岡宮来夢、一人ミュージカルで炸裂させる物語る力――クルム童話『ケリナツス～七匹目の仔山羊～』レポート

2023年12月7日2024年7月31日

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岡宮来夢、一人ミュージカルで炸裂させる物語る力――クルム童話『ケリナツス～七匹目の仔山羊～』レポート

2023年12月7日（木）に東京・TheaterMixaにて、BOOK OPERAクルム童話『ケリナツス～七匹目の仔山羊～』が開幕した。本作は、岡宮来夢が童話を題材にしたオリジナルストーリーを、単身で演じ、歌い紡ぐ一人ミュージカル。その公開ゲネプロの模様をレポートする。

脚本・演出はおぼんろの末原拓馬が担当。グリム童話の「オオカミと七匹の子ヤギ」をモチーフに、新たな童話を生み出した。

物語の舞台は、架空の砂漠町・ナグイツ。古くから行われる不思議な儀式「ケリナツス」を目前に、動物たちは騒ぎ立てていた。今年の生贄となるのは、仔山羊のウシロメタサ。自ら望んで生贄となろうとするウシロメタサに、神官が大きな剣を振りあげた瞬間、侵入者が現れ、ウシロメタサはさらわれてしまう。

自分をさらい密室に立てこもる暴漢は狼は、ウシロメタサに「お前らに殺された兄の復讐を遂げるために来た」と告げた。生贄と復讐者、その出会いが織りなす予測不可能な結末とは――？

岡宮と末原のタッグは、とても相性が良かった。末原の持つ独特の感性が光る物語と、岡宮自身が持つあたたかな空気感が、童話的に包む切ない過去と残酷な現実を、新たな希望へと導いてくれる。

岡宮と言えば、ミュージカル界のホープとして、スター街道を驀進中なのは周知のこと。本作もミュージカルなので歌にも期待していたが、それ以上に目の前にあることに没頭させ芝居力が際立っていた。複数の役の演じ分けはもちろん、岡宮の芝居に対する底力のようなものを存分に感じさせてくれる。

出演は岡宮のみだが、声の出演として津田健次郎も参加。津田が「声」でどんな登場をしているのかも、お楽しみに。

開幕に向け、岡宮は「クルム童話、いよいよ幕が上がります！拓馬さんとの稽古の日々で自分の人生も振り返りながら作ってきました。早くたくさんの人に観てもらいたい気持ちでいっぱいです。そして終演後に皆さんにどんな感想を持ってもらっても、それでいいなと思える作品です。1人で舞台に上がることは僕にとって正直怖いことです。だけど立ちます。皆さんの心にこの物語が優しく寄り添ってくれることを祈って11日間楽しみます。皆さんも楽しんで遊びに来てください！応援、よろしくお願いします」とコメントを寄せた。