ミュージカル『フィーダシュタント』開幕!ランペRIKU、糸川耀士郎らのフェンシングを太田雄貴が絶賛


2023年3月16日(木)に東京・ニッショーホール(旧ヤクルトホール)にて、ミュージカル『フィーダシュタント』が開幕した。本作は、2022年6月に韓国で初演された「フェンシング」を題材にした作品。初日前には公開ゲネプロが行われ、会見には出演するRIKU(THE RAMPAGE)、糸川耀士郎正木郁吉高志音浦川翔平(THE RAMPAGE)、藤田玲と、フェンシング監修をした太田雄貴が登壇した。

【関連記事】ランペRIKU、糸川耀士郎らでミュージカル『フィーダシュタント』太⽥雄貴と徳南堅太がフェンシング指導

5年の歳月をかけて作り上げられたこのミュージカル『フィーダシュタント』は、密度の高い台本と優雅で中毒性のある楽曲が話題となり、韓国で異例の速さで大ヒット。日本での上演も、演出をほさかよう、日本語翻訳・訳詞を安田佑子が手掛け、異例の早さで実現した。

さらに、題材となっている「フェンシング」については、⽇本初のフェンシング銀メダリストとなった太⽥雄貴の監修、昨年の東京オリンピックに出場した徳南堅太、フェンシング男子フルーレ日本代表(2016年~2020年)の野口凌平らの指導で取り組み、説得力のある作品に仕上げた。

物語の舞台は100年前のドイツ、思考や思想が抑圧された時代。フェンシング選手としてライバルであり、良き友人であるマグナス・ヴォルカー(RIKU)と、アベル・ルター(糸川)。取り巻く状況の変化の中、フェンシングを続けるためにエリートスポーツ学校への進学を決める。

学校には、冷徹なフェンシング部のエースフレドリッヒ・カール(正木)、プライドの高い軍事マニアのハーゲン・アクスマン(吉高)、音楽とユーモアを愛する楽天家のジャスパー・ミュラー(浦川)と、「最高のフェンシング選手になる」という夢を抱いた少年たちが集まっていた。

そんな彼らを指導するのは、世界的なフェンシングの英雄ラインハルト・クレア(藤田)。厳しい指導の中で、負けず嫌いのマグナスは次第に劣等感を抱いていく。一方、アベルはあることから、エリートスポーツ学校に隠された秘密に気づき始めて・・・。

17歳の少年たちは、⾃分の考えと⼤切なものを守るため、必死の抵抗を試みる。フェンシングは「⾝を守る」「名誉を守る」ことを⽬的として磨かれ、発展してきたスポーツ。成長の過程で生まれる、権⼒への欲望、葛藤・・・。ドラマティックな物語のうねりの中で、少年たちが選択する道は――。

ミュージカル『天使について』~堕落天使編~に続いての韓国ミュージカル出演となるRIKU。その歌唱力の高さは、THE RAMPAGEの活動でお墨付きだが、今回は17歳の少年を演じているということで、その歌声もよりフレッシュに響く。その役作りについて、RIKUは「マグナスは真っ直ぐな少年なので、やりやすくはあったのですが、実際の僕は29歳ということで、一回り年下の男の子であることをすごく意識しました。『経験値0の時ってこうだったよな』とか思い出しながら、大人が演じていることがにじみ出ないように自分の中に落とし込んでいきました」と語った。

相対する糸川は、気づきで物語を動かしていく役どころ。韓国ミュージカルの『INTERVIEW~お願い、誰か僕を助けて~』日本版でもその歌声の魅力を発揮した糸川は、今回も多くのナンバーを歌いこなしている。「台本を読んでいる時から、心を動かされる瞬間がたくさんありました。それをお客様がどのように感じていただけるか楽しみです。相方であるRIKUくんが純粋に全力でぶつかってきてくれる人なので、僕も全力で返します」と糸川。RIKU演じるマグナスと、糸川演じるアベルがフェンシングで剣を交えながら響かせるハーモニーに注目だ。

正木は、少年たちの中で異質な立ち位置の少年を演じる。フェンシングのエースであり、原則主義者。その過去が明かされていく過程は見どころの一つ。正木は「冷徹なフレドリッヒが、みんなと触れ合っていく中でどう変化していくのか。また、マグナスとレイピア(細剣)で真剣勝負をしているので、注目していただけたら嬉しいです」と見どころを挙げた。

吉高には銃(カラビーナー・アハトウントノインツィヒ・クルツ)に目を輝かせるなど、“軍事マニア”という設定が大きく作用する楽曲がある。その歌詞は、吉高自身も「歌詞を見た時は本当にびっくりして・・・。本当に歌っていいのかなとドキドキしました」というほど、明るいキャッチーなメロディに乗せてセンシティブなワードが乗っている。聞いている方もハラハラする内容だったが、吉高は絶妙な温度感でそれを表現しており、出演作が増える吉高の成長を感じられた。

