演出・稲葉賀恵と牧島輝のタッグで舞台『季節はずれの雪』3人芝居で兵士の心の傷を描く

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演出・稲葉賀恵と牧島輝のタッグで舞台『季節はずれの雪』3人芝居で戦争から帰還した兵士の心の傷を描く

2023年12月に東京・シアター風姿花伝、舞台『季節はずれの雪』の上演が決定した。

本作は、スティーブン・メトカルフが、ベトナム戦争から帰還した兵士たちの心の傷を描いた作品。兄と妹、そして“兄の戦友”で妹と愛し合うようになる男の、戦争によって人生を狂わされた人々の悲しみと家族の苦しみを描く3人芝居を、気鋭の演出家・稲葉賀恵が手掛ける。

出演は、牧島輝、天野はな、大石将弘(劇団ままごと/ナイロン100℃)の3名。

演出・稲葉賀恵と牧島輝のタッグで舞台『季節はずれの雪』3人芝居で戦争から帰還した兵士の心の傷を描く

物語は、ある日の早朝から始まる。ベトナム戦争の帰還兵であるメグス(牧島)は、解禁日に釣りに行こうと、ベトナム時代の仲間であるデイヴィッド(大石)の家を突如訪問する。帰還後、戦争の話題を避け、酒浸りの日々を送っていたデイヴィッドは、メグスとの再会を通じ、ベトナムでの体験、仲間の戦死、かつての自身の選択と対峙せざるを得なくなる。一方、メグスはデイヴィッドと同居する妹のマーサ(天野)と出会い、少しずつ心を通わせていく・・・。

昨年3月に『サロメ奇譚』で作品作りを共にしたことから、「また一緒に作品を作りたい」と、稲葉と牧島は共に戯曲選びをしたといい、稲葉は「戦争を経験したことのない私たちが、あり得るかもしれない人生として想像を巡らせることに価値があると信じています」とコメントを寄せている。

舞台『季節はずれの雪』は、12月7日(木)から12月17日(日)まで東京・シアター風姿花伝にて上演される。

目次

コメント紹介

演出:稲葉賀恵

この戯曲を選んだ当時は
こんなにオンゴーイングな戦争が世界で繰り広げられると思っていなかった。
と言ったそばからその自分の軽率な言葉にめまいがします。
今の戦争の前にだってその前にだって、いつでも地球上のどこかで諍いは起きていて、それらはどこまでいっても私にとっては対岸の火事であると感じている自分にめまいがするのです。
翻訳劇と向き合えば向き合うほど、この当事者性から一層離れていっているのではないかと煩悶していた頃にこの戯曲を選びました。
数々の戯曲を読み漁り、共にこの戯曲を選んだ牧島さん、いつかご一緒したいと思っていた天野さん、四回目の創作になる大石さん、そして信頼する気の知れたスタッフの方々に集まって頂きました。
戦争を経験したことのない私たちが、あり得るかもしれない人生として想像を巡らせることに価値があると信じています。
どうか劇場で共に想像を巡らせて頂けますよう。ご期待ください。

翻訳:一川華

「戦争を知らない人間は、半分は子どもである」
戦争を扱う戯曲に取り組むたび、大岡昇平の『野火』の一節が胸に突き刺さる。
わたしは、前線に赴いたこともなければ、銃の重みも知らない。
戦争を実体験で知る人間からすれば、戦争を演劇で立ち上げるなど、ままごと遊びに過ぎない。そう思うと、どうしても心は苦しくなる。
それでも、考え、問いかけ、話し合う行為を、一瞬たりとも止めたくない。
この気持ちは、今自分たちは戦争とはほど遠い場所にいる、という虚構の余裕から来るものであることも分かっている。
だからこそ、この“余裕”のあるうちに。
たとえ子どもであったとしても、精一杯の想像力を使って、思考の種を蒔きたいと思うのだ。

メグス役:牧島輝

昨年3月に『サロメ奇譚』で稲葉さんとご一緒させていただいてから、また一緒に作品を作りたいという思いで今回の企画が始まりました。どの演目にするか相談を重ね、数ある候補の中から『季節はずれの雪』を選ばせていただきました。今この作品を上演する意味を僕は強く感じています。シアター風姿花伝での三人芝居。すごく特別な時間になると思います。皆様と劇場でお会いできること楽しみにしております。

マーサ役:天野はな

私にとって初挑戦となる3人芝居です。少しの緊張と共に未知の世界に飛び込むような気持ちでいますが、稲葉さん、牧島さん、大石さん、そして頼もしいスタッフの方々と共にこの作品に向き合えることを嬉しく思っております。初めて原作を読ませて頂いた時、登場人物達のあまりの繊細さ、危うさに胸がドキドキしました。触れたら壊れてしまいそうなこの物語を、風姿花伝という親密な空間でお届けできる日をとても楽しみにしています。12月の寒さの中、ささやかに寄り添える時間になるよう稽古に励みます。

デイヴィッド役:大石将弘

稲葉賀恵さんの演出作品からは、空間を満たす美しさと、人間の力強さを感じます。稲葉さんと何度かご一緒させていただきましたが、戯曲や他者を尊重し全力で誠実に向き合うエネルギーにいつも圧倒されます。今回、念願の翻訳劇、しかも出演者 3 人の濃密な会話劇に参加出来るのがとても嬉しいです。あちこちで大活躍しまくっている俳優おふたりと、素晴らしいスタッフの皆様に囲まれて、本当に自分に務まるのかという不安と格闘しつつ頑張ります。今この戯曲を、どう響かせることができるのか。とても楽しみです。

舞台『季節はずれの雪』公演情報

上演スケジュール

2023年12月7日(木)~12月17日(日) シアター風姿花伝

スタッフ・キャスト

【作】スティーブン・メトカルフ
【翻訳】一川華
【演出】稲葉賀恵

【出演】
牧島輝、天野はな、大石将弘

チケット

【料金】6,900円(全席指定・税込)
【一般前売】2023年11月4日(土)

公式サイト

【公式サイト】https://www.strangesnow.info/

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