「かましてやります！」林遣都主演で描く“芸人・ビートたけし”の誕生！音楽劇『浅草キッド』公開ゲネプロ＆会見レポート

2023年10月9日2024年7月26日

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「かましてやります！」林遣都主演で描く“芸人・ビートたけし”の誕生！音楽劇『浅草キッド』公開ゲネプロ＆会見レポート

2023年10月8日に東京・明治座で音楽劇『浅草キッド』が開幕した。初日前日の10月7日に公開ゲネプロと会見が行われ、林遣都、松下優也、今野浩喜、稲葉友、森永悠希、紺野まひる、あめくみちこ、山本耕史らが登壇。本作への意気込みなどを語った。

本作は、ビートたけしが芸人として一世を風靡し、映画監督として世界中に名を轟かせるよりはるか昔を描いた青春自伝小説「浅草キッド」（講談社刊）が原作で、まだ何者でもなかった青年時代のとある夏に、のちの人生を決定づける師匠・深見千三郎と出会い、苦楽を共にした芸人仲間や、たくましく生きるストリッパーたちと過ごした日々が綴られている。

1988年、2002年にドラマ化、2021年にNetflixにて映画化とこれまで映像化されてきた同作だが、このほど名曲「浅草キッド」にオリジナル楽曲を加え、福原充則により音楽劇として初舞台化されることに。明治座での公演を皮切りに、大阪、愛知で上演を予定している。

ある夏の浅草。大学中退後、ふらふらと街をさまよう青年・北野武がストリップ小屋・フランス座に辿り着くところから物語が始まる。特に目標などなく“何者でもなかった”武。エレベーターボーイとして働く中で、興行の責任者である深見千三郎師匠に弟子入りすることになり、芸人仲間と共に苦楽を共にし、力強く生きるストリッパーや浅草の人々と交流しながら芸の道で生きていく覚悟を決めることになる。

芸人・ビートたけしがどのように生まれたのか。浅草・フランス座で下積み生活を過ごした青春時代、芸人・ビートたけしの誕生と笑いにかけた芸人たちの生き様を、ビートたけし作詞・作曲による名曲「浅草キッド」と共に音楽劇として展開する。何者でもなかった青年・武と、厳しくも愛情深く武を見守る師匠・深見、運命的な師弟の物語となっている。

初日前日に行われた会見には、林、松下、今野、稲葉、森永、紺野、あめく、山本らが登壇。主演を務める林は「1ヶ月半ほど稽古を重ねましていよいよ初日を迎えるんですけども、福原（充則）さん率いるカンパニーの皆さんと力を合わせて、みんなを信じて助け合って最後までやっていきたいという思いです。頑張ります」と静かながら熱のこもった意気込みを語った。

また、武の先輩芸人で裏の顔を持つ高山三太役の松下は「（初日を迎えるのが）めちゃくちゃ楽しみです。出てないところも稽古でたくさん見させてもらって本当に面白いシーンばっかりなので、お客さんがどういう反応してくださるのかが一番楽しみです」と笑顔でコメント。

のちのビートきよしとなる兼子二郎役の今野は「林くんについていきます！」と意気込み、武の後輩で武へのコンプレックスから次第に悲劇へ突き進むことになるマーキー役の稲葉は「武さんを演じる遣都くんの姿を稽古場で見ていて、後輩芸人の役の目から見てどんどん殺気が出ているというか、どんどん惹かれていく瞬間があって。そういうものを皆さんと一緒にお届けできればなと思います」と語った。

フランス座で武と共に働く作家志望の井上役を演じる森永は「僕は本当に舞台に立つのがすごく久々なので、とにかく皆さんの作り出す波に必死についていこうと思っております。くっついていきながら、楽しんでいけたらなと思っております」と久々の舞台に緊張しながら先輩たちへの大きな信頼を見せた。

さらに、山本演じる深見の人情味あふれる妻・志の川亜矢役の紺野は「出演者は20数名なんですが、50人ぐらい出てるんじゃないかなと思うくらい常に部隊が賑やかで、1人1人が濃く演じてらっしゃって、一言も瞬きの時間も惜しいぐらい皆さん注視して幕が下りるまで楽しんでいただけると嬉しいです！」と本作の魅力をアピールし、武が深見に弟子入りするきっかけを作るフランス座のチケット売り場で働く塚原役のあめくみちこも「私が最年長だと思うのですが、皆さん大変パワフルなので必死でついていきながら当時の浅草を楽しく作っていけたらいいなと思っております」とにこやかに意気込んだ。

そして、青年・武の人生を決定づける師匠・深見千三郎を演じる山本は「これから公開ゲネプロなのですが実は僕らも全容がわかってないというか。断片的に舞台稽古をしてきたので、そういった意味では僕らもどんな感じに仕上がるのか楽しみと同時に、『あそこ大丈夫なのかな』『ここをどう見えるのかな』とはっきりしない状態で･･･要は稽古時間が足りてなかったわけなんですけども（笑）」と冗談交じりに明かし、「衣装チェンジが結構あって、稽古時間が少ないというよりも稽古内で全部の衣装入れ込めないというか。止めながらしかできなかったんですよね。そのぐらいの衣装チェンジが多いのでそこも見どころではあります。当時の衣装とかウェイトレスの制服だったり、世代の方が懐かしんで楽しめるビジュアルになっていると思います」と見どころを明かした。

それに対し林も「みんなやることが沢山あって。集中して頑張っていたら気付いたら毎日終わりの時間になってて。集中し続けたなという稽古場でしたね」とこぼすと、山本が「7年くらい必要だね。7年を一か月半でやっているから足りるわけない」と茶目っ気ある合いの手で会場の笑いを誘った。

初共演となる林と山本が“師匠と弟子”として2人でタップを披露するシーンの話題になると、山本が林に「タップは僕はやったことあったけど、（林は）最近やり始めたんだよね。稽古でもずっとどんどん上手くなっているのが目に見えて」と、タップを始めて1年ほどだという林の成長に驚いた様子。

山本に褒められた林は少し照れたような表情を見せ「人生で踊ったりしたことがほとんどなくてリズム感を教わるところから始まりました。頑張って練習して稽古場にいざ入ってみたら、耕史さんは僕が何ヶ月かけてできるようになったステップをすぐにできるようになっていてさすがだなと感じました。タップ以外でも信頼させていただいていて、毎日感動させられました。たくさんのことを教わりました」と、役だけでなく俳優として“師匠”のような山本への信頼を覗かせた。

最後に林は「すごく非日常を感じられる作品だなと思うのでそれを楽しんでいただけたらと思います。時間を取って見に来ていただいた方に良い1日になったなと思っていただけるように、全身全霊で･･･かましてやります！」と力強く意気込んで会見を締めくくった。