前川知大の新作『無駄な抵抗』池谷のぶえ、渡邊圭祐、松雪泰子らで上演

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前川知大の新作『無駄な抵抗』池谷のぶえ、渡邊圭祐、松雪泰子らで上演

前川知大と世田谷パブリックシアターがタッグを組む、4年ぶりの新作公演のタイトルが『無駄な抵抗』に決定。出演キャストも一挙公開された。

劇団イキウメの前川と世田谷パブリックシアターのタッグは今回で5作目。古代ギリシャの叙事詩、ホメロスの「オデュッセイア」を原典とした2019年の『終わりのない』に続き、今回前川が選んだテーマは、ホメロスの後に登場した古代ギリシャ劇。ソポクレスの「オイディプス王」に代表されるように、ギリシャ悲劇の大テーマである「運命」を扱う。

今作では、オイディプス王のように、神々と別れ、世界という巨大な力「運命」に抗おうと、自らの意志を信じて生き始めた人たちを描いていく。

出演にはイキウメ公演ほか数々の前川作品に出演している池谷のぶえ、2018年『ゲゲゲの先生へ』以来 5年ぶりの前川作品出演となる松雪泰子、イキウメ公演のほか『終わりのない』から続けての出演となる清水葉月。また今回が前川作品初出演となる渡邊圭祐、穂志もえか。

そして、非現実的な世界もリアリティ溢れる演技で体現し、前川作品には欠かせない劇団「イキウメ」の俳優、安井順平、浜田信也、盛隆二、森下創、大窪人衛が脇を固める。

タイトルとキャスト公開に伴い、作・演出の前川、出演の池谷、渡邊、松雪よりコメントが届いている。

『無駄な抵抗』は2023年11月に東京・世田谷パブリックシアターにて、12月に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演される。公演スケジュール、チケット情報は後日発表予定。

目次

コメント紹介

前川知大(作・演出)

世田谷パブリックシアターとの創作では、劇団でのオリジナル作品とは少し違う地点から作品を立ち上げることができるのが魅力と思っています。今回は前回『終わりのない』から続き、ギリシャがスタート地点にあり、ギリシャ劇の大テーマである「運命」を描きます。

舞台は現代で、私たちの日常から始まります。例えばそれは、人生を大きく左右する選択であったり、自分ではどうにもならないことにどう対処するのか、といった誰もが人生で経験することに自由意志と運命が、どう拮抗するのか、そういうところに迫っていけたらと思っています。

池谷のぶえ

運命について——私にとって運命は、なるべく身を委ねる方を選択してきた。しかしその解釈も、「運命」という、いったい何に操られているかわからないもののせいにしてしまった方が楽だと感じているからかもしれない。別の運命の可能性のことを考えてしまうことも、既に運命の中に組み込まれてるとしたら、そのことを考えている時間が悔しい…と、考えてしまう時間すら運命だと言われるのでしょうから。

信頼できる座組の皆さんと、なんだかとても太刀打ちできない巨大なものに挑もうとしている、静かな唸りを感じます。どんな運命になるのか、してやろうか、それこそが無駄な抵抗なのか…楽しみです。

渡邊圭祐

前川知大さんの作品に参加できるという喜びと世田谷パブリックシアターの舞台に再び立てることを嬉しく思います。運命について、現在と自由、あらゆる可能性、すべてはこうなる、この言葉だけで心が踊らされてしまっています。

どのような作品を作り上げていけるのか、私自身今からワクワクしております。観に来ていただいた方と思いを共有できるよう、時間をかけて磨きたいと思います。

松雪泰子

前川さんの元、新たな創作に関われる事に喜びを感じております。これから立ち上がる世界を丁寧に積み上げていきたいと思います。無駄な抵抗…どんな世界になるのか楽しみながら、創作していきたいと思います。

前川知大の新作『無駄な抵抗』池谷のぶえ、渡邊圭祐、松雪泰子らで上演

『無駄な抵抗』公演情報

上演スケジュール

2023年11月 世田谷パブリックシアター
2023年12月 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

キャスト・スタッフ

池谷のぶえ 渡邊圭祐 安井順平 浜田信也
穂志もえか 清水葉月 盛隆二 森下創 大窪人衛
松雪泰子

【作・演出】 前川知大

作品概要

運命について。
未来は可能性にあふれ、たくさんの選択肢があるように見える。
でも人生を振り返ってみると、曲がりくねった一本の道が続いているだけ。
怒涛の“現在”が可能性をなぎ倒し、固めた、動かしようのない一本道。
もしもなんて無い。考えるだけ時間の無駄。
“現在”に背中を押され前を向く。
選ぶことに正解も間違いもない。全ては決まっているのかもしれない。
無駄な抵抗。“私”に自由はないのでしょうか。

ギリシャ悲劇「オイディプス王」では、
不吉な予言から逃れようと行動したオイディプスが、それゆえに予言を成就させていく。
気付いた時には手遅れ。全てはこうなる運命だった。
オイディプスに自由はあったのだろうか。

運命と感じるのはいつも全てが終わった後で、私には知らない自由もあったのだ。

全てはこうなる。

前川知大の新作『無駄な抵抗』池谷のぶえ、渡邊圭祐、松雪泰子らで上演

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