結成から35周年を迎えたTHE CONVOY SHOW。これを記念した公演、vol.41『コンボ・イ・ランド』が2021年12月10日(金)に東京・こくみん共済coopホール(全労済ホール)/スペースゼロにて開幕した。「走り出したらとまらない」男たちの、“いままで”と“これから”が詰まった、アニバーサリー公演の模様をレポートする。
THE CONVOY SHOWは、「全員が主役で、全員が脇役」として1986年より活動しているスーパーエンタテインメントバラエティパフォーマンス集団。2017年からは若手キャストを加え、世代を超えたチームとなり走り続けてきた。2020年には、若手キャスト中心の新しいコンボイと、オリジナルキャストによるコンボイと、2つのステージを展開するなど、新たな創造への挑戦を続けている。今回の『コンボ・イ・ランド』は、35周年記念にあたり、過去に上演した作品から少しずつ要素を抽出し、総勢14名で新作公演として練り上げた。
物語は、過去の公演を見た方には、見覚えのある倉庫から始まる。「みんな生きてたんだ!」「緊急事態宣言が明けたら、倉庫に集合だもんな」と、新作のために5人の男たちが次々に集まってくる。知らない人が見たらガラクタの山だが、彼らにとっては宝の山。何気ない会話から、35年という間、積み上げた記憶が動き出していく。
過去に行った公演から、印象的な部分を抜粋したオムニバス的な内容で、コンボイならではの圧倒的なダンスパフォーマンスに攻めた笑いをまぶしながら、コロナ禍に起きた出演者たちの個人的な話が出てきたり、今なお世界中で人々の生活を脅かしている新型コロナウイルス感染症にズバリ触れたりもする。新旧楽曲の歌唱もあり、THE CONVOY SHOWの必須のパフォーマンスから、さらなる挑戦に満ちたパフォーマンスまで、主宰の今村ねずみを中心に、ベテラン勢いと若手が、まさに一丸となって躍動する。
開幕前、彼らはこんなコメントを寄せていた。
「今の心境を言葉にするのは大変難しいけれど、
お笑い芸人さんが言う『時を戻そう』が今回の『コンボ・イ・ランド』のテーマなのかも知れない。
この優しく響くフレーズを聞いて、昔を思わない人間はいない。
コンボイショウ、始まりは海の向こうの真似事に過ぎなかったが、
それでも、いかなる真似事でもやり続けていれば必ず本物になると信じてきた。
今までコンボイショウとして世に出してきた作品群が、
きっと数珠繋ぎになって皆様の前に現れることでしょう。
長く応援してくれた方には沢山の思い出を。
また初めてご覧になる方には、初めての思い出を」
コロナ禍で遠ざけられてしまった、演劇と私たちの時間の空白を悲観するのではなく、慈しむ。きっとこの公演は、彼らが走り続けるために必要な公演で、きっとそれは伴奏するファンにとっても同じ意義を持つだろう。35年という時間を歩んできた男たちが、すべてをエンターテインメントの糧にしする決意と想いが劇場いっぱいに詰まっていた。
35th Anniversary THE CONVOY SHOW vol.41『コンボ・イ・ランド』は、12月18日(土)まで東京・こくみん共済coopホール(全労済ホール)/スペースゼロにて上演後、12月30日(木)・12月31日(金)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。上演時間は約2時間40分(休憩なし)を予定。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
35th Anniversary THE CONVOY SHOW vol.41『コンボ・イ・ランド』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2021年12月10日(金)~12月18日(土) こくみん共済coopホール(全労済ホール)/スペースゼロ
【大阪公演】2021年12月30日(木)・12月31日(金) 森ノ宮ピロティホール
【出演】
瀬下尚人
石坂勇
舘形比呂一
トクナガクニハル
本田礼生
伊藤壮太郎
佐久間雄生
加藤良輔
後藤健流
バーンズ勇気
帯金遼太
古賀雄大
山野光
今村ねずみ
【作・講成・演出】今村ねずみ
【振付】福井亜紀、黒須洋壬、原田薫、當間里美、後藤健流/舘形比呂一
【TAP振付】浦上雄次、後藤健流/瀬下尚人
【公式サイト】http://theconvoyshow-convoyland.com/
【公式twitter】@tcs_stagestaff