林一敬と濱田龍臣が日本のホームズとワトソンのように ノサカラボ神津恭介シリーズ『呪縛の家』製作発表

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2023年8月から9月にかけて、神津恭介シリーズより『呪縛の家』が上演される。その製作発表会見が7月20日(木)に東京・自由学園明日館 講堂にて行われ、林一敬(ジャニーズJr.)、濱田龍臣、手島麗央(ジャニーズJr.)、入山杏奈、内海光司、野坂実(演出・構成)が登壇した。

本作は、世界の名作ミステリーを丁寧に舞台化するプロジェクト「ノサカラボ」が、高木彬光の推理小説・神津恭介シリーズの初の舞台化に挑むもの。『呪縛の家』は、明智小五郎・金田一耕助と並ぶ「日本三大名探偵」の1人と言われる「神津恭介」を主人公に書かれたシリーズの初期の作品で、天才探偵・神津恭介が新興宗教一族を襲う連続殺人事件に立ち向かう姿が描かれる。

出演に、主演の林一敬(ジャニーズ Jr.)、濱田龍臣、手島麗央(ジャニーズ Jr.)、入山杏奈、神志那結衣、関根優那、賀集利樹、福室莉音、岡田達也、内海光司、片岡鶴太郎(特別出演)といった顔ぶれが並ぶ。舞台の構成・演出はノサカラボ主宰の野坂実、脚本は須貝英が担当。音楽を「翼をください」や「虹と雪のバラード」の作曲をはじめ、映画『金田一耕助』シリーズの一つ『悪魔の手毬唄』の音楽を担当した村井邦彦、編曲や劇中曲は上野耕路が担当する。

重厚なミステリー作品である神津恭介シリーズの世界観を表すような重要文化財である自由学園明日館の講堂で開催された製作発表会。挨拶に立った野坂は、ノサカラボについて「舞台ではあまりミステリーというジャンルが確立されていないというのと、僕がミステリーが好きだということで、ミステリーを専門にやる集団というのを作れたらと立ち上げました」と経緯を説明。

朗読劇『シャーロック・ホームズ3』が7月15日(土)・16日(日)に上演されたばかりのノサカラボだが、「ミステリーということで重厚、華麗というものがテーマになってくるので、キャスティングが基本になっている。『シャーロック・ホームズ3』では、声優の山寺宏一さん、水島裕さん、大塚明夫さん、田中敦子さん、津田健次郎さんと豪華な出演者に、生音楽で生SEと全ての音を味わっていただこうという試みをやりました。チケットも即日完売で、そういうものを観たいという皆様がいらっしゃるのかと思っています」とミステリーを専門に扱うことについても手応えを掴んでいる様子。

続けて、神津恭介シリーズを選んだ理由を「日本三大名探偵として明智小五郎、金田一耕介、それでもう1人は誰なんだろうという感じで、今、あまり紹介するようなことにはなってないので、僕らで紹介したいという思いがありました」と明かし、本作について「謎解きはちょっと難しいところがあると思いますが、その難しさをなるだけ分かりやすく説明していくので、豪華絢爛でドラマチックな展開に持っていきたい」と意気込んだ。

また、本作の演出プランについて「神津恭介と親友で探偵助手的な松下くんはワンセットになっていまして、本を読んだ時に日本のシャーロック・ホームズになれるんじゃないかと思いました。なので、僕の中ではホームズとワトソンの日本版の2人が事件を解決していくというところに脚本上のポイントはすごく置いています。あとは、舞台上の演出に関しては、豪華絢爛という意味で採算を度外視して、美しいものを多分にしておこうと思っています」と解説し、こだわりについても「朗読もよくやってるので言葉だけでも分かりやすく、役者さんたちの芝居が入ってきた時にも分かりにくいものとかは基本的に排除していくというか、ミステリーそのものが複雑なので、その複雑なストーリーをあまり考えなくても楽しんで観ていられるというところはかなりこだわっています」と述べた。

舞台では2回目の主演で、天才探偵・神津恭介を演じる林は「前回の主演では周りの方に助けられながらだったんですけど、今回は、てっしー(手島)という後輩もいますし、先輩の内海さんもいますし、成長した姿を見せたいです」と意気込みを披露し、「日本三大探偵の一人を僕がやっていいのかなという気持ちですし、天才探偵役ですけども、僕は頭の良さが真逆だと思っているので、そこをどう演技で見せるかが課題なのかなと思っています」と気を引き締めた。

林一敬と濱田龍臣が日本のホームズとワトソンのように ノサカラボ神津恭介シリーズ『呪縛の家』製作発表

神津恭介の親友で探偵助手的な存在である松下研三役の濱田は「名探偵の助手という部分もあって、ストーリーの中での潤滑油のような役どころなのかなと思っているので、松下なりの良さだったり、緊迫している事件の中でちょっと気が抜けるようなキャラクターになってきてもいいのかと思っています」と役回りを解説し、「事件のトリックや、どうやって人をそれぞれ紹介していくのかみたいな、そういう部分も新しい手法が取られていくのかと思うので、そういうところも観てください」と見どころをアピール。

