギンとの念能力を用いたバトルは、目が離せない迫力のアクションが目白押しだ。念能力の登場で『HUNTER×HUNTER』THE STAGEは新たなステージに進んだと言える。
もちろんアクションだけでなく、キャラクターの心情をあらわにし、深掘りさせ、より魅力的なものへと昇華させる歌唱シーンも含めて、キャラクターたちが色とりどりの魅力を放っている。
クラピカを演じる小越は仲間たちへの優しさと、その優しさとは正反対の復讐鬼と化した容赦のない姿という二面性を熱演している。大友は、ゴンの天真爛漫さをそのままに、少したくましくなった姿として、ゴンとしても大友自身としても前作より成長した姿を披露。
阿久津が演じるキルアは、ゴンを助け支えながら友情と絆をより深めた姿とともに、ゴンと関わることで少年としてのあどけなさを見せるなど巧みに演じている。近藤は、ゴンとキルアを巻き込むレオリオらしさでステージ上に笑いと温かさをもたらしてくれている。
そして、幻影旅団のリーダー・クロロとしての太田のたたずまいがステージ上に圧倒的なオーラを放ちながらも、太田はクロロの繊細な心の機微を演じる。そんなクロロに執着するヒソカを演じる丘山は、前作から、まさしくヒソカと言えるほどのハマリ役。本作でも自分の欲望のままフリーダムにステージ上でヒソカらしさを振りまいている。
さらに、個性派集団の幻影旅団と、センリツたちなど色とりどりのキャラクターたちにも、それぞれ見どころがあり、群像劇的なドラマとしての面白さも持ち合わせている。
ステージ上に舞い踊る復讐の怨嗟の鎖が示す先に待つものは。仲間たちの絆はその復讐の怨嗟の鎖を断ち切れるのか――。
(取材・文・撮影/櫻井宏充)
\DMM TVでライブ・アーカイブ配信決定!/
詳細>>https://tv.dmm.com/vod/?season=5479nelkep00273
【ライブ配信】
2024年3月16日(土)18:00 初日公演
2024年4月14日(日)18:00 千秋楽公演
『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2 公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2024年3月16日(土)~3月31日(日) 天王洲 銀河劇場
【大阪公演】2024年4月6日(土)~4月14日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【チケット一般発売】2024年2月18日(日)10:00~
スタッフ・キャスト
【原作】 冨樫義博(集英社「週刊少年ジャンプ」より)
【脚本・演出】 山崎彬
【音楽】 坂部剛
【出演】
ゴン役:大友至恩
キルア役:阿久津仁愛
クラピカ役:小越勇輝
レオリオ役:近藤頌利
ノブナガ役:村田充
フェイタン役:平松來馬
マチ役:秋野祐香
フィンクス役:田鶴翔吾
シャルナーク役:織部典成
シズク役:佐當友莉亜
パクノダ役:鳳翔大
ウボォーギン役:伊勢大貴
シルバ役:北村圭吾
ゼノ役:椎名鯛造
センリツ役:岩田弘子
ネオン役:櫻井佑音
ライト役:和泉宗兵
ヒソカ役:丘山晴己
クロロ役:太田基裕
高岩芯泰 辻本将平 原池優 藤田浩太朗 古田伊吹
山崎里彩 岡村拓真 河野凌太 小池堆賀 島田隆誠
平井浩基 山上和輝 山﨑竜之介
あらすじ
〝9月1日、ヨークシンシティで!!──〟
ハンター試験を終えたゴン、キルア、クラピカ、レオリオは、それぞれの地で念能力を習得し、世界最大のオークションが行われるヨークシンシティで再会を果たす。
時を同じくして、クロロ率いる幻影旅団もまた、全ての競売品を奪うべくヨークシンに集結していた。通称〝クモ〟と呼ばれる幻影旅団は、かつてクラピカの同胞・クルタ族全員の命を奪った盗賊グループであった。
鎖のように絡み合う運命。怒りと悲しみで緋色に染まるクラピカの瞳。制約と誓約。
やがてクラピカは復讐を成し遂げるべく、幻影旅団に一人で立ち向かってゆく。
果たしてゴンたちは、大切な仲間の心を安寧へと導くことができるのか──。
公式サイト
【公式サイト】https://hunter-stage.jp
【公式X(Twitter)】@hunter_stage
(C)P98-24・『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2製作委員会