2024年1月7日(日)に日本青年館ホールにて、シス・カンパニー公演『シラの恋文』の東京公演が開幕する。本作は、劇作家の北村想が剣豪としても知られた17世紀の実在の人物「シラノ・ド・ベルジュラック」に着想を得たオリジナル戯曲で、草彅剛が主演を務める作品。京都・福岡での公演を終え、いよいよ東京公演の幕を開ける。
物語の舞台は2035年。かの疫病のパンデミックに代わり、今度は結核が猛威を振るい、世界情勢にもキナ臭さが漂っている。ある晴れた日、一人の男がテンガロンハットと古めかしい旅行鞄を手に海が見渡せる高台にあるサナトリウム(結核療養所)にやって来る。
彼の名は、鐘谷志羅(かなたにしら/草彅剛)。施設の住人や職員たちは、新参者の志羅を温かく迎え入れる。そこで、同じく療養中の一人の女性と視線を交わした途端、二人とも稲妻に打たれたように動けなくなってしまう。初対面のはずの2人だったが、志羅の中には、不思議な「輪廻の恋」の記憶が時空を超えて甦った――。
北村が生み出した、不思議さと叙情感を兼ね備えた世界観を演出するのは、北村ワールドを熟知した寺十吾。出演は、主人公・鐘谷志羅役の草彅のほか、大原櫻子、工藤阿須加、鈴木浩介、西尾まり、明星真由美、中井千聖、宮下雄也、田山涼成、段田安則。
京都・福岡での公演を、草彅は「各地のお客様の反応に、僕たちは良い舞台をやっている!という大きな手応えが毎日あり、やっぱり舞台はお客様に来ていただいて初めて完成するものだ、ということを日々感じていました」と振り返る。
また、本作の見どころについて「物語自体は、近未来の架空の世界で、輪廻転生や宇宙的な大きな話が北村想さん独特の台詞の中に具現化されていて、不思議な浮遊感がありますね。これは頭で考える戯曲ではなく心で感じる戯曲かな、と思っています。ただ、掴みどころがない話かと思いきや、とても現実味を帯びた胸がザワザワするシチュエーションも散りばめられていて、毎回ハッとさせられるんです。コロナ禍を経験してきた今、何気なく過ごしている日常も決して当たり前のことではなく、実は奇跡的なことなのだと、この作品を通して、改めて実感しているところです」と語った。
いよいよ開幕する東京公演に向けて、気合も準備も充分。「京都、福岡を通して、役者、スタッフとのチームワークもどんどん高まっていて、東京公演はさらに進化した最高の舞台をお届けできると思います。この作品のシンプルでありながら奥深い魅力を皆さんに感じ取っていただけたら嬉しいですね。ぜひ期待していてください!」と呼びかけた。
シス・カンパニー公演『シラの恋文』東京公演は、1月7日(日)から1月28日(日)まで日本青年館ホールにて上演。上演時間は約1時間40分を予定。
なお、東京公演の当日券は、日本青年館ホール入口(2階)当日券受付にて、各公演の開演1時間前より先着順にて販売される。詳細は公演サイトにてご確認を。
『シラの恋文』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2024年1月7日(日)~1月28日(日) 日本青年館ホール
【京都公演】2023年12月9日(土)~12月17日(日) 京都劇場 ※終了
【福岡公演】2023年12月22日(金)~12月28日(木) キャナルシティ劇場 ※終了
スタッフ・キャスト
【作】北村想
【演出】寺十吾
【出演】
草彅剛 大原櫻子 工藤阿須加 鈴木浩介 段田安則
西尾まり 明星真由美 中井千聖 宮下雄也 田山涼成