林一敬と濱田龍臣が日本のホームズとワトソンのように ノサカラボ神津恭介シリーズ『呪縛の家』製作発表

事件の依頼人である卜部鴻一役の手島は、地方の旧家に長く住んでいるという役柄について「僕は山口県の田舎の生まれで、ちょうど正月に1週間ぐらい帰省したんですけど、もう退屈すぎて早く帰りたいと思ったぐらいなので、こういう家に縛られているのも大変だと思うし、ちょっと僕には耐えられないです」と気持ちを明かし、「今回、ジャニーズ以外の舞台が初めてなので、演技の先輩たちにいろいろアドバイスしてもらえたら嬉しいです、それで成長したいです」と意気込みを語った。

林一敬と濱田龍臣が日本のホームズとワトソンのように ノサカラボ神津恭介シリーズ『呪縛の家』製作発表

メキシコのドラマシリーズ『L.I.K.E』で人気を博しており、殺人事件の予言を受ける新興宗教の教祖・卜部舜斎の孫娘三姉妹役の1人、卜部土岐子を演じる入山。メキシコとの2拠点生活をしていて、1年半ぶりに本作のために帰国したという入山は、役どころについて「可憐な少女役というイメージを今は抱いています」と述べると、「まだ稽古が始まってない状況なので、それ以上の詳細をつかめてはいないんですけれども、片岡鶴太郎さんの孫娘役ということで、本当のおじいちゃんと孫みたいな関係性になれるように、『ヨガのお腹見せて』と言いながら仲良くできたらと思います(笑)」と共演の片岡への期待を寄せて、会場の笑いを誘った。

事件の舞台となる八坂村の開業医・菊川隆三郎を演じる内海。演出の野坂の印象について、「ノサカラボの舞台『ホロー荘の殺人』を観た時に、野坂さんとお会いしてお話させていただきました。非常に優しそうで安心してるんですけど、稽古になったとたんに鬼のように怖くなる演出家さんも中にはいらっしゃるので、ちょっとドキドキしています」と冗談を交じりで答えた。

さらに、「僕も拠点がメキシコだったので・・・」と入山をネタにして話すと、登壇者たちから総ツッコミを受けながら、改めて、林に対して「去年、ミュージカルを一緒にやらせてもらって、かずくんと呼ばせてもらっています。今回はセリフの量も多いし、大変だねと言ったら、『いや、僕は一度台詞を覚えたら絶対に忘れないんです』と言っていたので、結構頭がいいんだなと思いました」と褒め称えると、そんな心強いジャニーズの大先輩に、林は「お父さんという感じで、“パパ”と呼びたいです」と応え、内海も笑顔を見せた。

また、見どころに関して、内海は「ミステリー作品なので、犯人は誰だろうとか、どんなトリックだろうとか、動機はなんだろうとか、いろいろあると思います。でも、それだけじゃなくて、もっと人間の憎悪、家族愛、友情愛という人間ドラマがあるので、その辺は僕らもしっかり作っていかないといけないですけど、そういう人間ドラマの部分も観てほしいです」と挙げた。

天才探偵役を演じることについて、林は「探偵ものは興味があって、やってみたかったですし、その探偵もので主演をやらせていただくことはすごく嬉しいです。不安もありますけどキャストの皆さんがみんないい感じなので頑張りたいです」と気合いを入れた。

そんな林に対して、野坂は「林くんは普段しゃべっていると、打てば響くような答えが返ってきて、衣装合わせの時に神津だなと思ったんです。今は製作発表で緊張していてカワイイ林くんですが、衣装合わせの時はキレキレの林くんだったので、役作りはしなくてもこのままいけちゃうという話しをしました」と絶賛。内海も、林に対して「踊りも歌も好きなんですけど、それ以上にお芝居に対する愛情がものすごく強くて、お芝居をもっとやっていきたいと言っていたから、これからなんでも吸収する時期というか、なんでも勉強だと思うので、野坂さんにいろいろと教えていただいて、また新たな引き出しを作ってほしいです」とエールを送った。

座長としての林の印象を登壇者たちが尋ねられると、濱田は「小動物を見ている気持ち」、入山は「偶然にも先日、主演されてた舞台を観に行かせていただいて、その時の役ではすごくしっかりしていたので、ギャップがすごい」と笑顔でそれぞれコメント。一方で、後輩の手島から「一敬くんとは4年ぐらい一緒に仕事をしてきて、ずっとこんな感じで、そわそわしている感じ。頑張ってほしいです」と応援されると、林も「お前もがんばれ!」と返して、会場から笑いが起こった。

林は、初共演となる濱田について「共通の一般の友達がいて、前々から知っていたので、お会いできるのを楽しみにしていました」と喜びを露わにすると、濱田は「今日は緊張していて、野坂さんがおっしゃっていたようなキレキレな林さんじゃないんですけど、役というベールを被ったときの林さんの化け具合というのが楽しみです。僕の演じる松下が本当に憧れるようなキレキレの神津恭介を心待ちにしています」と期待を明かした。

