舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- 菊池修司インタビュー!「+αを持って踏み出す一歩」

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2023年3月10日(金)より上演される舞台『ヴァニタスの手記』-Encore-。本作は、2022年1月に上演を予定していたものの、コロナ禍の影響で代役を立て1ステージのみの上演にとどまっていた公演の再演となっている。

新型コロナウイルス感染で1年前の公演に出演することが叶わなかったノエ役の菊池修司。再演の決定時に寄せられたコメントで、「時が止まっていた」と言っていた菊池は、どんな想いで本作と向き合ってきたのか。話を聞いた。

\DMM TVでライブ・アーカイブ配信あり!/

3/12 17:00千秋楽公演:視聴ページ

詳細>>https://tv.dmm.com/vod/?id=stage&season=5559anip00114

舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- 菊池修司インタビュー!「+αを持って踏み出す一歩」

――舞台「ヴァニタスの手記」、菊池さんは一番悔しい想いをされたのではないかと思っているのですが・・・。

そうですね。悔しい想いでいっぱいでしたし・・・簡単な言葉で表現するなら「複雑」でした。現場は進んでいるのに、自分はそこに加われないもどかしさは、今でもすごく鮮明に覚えています。

代役を立てて1公演だけやることになりましたが、ノエは主人公だから出ずっぱりですし、果たしてできるのだろうか・・・とか、自分たちが届けたかった作品にこの短時間で辿り着けるのか・・・とか、思うことはいろいろあって、正直、心の整理はつかなかったです。

でも、公演を楽しみにしてくださってるお客様もいますし、何よりノエ以外にも個性豊かなキャラクターたちがいますので、それを演じている皆さんを見せられる機会があるのであれば、それは一つの答えであり、正しい道なんだと、自分の中で噛み砕いた感じでした。

――再演の発表と共に寄せられた菊池さんのコメントに「時が止まっていた」と書かれていたのがとても印象的でした。

リトライの機会をいただけたことは、シンプルに嬉しかったです。「舞台に立ちたかった」という気持ちはずっと持っていたので、一部変更になったキャストさんはいらっしゃいますが、1年前にご一緒した方々と舞台に立てることに、とても救われました。

そして、1年前はできたのが1ステージだけだったので、観ることが叶わなかったお客様もたくさんいらっしゃったと思うんです。そういう方々にも、この作品を改めて届けられことが嬉しく、ワクワクしながら本番に臨みたいと思っています。

――ヴァニタス役の植田圭輔さんとは、どんなお話をされていましたか?

圭輔さんは、出れなくなってしまった当時も連絡をくださいましたし、その後に舞台『舞台『東京リベンジャーズ ―血のハロウィン編―』で共演した時にも直接お話していました。圭輔さんだけでなく、演出の山崎彬さんや、ほかのキャストさんからも連絡をいただいて、カンパニーの皆さんの存在に救われました。

――代役として舞台に立たれた高本学さんとは、お話されましたか?

当時は自分自身もいっぱいいっぱいだったので、彼にすぐいい言葉をかけられなかったので、終わってから連絡を取りました。「本当にありがとう」って。普通、こんな短期間での代役オファーなんて、役者としては引き受けられないお話だったと思うんです。周りは完成している中で、2~3日で作ってくださいという話ですから・・・。そんな中、きっちり務め上げてくれたので、その感謝はしっかり伝えました。

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――降板してしまったという無念もあったとは思うんですが、もともと菊池さんは本作に強い思い入れを持ってらっしゃるなと感じていました。

確かに、そうですね。不思議なもので、どの作品もすごく思い入れはあるんです。その上で、降板してしまったからというだけではない思い入れが、この『ヴァニタスの手記』には確かにあります。というのも、この作品はすごくメッセージ性が強くて。ノエとヴァニタスのやり取りがすごく心に沁みて、現実的にもマッチするものがたくさんあるんです。そして、ノエは作品の核となる役だったので、そういう意味でも自分の中で重みをしっかりと感じる作品になっていました。

――今、改めてノエというキャラクターについて、どのように捉えていらっしゃいますか?

ノエって、刺さる言葉を言うんですよね。その、真っ直ぐに思ったことを伝える強さって、心の底から思っているからこそ出てくるもので、言葉に乗った想いの強さは相手に対しての原動力になると思うんです。それが、素敵だなと思う一番のポイントです。そして、ノエとヴァニタスは、お互いにないものを補い合っているような感覚があるので、一人では紡げない物語になっているのが、すごく魅力的だと感じています。

――1年前を含めて、お稽古でも手応えを感じていらっしゃるのでは。

手応えというか、今回のアンコール公演につながる強さは、1年前からしっかり積み上げてきましたね。演出も素敵ですし、アニメでも難しい表現がたくさんありましたが、それも舞台の良さとして表現できているので、観ていてワクワクする作品になっていると思います。

あとはもう、シンプルに信頼のおけるキャスト陣が素敵です!アンコールに向けて、原作やアニメを振り返って観たんですけど、みんな本当に特徴を捉えていて、皆さん本当にプロだな・・・と思いました。改めて、自信を持ってお届けできる作品だと、稽古段階から確信しています。

舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- 菊池修司インタビュー!「+αを持って踏み出す一歩」

――いろいろなところで、W主演の相手である植田さんへのリスペクトをすごく感じるんですが、菊池さんから見て植田さんはどういう先輩ですか?

