ミュージカル『魔女の宅急便』レポート「13歳らしく元気いっぱいに」山戸穂乃葉&深田竜生が爽やかに伸びやかに魅せる

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ミュージカル『魔女の宅急便』レポート「13歳らしく元気いっぱいに」山戸穂乃葉&深田竜生が爽やかに伸びやかに魅せる

ミュージカル『魔女の宅急便』が2024年3月8日(金)に、東京・日本青年館ホールにて開幕した。ミュージカル初挑戦となる山戸穂乃葉を新たに主人公・キキ役に迎え、2021年以来3年ぶりに新米魔女・キキの物語が繰り広げられる。

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目次

ミュージカル『魔女の宅急便』とは?

スタジオジブリの名作として時代も海も越えて愛されている『魔女の宅急便』。原作は児童文学作家・角野栄子による児童文学で、角野は本作においても監修を務めている。1人立ちのために親元を離れて見知らぬ街で暮らすことになる13歳の新米魔女・キキの青春と成長の物語だ。

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過去に何度も舞台化されており、演劇としても多くのファンに愛されてきた本作。2017年以降の新作ミュージカルでは、上白石萌歌・福本莉子・井上音生といった次世代を担う実力派俳優が代々キキ役を演じている。

今回新たにキキを演じるのは、第9回「東宝シンデレラ」オーディションでミュージカル賞を受賞した山戸穂乃葉。空を飛びたい少年・トンボ役を演じるのは、山戸と同じく本作初出演となる深田竜生(少年忍者)だ。そんなフレッシュな2人を、生田智子や横山だいすけら、2021年版に出演した面々が支える。

新たなキキとトンボを迎えてのミュージカル『魔女の宅急便』は、3月8日(金)から3月17日(日)まで東京・日本青年館ホール、3月21日(木)から3月25日(月)まで大阪・新歌舞伎座にて上演。上演時間は2時間30分(休憩あり)を予定。

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取材会レポート:

ゲネプロ前の取材会には、キキ役の山戸穂乃葉、トンボ役の深田竜生(少年忍者)のほか、キキの母・コキリ役の生田智子、父・オキノ役の横山だいすけ、キキが居候するパン屋のおソノ役の白羽ゆり、店主・フクオ役の藤原一裕(ライセンス)が登壇。

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主演に決まった当初は不安が大きかったという山戸だが「いつも直前まで緊張しないです」と、初主演ながらはやくも大物感漂うピュアな笑顔で会見の雰囲気を和ませる。柔らかな表情からは、この1ヶ月の間に積み重ねたであろう充実した稽古の様子が窺えた。

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同じく外部ミュージカル作品は初出演という深田も、当初は相当不安を感じていたそう。「明日からの本番は超楽しもう、トンボとともに生きようという気持ちです!」と意気込みとともに弾けるような笑顔を見せる。

そんな2人をまさに親のような視線で優しく見守るのは、今回が4度目の出演となる白羽ら大人組の4人だ。おソノ役を演じる白羽ゆりは「永遠のおソノさんになったような気持ち」と、歴代のキキたちを見守ってきた心境を語り、今作のキキを演じる山戸は「(成長していく姿が)原作に1番近いキキちゃんじゃないかな」とその印象を言葉にした。一方で深田に対しては「最初すごく器用だなって思っていたんですが、本当にずっと練習しているんですよ。そのギャップがかわいらしくてすごくいいと思いました」と舞台裏を暴露。すると主催側からも「深田さんは最後の最後まで残って自主練されていましたね」とこぼれ話が。「もっともっとうまくなりたい、それだけです」と、深田は照れくさそうに笑みを浮かべた。

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自身も娘を持つオキノ役の横山だいすけは、キキの成長はもちろん「それぞれのキャラクターの成長を見守りつつ、僕自身も物語の中に生きているということを実感しながら、明日からも物語の中に生き続けたい」と意気込みを語る。キキの母・コキリ役の生田智子も、「1ヶ月でこんなに変わるんだとびっくり」と、“愛娘”の成長に太鼓判を押していた。

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パン屋の主人・フクオ役を演じる藤原一裕(ライセンス)は、「すべてを集約しています」という唯一の台詞=咳払いに全力投球の姿勢を見せ、笑いを誘う。セリフは多くはないが、キキを優しく見守る雄弁な眼差しに注目してみてはどうだろうか。

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最後に観客へのメッセージを代表としてコメントすることになった山戸は、「約2時間半というすごい短い時間ですが、キキやトンボの大きく成長する姿をお届けしたいと思っているので、2人のキュンキュンするシーンも含め楽しみにしていてください」と満点の笑顔で取材会を締めくくった。

ゲネプロレポート

心に温かく魔法が灯り、なんて優しい世界なんだろうと思わず笑顔がこぼれる約2時間30分。会見で「13歳らしく元気いっぱいに」キキを演じたいと語っていた山戸は、想像以上に13歳という子どもでも大人でもない難しい年頃を生きるキキのあどけなさをうまく表現していた。未完成な少女が自分にできることを模索しながら懸命に前を向く姿は、本作が初出演&初ミュージカル出演という発展途上にいる山戸自身と重なり、これ以上ないというほど“成長”の意味を感じさせてくれた。

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序盤は丁寧に、キキという少女が故郷の村で、どれだけ両親に愛され、村人に大切にされて育ってきたのかが描かれる。それだけに、キキが降りたつ街・コリコの都会的なあり方が浮き彫りとなる。序盤ですっかりキキを見守る姿勢に入った観客は、そこからのキキの一挙手一投足にハラハラしたりワクワクしたり。一緒に初めての旅に出ているような気分を味わえる。

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キキはコリコで、空に憧れる青年トンボと出会う。都会的な軽やかな雰囲気をまといながらも、自分の好きなことはとことん貫く。深田の演じるトンボは、そんな剛柔持ち合わせた人物に仕上がっていた。憧れの空へと何度も手をのばす姿が印象的で、その姿もまた前進して上昇し続ける深田の姿と重なる。

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改めて、このミュージカル『魔女の宅急便』という作品が、若き芽を育む母なる大地のように豊かで優しい作品なのだと思い知る。キキの母・コキリは、誰の心にも魔法はあると幼いキキに語って聞かせていた。大人になればなるほど、なんとなく目を背けてしまいたくなる自分と向き合うことの先に、きっとあなただけの魔法があるはず。目に映るステージ上の光景は、そんな“メッセージ”を届けてくれることだろう。

(取材・文・撮影/双海しお)

ミュージカル『魔女の宅急便』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2024年3月8日(金)~3月17日(日) 日本青年館ホール
【大阪公演】2024年3月21日(木)~3月25日(月) 新歌舞伎座

【チケット一般販売】2024年2月3日(土)10:00~

スタッフ・キャスト

【原作・監修】角野栄子「魔女の宅急便」福音館書店刊
【脚本・演出・振付】岸本功喜
【作曲・音楽監督】小島良太

【出演】
キキ(コリコの街にやってきた13歳の魔女):山戸穂乃葉
トンボ(コリコの街に住む少年):深田竜生
コキリ(キキのお母さん):生田智子
オキノ(キキのお父さん):横山だいすけ
フクオ(おソノさんの旦那さん):藤原一裕(ライセンス)
おソノ(コリコの街のパン屋のおかみさん):白羽ゆり

公式サイト

【公式サイト】http://www.musical-majotaku.jp/
【公式X(旧Twitter)】@majotakumusical

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