野坂は、その濱田について「松下役としてオファーを受けてもらった時に勝ったと思いました。写真撮影の時も、前の仕事が押していてもつらそうな顔を全くしていなくて、写真を撮る瞬間にめちゃくちゃカワイイ笑顔になったんです。それで、『あの人にお願いして良かった』とスタッフたちが言っているのが聴こえてました」と裏話を披露。そして、「この2人が揃うのが楽しみで、タイプが全く違うんですけど、お互いホームズとワトソンみたいな感じで、すごく素敵だなと思います」と胸の内を明かした。

そして製作発表会では、八坂村の新興宗教の教祖・卜部舜斎を演じる片岡と、音楽を担当する村井のコメント動画も公開された。野坂が熱烈なオファーをしたという片岡と村井。片岡は、教祖の衣装について「素晴らしい衣装で、私のような高貴な人にしか合わない」と冗談を交えつつ、テレビドラマで長年刑事役を務めてきたこともあって、ミステリー作品に対して「推理をするというのは楽しいですね。刑事の目線でなってしまいます」と話しつつ、本作について「誰が犯人なのかそれを想像しながらご覧いただきたいと思います」と呼びかけた。

村井は「メインの探偵や、みんなが旧制高校の生徒とういう人たちで、僕はこの芝居の時代にすごく興味があります。とてもいい演劇になると思いますので、皆さん楽しみにしてください」とアピール。そして、スローで美しくミステリアスなメロディーを持った本作の楽曲の一部をピアノでお披露目した。

製作発表会の後半には、東京公演を上演する池袋を巡りながら物語を進めていく舞台オリジナルの体験型謎解きイベントが7月22日(土)から開催されることが発表された。その謎解きの内容紹介として、製作発表会向けにアレンジされた謎解きに登壇者たちが挑む一幕も披露。天才探偵役の林よりも先に、入山が華麗に謎を解いて会場を沸かせるなど大いに盛り上がった。

最後に、林が「みんな最初から仲がいいところがあるので、一丸となってより仲良くなれたらなと思っています。まだお会いしていない方もいらっしゃるので、その方たちとも、いろいろお話しして、カンパニー全体で仲良くなれたらと思います。2回目の主演で、でも1回目とは違う緊張感だったりプレッシャーだったり、後輩と先輩がいて、どの自分を見せたらいいかじゃないですけど、しっかりしなきゃいけないと思うので、みんなを引っ張っていけるようになりたいです」とコメントして会見を締めた。

神津恭介シリーズより『呪縛の家』は、8月26日(土)から9月3日(日)まで東京・サンシャイン劇場、9月16日(土)・9月17日(日)に福岡・キャナルシティ劇場、9月21日(木)から9月24日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

目次

神津恭介シリーズより『呪縛の家』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年8月26日(土)~9月3日(日) サンシャイン劇場
【福岡公演】2023年9月16日(土)・9月17日(日) キャナルシティ劇場
【大阪公演】2023年9月21日(木)~9月24日(日) サンケイホールブリーゼ

スタッフ・キャスト

【演出・構成】野坂実
【脚本】須貝英
【音楽】村井邦彦、上野耕路
【原作】高木彬光「呪縛の家」(光文社文庫)

【出演】
林 一敬(ジャニーズJr.)/濱田龍臣 手島麗央(ジャニーズJr.)/
入山杏奈 神志那結衣 関根優那 賀集利樹 福室莉音
岡田達也/内海光司/片岡鶴太郎(特別出演)
太田秀介 東井隆希

チケット

【チケット料金(全席指定・税込)】
S席:前売9,500円/当日10,000円
A席:前売8,500円/当日9,000円

<販売スケジュール>
【キャスト先行】6月26日(月)12:00~7月2日(日)23:59
【一般発売】7月22日(土)10:00~

あらすじ

大伯父の舜斎と三人の又従妹が奇怪な死を遂げる予感がする。できるなら神津さんと一緒に来て欲しい・・・。旧友の卜部鴻一からの手紙を受け、松下研三は八坂村を訪れる。 その旅の途中で怪しげな男と出会い、「今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし」という卜部家への予言を告げられる。
その夜、舜斎の孫娘のひとりが浴槽の中で死体となって見つかった。
この事件を発端に連続殺人の幕が開く。
はたして神津恭介はこの凶事の連鎖を止めることができるのか・・・。

舞台オリジナル謎解きイベント「華麗なる予告上の謎を解け~第二の神津恭介を探せ~」情報

開催期間

2023年7月22日(土)~9月3日(日)

開催場所

池袋サンシャイン通り周辺

謎解きキット配布場所

池袋wacca1F入り口、サンシャイン劇場、サンシャインシティ内、他予定

参加費

無料

公式サイト

【公式サイト】https://nosakalabo.jp/kamizu-01/
【公式Twitter】@kamizu_stage




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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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