圭輔さんって、いつもいろんな作品を掛け持ちしてらっしゃるじゃないですか。この舞台「ヴァニタスの手記」も、前回も今回もすごくタイトな時間の中で稽古をされていて、僕、すごくびっくりして。でも、稽古に入れば誰よりも台詞は入っていて・・・みたいな。

僕も、結構準備をするタイプなんですけど、圭輔さんの周到な準備具合を見ると、自分はまだまだだなって実感するんです。ストイックなのに、それを何食わぬ顔でやっていて、役者としての鏡だなと思います。一緒にお芝居をしていても、本当に楽しいんですよ。

――共演は、この舞台「ヴァニタスの手記」が初めてでしたよね。

そうですね。イベントみたいなところでお会いしたことはあったんですが、台詞を交わして絡むのは初めてでした。だから、本当に舞台「ヴァニタスの手記」で向き合えるのが楽しみで。

――では、演出の山崎さんはどんな演出家さんですか?

僕、2.5次元舞台ってバランスが大事だと常々思っているんですが、山崎さんはそのバランスの取り方がすごく上手な方だなと思っています。僕らに委ねる部分は委ねて、山崎さんが「こうしてほしい」と思うポイントはきっちり押さえてくれる。お互いを尊重し、ちょうどいいところで役が成立する感じがして、すごくやりやすかったです。お芝居をしていてもすごく楽しかったです。

――1年経って、同じ作品に触れてみて何か変化などはありましたか?

う~ん、どうなんでしょう・・・、他のキャストの皆さんはもしかしたら違うものがあるのかもしれないですが、僕の場合は場当たりまで終わったところで時が止まっていたので、タイトルはアンコールですけど、僕の中では初演の気持ちです。

でも、いつもは一重で終えるものが、二重にできたというところでやっぱり深みは出てくるんだと思います。僕自身は1年という時間を生きてきましたから、改めて台本を読んで向き合う中で、見え方や捉え方が変わっているところはもちろんあるでしょうし。実際に、去年の稽古動画を観た時も「もっとああしたら」「こうしてみたい」と思うことはたくさんありました。届けたかったものはベースにある状態で、+αを皆さんのおかげで届けるチャンスをいただけたので、より深みを増した舞台「ヴァニタスの手記」を観ていただけたらと思います。

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――この1年は、菊池さんにとってすごく大きな1年だったんですね。

そうですね。いろいろ考えましたし、すごく思い悩んだ1年でした。コロナ禍で、舞台というもの、役者という職業に対しての意識が180度変わるぐらい、思うこともいっぱい出てきましたし・・・。

包み隠さず言うと、ちょっと怖くなったんですよ。本当に紙一重の世界にいることを肌で感じて、次の現場に入る時も「何かあったらもう終わってしまうんじゃないか」「1個失敗したら終わってしまうんじゃないか」って、思うこともあって。ある意味、より緊張感を持って臨むようになったとも言えるんですが、仕事に対する自分の姿勢はだいぶ変わった気がします。

これ、舞台「ヴァニタスの手記」のアンコールがない状態だったら、多分、ここまで前向きにしゃべれていないと思うんですよ(笑)。「またやれる」という未来があったからこそ、この1年をプラスに捉えることができたというか。自分の中ですごく変わってしまったものはあるけれど、なんとか前向きに戻せたんだと思います。だから、今度こそ届けたかったものを届けて、前に進む。止まってしまった時間から1歩を踏み出したいという気持ちがすごくあります。

――そんな1年分の想いを込めて、舞台に立たれる姿を楽しみにしております。

いろいろありましたけど、『ヴァニタスの手記』は本当に素敵な作品です。あの世界観と、ノエとヴァニタスたちの絡みから生まれる刺さる言葉を、お客さまに楽しんでいただきたいです。念願の、届けたかったものを胸に、自信を持って舞台に立ちますので、楽しみに劇場に来ていただけたらと思っております。

\DMM TVでライブ・アーカイブ配信あり!/

3/12 17:00千秋楽公演:視聴ページ

詳細>>https://tv.dmm.com/vod/?id=stage&season=5559anip00114

目次

舞台『ヴァニタスの手記』

上演スケジュール

2023年3月10日(金)~3月12日(日) サンシャイン劇場

スタッフ・キャスト

【原作】望月淳「ヴァニタスの手記」/「ヴァニタスの手記」製作委員会

【脚本・演出】山崎彬
【出演】
ヴァニタス:植田圭輔
ノエ:菊池修司
ジャンヌ:七木奏音
ドミニク:澤田美紀
ルカ:前田武蔵
ルイ:矢代卓也
オルロック:中村哲人
Dr.モロー:鈴木理学
ルスヴン:鷲尾昇
ローラン:丘山晴己

<サブキャスト>
先生、ほか:浅野康之
ノックス、ほか:香月ハル
マーネ、ほか:酒井翔悟
アメリア、ほか:渡辺菜花
ベロニカ、ほか:下村 彩
カトリーヌ、ほか:野島怜衣珠
マリア、ほか:黒須杏樹
ジョルジュ、ほか:海本博章
蜘蛛の仮面の男、ほか:佐松翔

公式サイト

【公式サイト】https://vanitas-stage.com/
【公式Twitter】@vanitas_stage

(C) 望月淳/SQUARE ENIX・「ヴァニタスの手記」製作委員会
(C) 舞台「ヴァニタスの手記」製作委員会 舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- 菊池修司インタビュー!「+αを持って踏み出す一歩」




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