少年社中25周年ファイナル公演『テンペスト』はここから先へのスタート!鈴木拡樹、矢崎広らと共に巻き起こす嵐

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2024年1月6日(土)に東京・サンシャイン劇場にて、少年社中 第42回公演『テンペスト』が開幕した。本作は、同劇団の25周年のファイナルを飾る作品。初日前には、出演者より鈴木拡樹矢崎広井俣太良、少年社中主宰の毛利亘宏(脚色・演出)が登壇し、意気込みを語った。

少年社中25周年ファイナル公演『テンペスト』はここから先へのスタート!鈴木拡樹、矢崎広らと共に巻き起こす嵐

少年社中は、1997年に劇団東京オレンジを脱退した毛利、井俣らを中心に結成された早稲田大学演劇研究会(早大劇研)出身の劇団。いまや、毛利は2.5次元作品の脚本・演出や、特撮ヒーロー作品の脚本などでも欠かせない存在となっているが、劇団でもファンタジーさと人間ドラマを混在させた、独自の世界観で作品を作り続けてきた。

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本作には、劇団より井俣のほか、大竹えり、田辺幸太郎、長谷川太郎、杉山未央、山川ありそ、内山智絵、川本裕之が出演。さらに、鈴木、矢崎に加え、本田礼生、萩谷慧悟(7ORDER)、なだぎ武、山﨑雅志(劇団ホチキス)、鈴木勝吾と、少年社中ゆかりの俳優陣が参加している。

会見では、まず鈴木が「新年一発目の公演なので、皆様に明るい話題を提供できるような作品になるといいなと思っています。観劇した皆さんが、“楽しかった”と発進したくなることを目標に。そして僕らは、少年社中さんの25周年ファイナルを祝うために集まったと言っても過言ではないので、社中さんが30周年、40周年、50周年を迎えられるようにプレッシャーもかけつつ、臨ませていただきたいと思います」と挨拶。

矢崎も「新年一発目に公演ができること、お客様に会えることを楽しみにしておりました。25周年を祝うおめでたい気持ちを届けて、演劇の力で、たくさんの人にパワーを与えられたと思います」と語った。

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劇団員の井俣も「日本の悲しいスタートになってしまいましたが、我ら演劇人はエンタメをお届けすることしかできませんので、少しでも皆さんの悲しい気持ちを払拭できるといいなと思います。この1ヵ月間、ゆかりのある俳優さんたちと新しい劇団を作るつもりで稽古をしてまいりましたので、ご期待いただければと思います」とコメント。

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そして、毛利は「25年前、早稲田演劇研究会のアトリエで産声を上げた頃から、“観終わったあとに駅まで走って帰りたくなる劇団”を目指してやってきました。今回のゲストとして参加してくれている拡樹、広、それから勝吾(鈴木勝吾)なんかは、彼らが舞台に初めて立った一緒にやってきた仲ですが、ここまで大きな役者になったのかとひしひし感じる稽古場でした。もっと自分もがんばらなきゃと、ものすごく刺激を与えてもらいました。とにかく誠実に演劇と向き合って、また5年10年後と続く演劇的営みを大事にしていきたいと思いました」と振り返った。

少年社中25周年ファイナル公演『テンペスト』はここから先へのスタート!鈴木拡樹、矢崎広らと共に巻き起こす嵐

稽古場には、日替わりゲストも何人か訪れたそうで、鈴木は「ほぼ知り合いで、こんなにみんな少年社中と関わってきたんだ」と驚いたと明かした。また、矢崎がシアターゲームを提案したり、井俣らが演劇研究会時代に身体トレーニングを一緒にやったり、“劇団”という感覚を高める取り組みを行ったそう。井俣が「あの頃の熱い稽古を皆さんに体験してもらって、この共有体験が板の上に乗ればいいなと思って」と言うと、鈴木も矢崎も大きく頷く。

毛利が、25周年のファイナルを飾る作品に選んだテーマも、まさに「劇団」。人気劇団「孤高遊戯」は、ウィリアム・シェイクスピアの「テンペスト」を上演することになったが、稽古を迎える前に演出家が急死してしまう。困り果てた劇団員の前に、突然一人の天才役者が現れる。彼の存在は反発と憧憬を生んだが、どうにか公演初日を迎えた。