浦川は本作がミュージカル初挑戦。「歌うこと、フェンシングと、初体験が詰まった作品です。ジャスパーという役は、座組の皆さんに育てていただきました」と感謝を述べつつ、「そして、ジャスパーは舞台中にニコニコしていると思います!そこをぜひ見ていただけたら」とニコニコアピールしていた。

そして、作品の中で一人、大人の圧を醸す藤田。フェンシングの英雄ということで、「完璧じゃないといけないんですが、完璧とはなんぞやと・・・。一人だけ大人の設定なので、少年たちの成長を、劇中と座組、どちらの意味でも促せるようなお芝居を見せられたらと思います。僕は決して悪い人ではありません(笑)」と笑った。

藤田が触れたように、フェンシングは本作の大きな見どころ。演劇の「表現」として取り入れられているが、監修の大田曰く「軽い気持ちで引き受けたことを後悔するぐらい、難しいことをやっている」のだという。

「短い準備期間の中で皆さんにやり切ってもらうため、指導をする日本代表メンバーともかなり作戦会議をして、練習のお願いなどをしてきました。今日、ここまで仕上げてきてくれたのを見て、父親のような気分になりました」とコメント。

俳優たちも、殺陣の経験はあるが、フェンシングはみな初めて。RIKUは「初めての動きしかなかったので、初めてダンスレッスンを受けた時のような感覚になりました。だからこそ、今の僕が挑戦する意味は大きいなと思いました」、藤田は“強さ”を表現するために、太田から「余裕感を出して」とアドバイスされたと明かし、それぞれの取り組みを振り返った。

太田は「フェンシングも自己表現の場所なんです」と語る。「言葉で上手く伝えられないことも、剣を持つことで表現できたりする。僕たちは、よく“剣で会話をする”と言いいまして、今回も細かく言わせてもらっているんですが、剣を当てる音が音楽の一部になっていると思います。そういった、剣の重なり合う音にも注目してもらいたいです」と、本作ならではの“表現”をピックアップ。ちなみに、太田が初めて全日本チャンピオンになったのも17歳の時。作品を見て、「フェンシングにひたむきだった頃の気持ちを思い出しました」と語っていた。

また、本作では舞台から客席中央に花道が設けられている。間近で繰り広げられる芝居の熱と臨場感は、想像以上だ。迫力あるフェンシングと、繊細な感情の揺れのマリアージュが味わえる。

最後に、RIKUはスポーツのWBCが盛り上がっていることに触れながら、「演出のほさかさんと一緒に、破壊と創造を繰り返して日本版の『フィーダシュタント』を作り上げてきました。チケットが完売状態という話も聞いています。僕らは、演劇の会場の中で、日本一熱いのはココですよ!という思いとプライドを持って、全力で千秋楽まで駆け抜けたいと思います」と意気込み、会見を締めくくった。

ミュージカル『フィーダシュタント』は、3⽉16⽇(⽊)から3⽉26⽇(⽇)まで東京・ニッショーホール(旧ヤクルトホール)にて上演。上演時間は1幕75分、休憩15分、2幕75分の計2時間45分を予定。

前売チケットは完売しているが、機材開放席などの追加販売があるとのこと。詳細は公式サイト・公式Twitterにて発表される。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

ミュージカル『フィーダシュタント』公演情報

上演スケジュール

2023年3⽉16⽇(⽊)~3⽉26⽇(⽇) 東京・ニッショーホール(旧ヤクルトホール)

スタッフ・キャスト

【作・作詞】チョン・ウンビ
【作曲】チェ・デミョン
【編曲】シン・ウンギョン チェ・デミョン
【演出】キム・テヒョン
【振付】イ・ヒョンジョン
【アクション】ソ・ジョンジュ
【オリジナルプロダクション】ミスティックカルチャー

【⽇本版演出】ほさかよう
【⽇本語翻訳・訳詞】安⽥佑⼦
【フェンシング監修】太⽥雄貴
【フェンシング指導】徳南堅太 野口凌平
【⾳楽監督】宮﨑誠

【出演】
RIKU(THE RAMPAGE) ⽷川耀⼠郎 正⽊郁 吉⾼志⾳ 浦川翔平(THE RAMPAGE) 藤⽥玲

公式サイト

【公式サイト】http://r.tribe-m.jp/widerstand/
【公式Twitter】@widerstand23

Book & Lyrics by Chung EunBea Music by Choi DaeMyung Music Arrangement by Shin EunKyoung, Choi DaeMyung Directed by Kim TaeHyung Choreography by Lee HyunJung Action Design by Seo ChongJu Original Production by MYSTIC CULTURE







チケットぴあ
ミュージカル『フィーダシュタント』開幕!ランペRIKU、糸川耀士郎らのフェンシングを太田雄貴が絶賛
最新情報をチェックしよう!
テキストのコピーはできません。