『新・熱海殺人事件』ラストスプリング開幕！味方良介、新内眞衣らの燃える4日間

2022年4月1日2024年7月26日

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2022年3月31日（木）に東京・紀伊國屋ホールにて『新・熱海殺人事件』ラストスプリングが開幕。初日前には一部シーンの公開が行われ、舞台挨拶には味方良介、新内眞衣、高橋龍輝、一色洋平が登壇した。

『熱海殺人事件』は、1973年につかこうへいが発表して以降、岸田戯曲賞を受賞し、紀伊國屋ホールを拠点に上演され続けている作品。つかこうへい十三回忌を迎える今年は、『新・熱海殺人事件』ラストスプリングと題して上演される。

一部シーン公開では、冒頭から30分程度のシーンが披露された。2017年から2021年の4シーズンで木村伝兵衛部長刑事役を演じ、つかこうへい作品のニューリーダーとしても注目されている味方のエネルギッシュな演技が光る。ヒロイン・水野朋子役の新内の緩急のある演技も新鮮に映った。また、熊田留吉刑事役の高橋は熱い想いをそのままぶつけるかのような迫力ある演技で魅了した。

犯人・大山金太郎役の一色は、客席からの登場で会場を沸かせる。コロナ禍で多くの作品で客席を使った演出が中止となっていたが、ここにきて少しずつ状況が変わっていることを感じられた（もちろん、まだまだ条件付きではあるけれども･･･）。

舞台挨拶で、味方は「意気込みは、今見ていただいた通りです。がんばります」と簡潔に想いを述べ、自身が演じる木村伝兵衛役について「演じるのは5回目ですが、毎回、僕以外のメンバーが変わっています。そうすると感覚も変わるんです。木村伝兵衛は、まさにみんなに支えられ、持ち上げられて生きていける存在なんだと感じています。僕一人だけの力では絶対にできないですし、これに携わってくださる全ての人がいて、この作品が続いているのを感じます」と語った。

また、つかこうへいの十三回忌公演で主演を務める心境を「僕はつかこうへいさんにお会いしたことがないので、その悔しさを毎回感じていますが、その悔しさをバネにして『ここで僕たちはやっています』ということを（つかに）届けられたらと思います」と話した。

新内は乃木坂46を卒業後、本作が初の舞台出演となる。その想いを聞かれると「（本作は）グループに在籍していた時ラストに出演した作品でもありましたし、グループを卒業した後初めての舞台にもなるので、私にとって思い入れのある作品になる予定です」と笑顔を見せ、「乃木坂46を卒業して、これから一人になるということはすごく大変だと思いますし、色々と皆さんのお力を借りないといけないこともあるとは思いますが、精一杯がんばります」と力を込めた。

一方、高橋は「何度も『熱海殺人事件』をこの紀伊國屋ホールで観て、いつか出たいと思っていたので、今回、出演することができて本当に嬉しく思っています」と感無量の様子。そして「色々な人に熱い想いや生きる素晴らしさを届けられたらと思っています」と意気込んだ。

一色は「短い期間の、限定的な『熱海殺人事件』ですが『幻の熱海』と言われるように若手で、新しい『熱海殺人事件』を作りたいと思います。頑張ります」とコメントし、「新しい紀伊國屋ホールでこの不朽の名作を演じることができ、その仲間入りをさせていただけるというのは本当に嬉しいところです。４日間ですが、よろしくお願いします」と改めて想いを語った。

「『熱海殺人事件』といえば紀伊國屋ホール」というほど、同所での上演が定着していた本作。2021年の紀伊國屋ホールの改修工事後の“新生”紀伊國屋ホールの印象を聞かれると、味方は「改修を終えた舞台に立つのは初めてですが、当時と全く変わっています」とボケる。味方がさらに「ここから観える景色も違いますし、裏の楽屋も全然違うし、新しくなったことを感じます」と言葉を重ねると、新内が「私は改修前に一度出させていただきました。その時には（客席の）壁の模様も変わってしまうのかなと思っていたのですが、何ひとつ変わっていない感じです。見覚えのある風景を見ながらやらせてもらえるなと思っています」ときっちりフォローし、物語さながらのやり取りで会場を盛り上げていた。