上田竜也（KAT-TUN）が優しく寄り添う！舞台『After Life』開幕

2023年7月11日2024年7月26日

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2023年7月8日に東京・新国立劇場中劇で舞台『After Life』が開幕した。公演前日には公開ゲネプロ（1幕のみ）と囲み取材会が行われ、主演の上田竜也（KAT-TUN）、相島一之、高橋恵子、演出の河原雅彦が登壇し、初日に向け意気込みを語った。

本作は、是枝裕和監督の映画『ワンダフルライフ』（1998年カナダ、1999年日本）を翻案にジャック・ソーンが舞台化。2021年6月にロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターで初演も迎え話題を呼んだ。日本では演出を河原が担い、初上演となる。

主演には約2年ぶりの舞台出演となる上田が、ガイドの2番を演じる。他のガイド、５番を演じるは相島、1番役に野波麻帆。そのガイド達に生前の一番の思い出を話す死者たち、オバフェミ・テイラー役に味方良介、ヒロカズ・モチヅキ役に大鷹明良、そしてベアトリス・キリック役を高橋恵子が演じる。

舞台上には靴が散乱している。それを1足ずつ仕舞うのはガイドの2番（上田）と、まだ若く見習いの4番（大崎凛）。この靴は前日までに亡くなった人たちのものだ。舞台上の掃除が終え、死者たちを迎える準備が整う。月曜日。1週間が始まる。

死者たちは5人のガイドがいる空間に迎えられる。リーダー格の5番（相島）が、これから１週間で生前の大切な思い出を1つ選び、ガイドはその思い出を再現すると説明する。そして死者たちは、その選び出した思い出の中で永遠の時を過ごすのだという。

生前の大切な思い出を1つ選ぶために数日掛けてガイドが聞き取りを行い手助けしていく。しかし死者たちは年齢も経験も違うため、すぐに思い出の候補を選ぶことが出来る者も出来ない者もいる。

ベアトリス・キリック（高橋）は上品婦人で生前に飼っていた猫の面倒を心配している。昔の記憶が曖昧な部分があり、感情も急に起伏が激しくなってしまうところがある。オバフェミ・テイラー（味方）は奇抜な行動をし、1号（野波）を挑発したりする。

思い出が選べず悩むヒロカズ・モチヅキ（大鷹）を担当する2番は、手助けになればと彼の過去を調べる。調べるうちに、あることに気が付くのだが･･･。

ガイドたちは翻弄されながらも死者たちに寄り添い1週間を過ごす。果たして死者たちが選ぶ一番大切な思い出は、そして彼らの運命は･･･？

今回のゲネプロでは1幕のみの公開となったが、1シーンごとが丁寧に作られているのを感じた。舞台上に描かれる場面の構図や、その時の役者の表情の細かさなど場面毎に美しく物語が紡がれていった。

その丁寧さのためか、囲み取材会では翌日の初日の幕が開くかギリギリの進行状態なことが明かされた。元々の舞台はストレートプレイ中心で劇場も本作より小規模だった作品を、大きい劇場でエンタ―ティメント性が溢れた作品に変わっているという。特に2幕でエンタ―ティメント性が発揮されているそうなので期待が膨らむ。

進行は遅れているものの、役者の演技は稽古場でしっかり作り上げたため問題ないと河原は胸をはる。実際にキャスト同士の仲の良さは取材会で伝わってきた。高橋は上田が稽古場に裸足でいることを「危険だからやめなさい」と母親のように注意したり、キャスト全員での決起会で心が一つになったりなどエピソードが披露された。

また本作では柔和な表情の上田が印象的だ。本人曰く、実際の自分とは真逆な役どころで、稽古の序盤からアプローチ方法を周囲と相談したそうだ。河原は「稽古序盤では苦しんでいたが、すぐに2番をつかんでいった」と褒め、高橋も「今は問題なく克服しています！」と太鼓判をおした。