少年社中25周年ファイナル公演『テンペスト』はここから先へのスタート!鈴木拡樹、矢崎広らと共に巻き起こす嵐

まさに開演の時を迎えようとしたその時、劇場にかつて劇団を追われた男が現れる。その男の目は、復讐の炎に燃えていた・・・。彼の発した宣言により、嵐のような初日の幕が開ける――。

鈴木は「壮大な嵐を劇場いっぱいに起こしたい、刺激連続の作品になっていると思います。毛利さんが目指すように、皆さんが走って帰りたくなるように、自らも物語の中で走っていきたいと思います」と意気込む。

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そして、毛利は「お客様全員もこの作品の登場人物としてご覧いただいて、我々と一緒に演劇を作っていただけたらと思っておりますので、ぜひ参加してください。僕らと一緒に、すごい芝居を作りましょう!架空の劇団がおりなす群像劇に想いのすべてを投じまして、今できるすべてを導入してこの作品を作りました。25周年ファイナルと銘打っていますが、ここから先のスタートの公演であると考えて、この作品をお送りしたい。命尽きるまで演劇を作り続けたいと、気持ち新たにする公演となっておりますので、皆様の目で見ていただければと思います。よろしくお願いします」と締めくくった。

少年社中25周年ファイナル公演『テンペスト』はここから先へのスタート!鈴木拡樹、矢崎広らと共に巻き起こす嵐

毛利が「すべてを投じた」と言うように、物語は大ボリューム!シェイクスピアの「テンペスト」をご存じない方は、かんたんなあらすじを頭に入れてから観劇に臨むと、より解像度が上がるかもしれない(もちろん何も知識を持たずにも楽しめる)。物語の中には、少年社中の“歩み”が散りばめられていた。あるシーンでは、過去の公演の台詞や映像なども使われており、当時を知る人は随所ではっとさせられる。

少年社中25周年ファイナル公演『テンペスト』はここから先へのスタート!鈴木拡樹、矢崎広らと共に巻き起こす嵐

劇団というのは人の集まりで、目に見えること以上にいろんなことがあったのだろう。登場人物たちが発する台詞は、きっと毛利の本音であり、劇団の総意なのだと感じた。25周年を経てなお、嵐を巻き起こし続ける少年社中の今後に期待したい。

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少年社中25周年記念ファイナル 第42回公演『テンペスト』は、1月21日(日)まで東京・サンシャイン劇場、1月25日(木)から1月28日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。上演時間は約2時間10分(休憩なし)を予定。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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少年社中25周年記念ファイナル 第42回公演『テンペスト』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2024年1月6日(土)~1月21日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】2024年1月25日(木)~1月28日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

スタッフ・キャスト

【出演】
井俣太良 大竹えり 田辺幸太郎
長谷川太郎 杉山未央 山川ありそ
内山智絵 川本裕之

鈴木拡樹 本田礼生 萩谷慧悟(7ORDER)
なだぎ武 山﨑雅志(劇団ホチキス)
鈴木勝吾 矢崎 広

【原作】ウィリアム・シェイクスピア
【脚色・演出】毛利亘宏

ほか

あらすじ

ウィリアム・シェイクスピアの『テンペスト』を上演することになった人気劇団。
だが稽古を迎える前に演出家が急死。
困り果てた劇団員の前に現れたのは、一人の天才役者だった。
彼の存在は反発と憧憬と混乱を生んだが、どうにか公演初日を迎えることとなる。

まさに開演しようとしたその時、劇場にかつて劇団を追われた男が現れる。
その男の目は、復讐の炎に燃えていた・・・。

彼の発した宣言により、嵐のような初日の幕が開ける。

『テンペスト』は裏切りと欲望、そして悲しき過去の渦巻く怒涛の物語として進んでいく。
復讐の果て・・・その終着地とは?

「さあ、始めよう。
私の人生を奪った“演劇”に復讐を」

公式サイト

【公式サイト】http://www.shachu.com/tempest/
【少年社中公式X(Twitter)】@shonen_shachu

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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