2023年9月23日(土)・9月24日(日)に、東京・新宿文化センター 大ホールにてバレエ『えんとつ町のプペル』が上演された。原作の「えんとつ町のプペル」は、キングコング西野亮廣が脚本・監督を務め、参加イラストレーター・クリエイター総勢33名の完全分業制で作り上げ、2016年の発刊以来、大きな反響を呼んでいる絵本作品。映画やミュージカル、歌舞伎にもなり、今回のバレエ化も果たした。
振付は気鋭の若手である宝満直也が務め、主演はゴミ人間のプペルとルビッチの父ブルーノの二役を演じる風間自然、ルビッチ役を竹田仁美(元NBAバレエ団プリンシパル)が演じる。さらに、おしゃべりな鉱山泥棒スコップ役に八幡顕光(元新国立劇場バレエ団プリンシパル)、ルビッチの元友達であるレベッカに白石あゆ美(元K-BALLET COMPANY プリンシパル)ら、約60名にものぼるキャストが出演。
ファンタジックで絵本から飛び出したような、えんとつ町が目の前に広がる舞台セットが目を引く、新宿文化センター 大ホールならではの大きなステージを活かした風間と竹田を筆頭としたキャストたちが舞う。
『えんとつ町のプペル』の不思議な世界観の住人たちをステージ上に存在させる芸術的な衣装を身にまとったダンサーたちの表現力と、さらに「子どもたちに本物の舞台体験を」という思いのもと、ロイヤルチェンバーオーケストラによる生オーケストラでの演奏が、劇場ならではの臨場感を醸し出してくれる。
プペルとルビッチの出会いや、ハロウィンパーティー、えんとつ掃除屋たちのシーンなどの心躍る楽しいシーンから、胸を打つ感動のシーンの数々。そして、コメディーリリーフとなるスコップに、子どもたちもダンサーとして加わり、笑いを振りまいてくれる。キャストたち全員が情感たっぷりにステップとテクニックで魅せてくれる、まるで絵本のページをめくるようなワクワク感が満載のバレエ作品だ。
さらに、本作には「家族で楽しめるひと時を」という製作総指揮の関巴瑠花のアイデアのもと、ファミリー席・ファミリー応援席も設けられるなどさまざまな工夫が加えられており、星を信じた少年「ルビッチ」がラストにたどり着く感動のシーンには、子どもも大人も心に刻まれるであろう圧巻のパフォーマンスが繰り広げられた。
(取材・文/櫻井宏充、写真/オフィシャル提供)
あらすじ
厚い煙に覆われ、空を見上げることを忘れた”えんとつ町”の住人は、青い空も煌く星も知りません。
そんな中、この街でただ一人、”星”を語っていたブルーノは星を見るために海に出て、帰らぬ人に。
その息子・ルビッチは、父のことばを胸に”星”を信じ続けていました。ハロウィンの夜、ゴミから生まれたゴミ人間・プペルが現れ、二人は”友達”に。
しかし、ルビッチがプペルに”星”の話をしたことをきっかけに町のみんなに嘘つきと後ろ指をさされ、のけものにされ、塞ぎ込んでしまいます。
そんなルビッチを見て、プペルはある決心をし、星を見つける旅へとルビッチを誘います。
あきらめずにチャレンジするすべての人に贈る冒険物語。
バレエ『えんとつ町のプぺル』公演情報
上演スケジュール
2023年9月23日(土)・9月24日(日) 新宿文化センター 大ホール
スタッフ・キャスト
【原作・脚本】西野亮廣
【製作総指揮・演出】関巴瑠花
【振付】宝満直也
【音楽監修・指揮】冨田実里
【管弦楽団】ロイヤルチェンバーオーケストラ
【キャスト】
プペル&父ブルーノ:風間自然(フリーランス)
ルビッチ:竹田仁美(元NBAバレエ団プリンシパル)
スコップ:八幡顕光(元新国立劇場バレエ団プリンシパル)
レベッカ:白石あゆ美(元K-BALLET COMPANYプリンシパル)
キャシー:勅使河原綾乃(NBAバレエ団)
ルイーズ:土田明日香(バレエシャンブルウエスト)
街灯:岡博美(東京シティバレエ団)、盆子原美奈、他
えんとつ掃除屋:牧村直樹(谷桃子バレエ団)、岡田晃明(東京シティバレエ団)、ほか
公式リンク
【公式サイト】https://poupelle-ballet.com/
【公式X(旧Twitter)】@poupelleballet