的場浩司、福田悠太(ふぉ~ゆ~)らが究極の家族愛を描く!舞台『銀河鉄道の父』ゲネプロレポート

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的場浩司、福田悠太(ふぉ~ゆ~)らが究極の家族愛を描く!舞台『銀河鉄道の父』ゲネプロレポート

2023年9月9日に東京・自由劇場にて舞台『銀河鉄道の父』が開幕。初日前日には囲み取材会と公開ゲネプロが行われ、的場浩司、福田悠太(ふぉ~ゆ~)、駒井蓮が登壇し初日に向け意気込みを語った。

原作は作家・門井慶喜による同名小説。37歳の若さで急逝した宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の目線で描かれた作品で第158回直木賞を受賞している。2020年10月に脚本・詩森ろば、演出・青木豪、主演・的場にて舞台化。2023年には映画化もされている。

的場浩司、福田悠太(ふぉ~ゆ~)らが究極の家族愛を描く!舞台『銀河鉄道の父』ゲネプロレポート

本作は2020年10月の舞台と同じく脚本の詩森、演出の青木、主演の宮沢政次郎役の的場をはじめ、政次郎の妻で賢治の母・イチ役の大空ゆうひ、政次郎の父・喜助役の田鍋謙一郎が再集結。今作より新たに宮沢賢治役を福田、賢治の妹・トシ役に駒井などが参加し新たな宮沢家が作り上げられている。

岩手にて宮沢政次郎(的場)の葬儀が執り行われていた。魂となった政次郎はある場所にたどり着く。そこには自分よりはるか前に、37歳の若さで急逝した息子・賢治(福田)の姿があった。賢治と再会したことで、賢治が産まれた時からの記憶を思い起こしていく・・・。

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政次郎の目線で描かれる賢治の一生を時にコミカルに、時にスピーディに、時に静かに描いていく。前半で印象深いのは賢治やトシの幼少期は人形を使って表現しているところだ。赤ん坊だった賢治の弟・清六演じる三浦拓真は後ろでずっと泣き声をあげていた。人形たちの表情は乏しいのだが、どんどん愛着が湧く愛らしい幼少期が描かれていた。

福田演じる宮沢賢治は2つの顔を見せる。政次郎から見た子供の賢治の姿と、死後の達観し見守る賢治の姿だ。賢治は詩人や童話作家として有名だが、それ以外にも農芸化学者など色んなことに挑戦する。自由奔放なのだが福田の賢治は憎めず華やかなカリスマ性を感じる。そして死後の賢治の優しく見守る姿との違いも見届けたい。

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駒井の清涼感ある演技にも目が惹かれた。幼少期の無邪気でころころ変わる表情はとても可愛らしく、大人になってからの上品で聡明な姿もとても美しかった。トシといえば有名な「あめゆじゅとてちてけんじゃ」という言葉などあるが、その言葉が浮かずに染み込むように紡がれていた。

全ての中心にいる的場の存在感には圧倒された。強さと厳格さを持ちながら、チャーミングさもある的場の政次郎からは溢れる愛情があった。表情が見えない場面でも、背中から感情が伝わってきた。また政次郎の妻・イチ役の大空がしっかりと支えており、二人のコンビネーションにも注目だ。

的場浩司、福田悠太(ふぉ~ゆ~)らが究極の家族愛を描く!舞台『銀河鉄道の父』ゲネプロレポート

囲み取材会では的場、福田、駒井が本当の親子のようなチームワークの良さが至る所で伝わってきた。福田がコメントで会場を笑わせるので、次の駒井が「福田さんの次はコメントがしにくいです(笑)」と苦笑いをすると、的場が「ごめんな」と仲裁に入るなど、兄妹喧嘩の間を取り持つ優しい父親のようだった。

的場は誰よりも早くから稽古場に入り通しで稽古を行い、駒井は稽古後も残って自主稽古をし、福田は家に帰ってもずっと台本を読み込むなど作品への向き合い方が明かされた。的場はカンパニーを磨かれていって切れ味が鋭くなっていく日本刀のようだと話し、全員が一丸となってこの作品に向き合っていると語った。

駒井は「本作は家族の色んな姿が詰まった作品なので、観客の皆さんもそれぞれの家族について考えることがあるんじゃないかな。」と話し、的場も「この宮沢家の家族愛を感じていただければと思います。」と笑顔で会見を締めくくった。

上演時間は約2時間を予定している。

(文・撮影:一本柳歌織)

目次

舞台『銀河鉄道の父』公演情報

スケジュール

2023年9月9日(土)~9月16日(土) 自由劇場

スタッフ・キャスト

【原作】門井慶喜「銀河鉄道の父」(講談社文庫)
【脚本】詩森ろば
【演出】青木豪

【キャスト】

的場浩司
福田悠太(ふぉ~ゆ~)
櫻井圭登
駒井蓮
田鍋謙一郎
しゅはまはるみ
桑田亜紀
大空ゆうひ

【公式サイト】 https://www.mmj-pro.co.jp/ginchichi/
【公式Twitter】@ginchichi_stage

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