明治座×東宝×ヴィレッヂの“三銃士企画”第2弾公演の詳細が発表された。今回は、主演に中川大志、作・演出に倉持裕を迎え、“昭和歌謡版リチャード三世”をテーマに『歌妖曲~中川大志之丞変化~』を上演する。
明治座、東宝、ヴィレッヂという、それぞれ歴史もカラーも異なる3社から、同じ年齢の男性プロデューサー3名が集まり、立ち上げた<三銃士>企画。2020年12月には、アクシデント、コロナ禍という逆境をカンパニー一丸となってはねのけ、漫画家・岡野玲子による『両国花錦闘士』を上演した。
2年ぶりとなる第2弾は『リチャード三世』×昭和の歌謡界を掲げ、音楽あり、笑いあり、お涙頂戴、勧善懲悪のスペクタクル感とケレン味満載の作品を作り上げる。なお、倉持は今作で初めてシェイクスピア作品に挑む。
また、主演の中川は今作が本格的な舞台初挑戦。醜い風貌と不遇な宿命を背負い、大衆芸能・歌謡界で悪逆の限りを尽くす主人公「鳴尾定」が、美貌の歌手「桜木輝彦」となり歌謡界を席巻するも、破滅の道へ突き進む、昭和歌謡版リチャード三世に扮する。
タイトル名前が入っているとおり、本作は中川へ当て書きされた作品。バラエティ番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』で中川を知り尽くした倉持、そして三銃士の「“三銃士企画”の趣旨であるスペクタクルやケレン味にハマる俳優として、これまでに見たことのないスーパーキャラクターを演じられると確信している」という期待を背負い、中川は大舞台に立つ。
共演者には、鳴尾家に怨恨を抱くレコード会社の女社長・蘭丸杏役に松井玲奈、鳴尾家の長男で期待の新人歌手・鳴尾利生役に福本雄樹、裏社会でのし上がるために後に定と手を組むこととなるチンピラ・徳田誠二役に浅利陽介、鳴尾家の愛娘でスター街道を邁進中の一条あやめ役に中村中、『鳴尾プロダクション』を文字通り裏から支える『薮内組』三代目組長・大松盛男役に山内圭哉、元映画スターで『鳴尾プロダクション』社長・鳴尾勲役に池田成志。
さらに福田転球、玉置孝匡、徳永ゆうき、中屋柚香、長田奈麻、香月彩里、四宮吏桜と手練れの俳優たちが集結し、初座長の中川を支える。
『歌妖曲~中川大志之丞変化~』は、11月6日(日)から11月30日(水)まで東京・明治座、12月8日(木)から12月12日(月)まで福岡・キャナルシティ劇場、12月17日(土)から12月25日(日)まで大阪・新歌舞伎座にて上演される。
コメント紹介
◆倉持裕(作・演出)
今回、作・演出の依頼をいただき、明治座という歴史ある劇場で、歌と踊りと芝居のエンターテインメントを作る、という機会は、めったにあることではないと思い、快諾しました。
『リチャード三世』がモデルの、復讐を目的とした主人公を、どう魅力的に描くかについては苦労しましたが、悩みつつも能動的で、格好いいキャラクターになったと思います。主人公を演じる中川大志くんとはNHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』で知り合ったこともあり、彼には、格好良さに加えて、あの喜劇性にも期待しています。それから、歌声にも実に色気がある。美しさと醜さの二役を、どう演じ分けてくれるかも楽しみです。
それぞれ一癖ある登場人物たちによる群像劇と、昭和の歌番組や歌謡映画のムード漂う歌唱シーンを掛け合わせ、盛り上げたいと目論んでいます。中川くんはじめ、俳優たちのケレン味、シリアスとユーモアの入り混じったドラマ、昭和歌謡をモチーフにした楽曲の数々を、どうぞご堪能ください。
◆中川大志(主演)
本格的な舞台に立たせていただくのは初めてなので、新たな挑戦の場をいただけて本当に嬉しいです。音楽劇ということで、お芝居をして歌を歌う、というのは、自分にとっては未知の世界なので、わからないことばかりだと思います。いろいろ挑戦して、いろいろ失敗して、恰好つけずに立ち向かってたくさんのことを体感していきたいです。この作品を通して、鳴尾定、桜木輝彦という男に負けないように、今までに経験したことのないゾーンまで飛び込んでいきたいと思います!
今回の出演は《三銃士》の皆さんとコミュニケーションを取りながら導いていただけたことで実現しました。不安もありますが、それがどのように爆発させられるか自分にも期待したいです。
今まで見たことのない僕をみせられるように、一生懸命がんばりますので、どうか皆様楽しみにしていてください!
『歌妖曲~中川大志之丞変化~』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2022年11月6日(日)~11月30日(水) 明治座
<チケット発売日>2022年9月25日(日)10:00~
【福岡公演】2022年12月8日(木)~12月12日(月) キャナルシティ劇場
【大阪公演】2022年12月17日(土)~12月25日(日) 新歌舞伎座
スタッフ・キャスト
【作・演出】倉持裕
【出演】
中川大志/
松井玲奈 福本雄樹 / 浅利陽介 中村中/
福田転球 玉置孝匡 徳永ゆうき 中屋柚香 長田奈麻 香月彩里 四宮吏桜/
山内圭哉/池田成志
岩﨑巧馬 遠藤令 金子大介 熊澤沙穂 鈴木サアヤ 鈴木智久 高澤礁太 藤森蓮華 村田実紗 南誉士広
あらすじ
昭和30年代の歌謡界に彗星のごとく登場し、瞬く間にスターダムに駆け上がった桜木輝彦。
そのベールに包まれた経歴の裏側には、戦後の芸能界に君臨する「鳴尾一族」の存在があった。
元映画スターの鳴尾勲が手掛ける、愛娘の一条あやめと愛息の鳴尾利生は、スター街道を邁進中。
フィクサー・大松盛男が控え、今や世間からは、大手芸能プロダクションと謳われていた。
だが、そんな鳴尾一族にあって、存在を闇に葬られた末っ子がいた。
ねじ曲がった四肢と醜く引きつった顔を持つ、鳴尾定。
一族の汚れとして影の中で生き長らえてきた定は、闇医者の施術により絶世の美男子・桜木輝彦に変身を遂げ、裏社会でのし上がろうとするチンピラ・徳田誠二と手を組み、同じく鳴尾家に怨恨を抱くレコード会社の女社長・蘭丸杏と政略結婚し、自身の一族に対する愛の報復を始める。
その血に・・・運命に・・・復讐を遂げるべく、
桜木輝彦による唄と殺しの華麗なるショーが幕を開ける――。