2023年12月、主演に声優の細谷佳正を迎え、舞台『ハーヴェイ』が上演されることが発表された。本作は、1944年にブロードウェイにて初演され、1945年にピューリッツァー賞を受賞、ストレートプレイとしては歴代 6位となる 5年間のロングランを記録した名作コメディ。
見えないものが見える、そんな「変わり者」エルウッドと、巨大なウサギのハーヴェイの不思議な関係、そして周囲とのすれ違いから巻き起こる騒動を描いている。
他人には見えない巨大な白ウサギを親友と呼ぶ主人公・エルウッドを務めるのは、本作が初舞台、そして初主演となる細谷佳正。エルウッドの姉・ヴェイタ役を一路真輝が演じる。
そのほか、伊東弘美、櫻井紗季、堤梨菜、林勇輝、西嶋友哉、上條恒、藤崎卓也らが出演。
企画、翻訳、演出は、『ミス・サイゴン』『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』舞台『キングダム』の演出助手、舞台『千と千尋の神隠し』『ナイツ・テイル-騎士物語-』の演出補を務める永井誠が担当する。
上演決定に伴い、細谷、一路、永井からコメントが届いている。
舞台『ハーヴェイ』は12月21日(木)から12月24日(日)まで、東京・シアター・アルファ東京にて上演される。
コメント紹介
細谷佳正(エルウッド役)
今回、本当に有難いことに素晴らしい俳優の皆さんと一緒に舞台に立たせて頂ける機会に恵まれ、とても幸せな気持ちでおります。
高校時代に初めて舞台演劇に触れ、のめり込んだ結果、僕は声優になることができました。
台本を手に持ってアフレコをする分には、粗を目立せずに、人並みにやれるようになりました。
しかし舞台は、ど素人です!
だからこそ、嬉しく、幸せです。
41歳で、新人舞台俳優になることが出来ます。
緊張します。凄くワクワクしています。
自分史上、最大の挑戦だと思っています。
一所懸命がんばります!!
一路真輝(ヴェイタ役)
私は霊感体質ではないので「巨大な白ウサギ」は見えません…。でも今回の役、ヴェイタは「たまに見える」ひと、おかげでひどい目に合います!これって、ハーヴェイがヴェイタをからかってのことなの?ハーヴェイっていったい何者なんでしょう?
初めての演出家と初共演の方々(もちろんハーヴェイとも)、そしてお客様と近い小劇場の空間。期待でちょっとわくわくしています。兎年のクリスマスシーズンを飾る『ハーヴェイ』、ちょっとクラシックで素敵なコメディです。どうぞお楽しみに!
永井誠(企画、翻訳、演出)
みんなが見えていないものを見えている人、みんなが分かるものを分からない人、みんなが正しいと思っているものを正しいと思わない人、すべて『変な人』という括りにされます。そして、大学生の頃、演劇を進路に選択した私も『変な人』と呼ばれていました。
「ハーヴェイ」を読んだ時、素直に、エルッドがとても普通の素晴らしい人に思えました。初演から70年過ぎて、誰しもが自分の思いを意思表示出来る今だからこそ、変な人を中心に巻き起こるコメディーではなく、変な人と決めつける周りの人間のおもしろさを切り取ってみたいと思い上演を決めました。どうぞ、お楽しみに!
あ、これは関係ないかもしれませんが、この作品を上演しようと決めてから、よくペンがなくなります…あと、帰宅して鍵を閉めた記憶はないのに閉まってたり、家を出た後に火を消したか不安になって戻ってもちゃんと火は消えてたりします…あれ、今、隣の部屋で、何か物音が…うわっ!
舞台『ハーヴェイ』公演情報
上演スケジュール
2023年12月21日(木)~12月24日(日) シアター・アルファ東京
キャスト・スタッフ
【出演】
細谷佳正 一路真輝
伊東弘美 櫻井紗季 堤梨菜
林勇輝 西嶋友哉 上條恒
藤崎卓也
【作】メアリー・チェイス
【企画・翻訳・演出】永井誠
あらすじ
この土地の名家であるダウド家の一室。
当家の主人であるエルウッド(細谷佳正)は、きわめて礼儀正しく、社交的な好人物。彼の留守を狙って姉のヴェイタ(一路真輝)は、街の奥様連中を招きティーパーティを開いている。娘マートル(櫻井紗季)に良縁をと願って。
でも、どうしてエルウッドの留守中に? だってエルウッドには相棒がいるから…その相棒とはハーヴェイ、190センチの巨大白ウサギ。しかもその姿は彼にしか見えない。
突然エルウッド(とハーヴェイ)が帰宅。大慌ての母娘を尻目に、エルウッドはにこやかに来客に挨拶し、ハーヴェイを紹介する。イザールおばさま(伊東弘美)は、エルウッドからこの見えない友人を紹介され、当惑、呆然、そして逃げるように去って行った。ヴェイタは連日のこの状況に我慢できず、エルウッドを診てもらおうとチャムリー院長(藤崎卓也)の精神科クリニックへ連れていく。
続く時間、チャムリー院長のクリニック。
魅力的な看護師、ルース・ケリー(堤 梨菜)は、若い医師サンダーソン(林勇輝)のことが気になっている。
サンダーソンは優秀だが少々意識過剰気味、ひょんなことから患者はヴェイタの方だと思い込んでしまう。クリニックの職員ウィルソン(西嶋友哉)はサンダーソンの指示に従い「水治療」を受けさせるべく、ヴェイタを手荒く拘束してしまう。
エルウッドはサンダーソンにヴェイタを任せて出ていくのだが、ハーヴェイとはぐれてしまった。気のいい院長夫人のベティ(伊東弘美)は、ハーヴェイが見つかったら一緒に車に乗せて連れてってあげると約束、安心したエルウッドは街に飲みに出かけた。
話のつじつまが合わないと感じたチャムリー院長は、診察を依頼したダウト家の弁護士、ガフニー判事(上條恒)に確認の電話を入れる。そして大失態が発覚する。
さて元のダウト家。ガフニー判事が心配してやってくると、ヴェイタがほうほうのていで帰宅し、クリニックを訴えるとえらい剣幕である。
エルウッドを探してウィルソンとチャムリー院長がダウト家にやってくる。エルウッドは一体どこに行ってしまったのか。
ハーヴェイは見つかったのか…ほとんどの人にハーヴェイは見えないので、一体どうやって見つけるのか?