2022年8月15日（月）に、10月から大阪歌舞伎座で上演される「日本怪談歌舞伎 貞子×皿屋敷『時超輪廻古井処』（ときをこえりんねのふるいど）」の製作発表が行われ、主演を務める片岡愛之助が登壇し、本作への意気込みなどを語った。また、”リング”シリーズに登場する怨霊「貞子」がサプライズ登場し、愛之助と共に“見得”を披露した。
作家・鈴木光司さんが生み出した”リング”シリーズに登場する怨霊「貞子」と、日本の伝統芸能である歌舞伎「播州皿屋敷」がコラボした本作。今や世界的にも認知されている「Jホラー」を代表する貞子と、歌舞伎の「皿屋敷伝説」が、古井戸を通して、時空を超えて交錯するホラーストーリーが展開される。
都内で行われた会見には愛之助と共に、松竹の山根成之専務とKADOKAWAの菊池剛氏も登壇。山根専務は「（2021年10月に上演された）『GOEMON 石川五右衛門』を見に来ていただいて、『これなら貞子の歌舞伎ができるんじゃないか』というように思っていただけたおかげでこの企画が進み、貞子が歌舞伎に登場することになって本当にありがたいことだと思っております」と念願の企画が実現したことを喜んだ。
菊池氏も「1991年に鈴木光司先生が書いた『リング』と言う小説が世界を席巻したという記憶がございます。日本映画のみならず世界で流行し、昨今ですと非常に有名なゲームとのコラボレーションなどもしており、世界的に有名なキャラクターの1人ではなかろうかと自負しています。『GOEMON 石川五右衛門』を見て、非常に自由な発想と素晴らしい演出だと思いました。歌舞伎という伝統ある演目に貞子がお邪魔させていただけるということで、また世界が広がっていくのではないかと嬉しく思います。かなり面白いと思います、そして怖いと思います。ぜひ劇場でご覧いただけたら嬉しいです」と並々ならぬ思いと共にメッセージを送る。
そして主演を務める愛之助は「映画を拝見させていただいたので、最初は僕が貞子をやるのかなと思ったのですが、考えたら「貞子」は女性でした。話が進むうちに、私が『浅山鉄山』という悪いヤツをつとめさせていただくことになったんですが、今月、京都で『（東海道）四谷怪談』の真っ最中ですけど、これも悪いヤツなんです。9月に松竹座でやる役も悪いヤツ。悪い役しか回ってこないのかなと思う、今日この頃です」と嘆きつつも、「まだキチッとした台本もあがっておりません。初日が開いてみないとどうなるか分かりませんが、歌舞伎というのは、現代の最先端のことをしてかぶくこと。全力でかぶいて盛り上げてきたいです。全世界で通用する“貞子”ですので、できれば海外公演をという夢もあります」と意気込みを語った。
また、愛之助は「オカルトとかホラーは大好きですけど、本当にありそうでしばらく怖かったです。『貞子の井戸暮らし』というユーチューブも見ているんですけど、かわいらしいんですけど動くと本当に怖い。だからこのJホラーも怖くなると思います」と語り、さらに貞子が登場する「リング」シリーズを初めて見た時を振り返り「衝撃でした。怖くて夜中トイレに行けないような、頭を洗っていたらそこにいるんじゃないかとしばらく怖かったです。（最近見直したら）貞子、仲間由紀恵さんだったんだと気付きました。今回、仲間由紀恵さんが出てくれるのかと思ったが、そうではないみたいです」とコメントし、会場の笑いを誘った。
会見では、暗転した会場が明るくなると背後に貞子が登場するというサプライズ展開も。大感激する愛之助に対しMCが「一緒に見得を切りたいので教えてください」と、話すことが出来ない貞子に代わって念写したメッセージを伝え、2人でそろって見得を切る一幕が。貞子はさらにスマホを持参しており、愛之助と共に仲良く2S撮影したり、記者陣をバックに自撮りをするなど自由に振る舞い、愛之助を笑わせた。
そんな2人が舞台上でどんなコラボレーションを果たすのか。期待が高まる「日本怪談歌舞伎 貞子×皿屋敷『時超輪廻古井処』（ときをこえりんねのふるいど）」は10月3日（月）から10月25日（火）まで大阪松竹座で上演される。
（撮影：守本和宏／文：エンタステージ編集部3号）
日本怪談歌舞伎 貞子×皿屋敷『時超輪廻古井処』（ときをこえりんねのふるいど）」公演情報
スケジュール
2022年10月3日（月）～10月25日（火） 大阪松竹座
スタッフ・キャスト
【脚本・構成】G2
【演出】今井豊茂
【キャスト】
浅山鉄山：片岡愛之助
室戸光：今井翼
お菊：中村 壱太郎
船瀬三平：中村莟玉
山名宗全：市川男女蔵
