ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント


どこを切りとっても『圧倒的なエンターテイメント』

階段を一歩ずつ降りる。
暗がりを照らす、スタッフのランタン。
そして見えてくるのは、
煙でモックモクのえんとつ町。
空を見上げても、もう星の見えない世界。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント

「僕たちは舞台上だけでなく、入った瞬間から会場全体を“えんとつ町”にしたい」
23歳のプロデューサー瀬戸口祐太の
言葉の意味を、ここに知る。
確かに、セットのこだわり。
再現性。そして、ワクワク感がすごい。

劇中では、プペル&ブルーノを演じる
吉原光夫の並外れた歌唱力・表現力。
絵本・映画とは一線を画す、まるで以前から
実在していたような笠井日向のルビッチ。
ベラールの岡幸二郎は、登場しただけで
場を変える影響力を持つ。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント

“無煙火薬”が爆発する際の
スローモーション表現。
ダンサーの確かな技術に
裏打ちされた滑らかな動き。
低音が愉快に響く、軽快な生バンドのベース。

どこを切りとっても、高いクオリティを誇る
『圧倒的なエンターテイメント』。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』が、
11月14日に東京キネマ倶楽部で開幕した。

ファミリーミュージカルらしい演出

『えんとつ町のプペル』は、
原作者の西野亮廣が執筆した絵本。
2016年発行の本は累計発行部数70万部を突破。
2020年12月には映画が公開された。

そのプペルが今回は、
初のファミリーミュージカルとして舞台化。
西野亮廣自らが脚本と演出を手掛け、
元劇団四季でアシスタントプロデューサーを
務める小野功司の熱い呼びかけなどによって、
超一流の役者・スタッフが集結した。

ニューヨークのクリエイター陣が
音楽制作を担当。
世界中での上演を見据えるプロジェクトが
いよいよ迎えた日本での初演。

開演前には、映画で同役を務めた
藤森慎吾がスコップとして登場。
拍手や足踏みの練習など、
ファミリーミュージカルらしい演出を見せる。
ここで教えられる“特別なサイン”などは、
子ども達もワクワクする要素だろう。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント

そして登場する、
主人公のルビッチ(笠井日向)。
ルビッチがえんとつに座りながら話しかける。
「星空を知らないこの世界を、僕の父ちゃんは“えんとつ町”と呼んだ」

さらに登場するブルーノ(吉原光夫)。
紙芝居で、黒い煙の先にある光輝く
世界の話を子どもたちに聞かせる。

アントニオ(竹下瑠花)と
レベッカ(田野優花)も、
最初は楽しそうに聞いていたが、
やがて彼のもとを去っていった。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント

しかし、ハロウィンの夜に起きた、
ひとつの奇跡。
振ってきた心臓の力強さが、激しいダンス
(ダンサー 杉原由梨乃・加賀谷一肇)と
共に表現される。
そして生まれるゴミ人間。
生命が宿る部分の演出は見事の一言だ。

ゴミ人間は、ハロウィンを楽しむ
子どもたちと、共にダンス。
圧倒的な声量と、観客の心を
鷲掴みにする高音が会場に響く。

しかし、ハロウィンのダンスが終わると、
ゴミ人間は仮装でなかったことが発覚。
その瞬間、子どもたちの目に宿る、恐れ。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント

「臭い」「怖い」と敬遠された
ゴミ人間は、1人の少年ルビッチと出会う。
ルビッチはゴミ人間に「友達になって欲しい」と
頼み、名前をつけた。
「ハロウィンに生まれたハロウィン・プペルだ」

ルビッチはプペルと共に、おしゃべりな
鉱山泥棒スコップ(藤森慎吾)と出会う。
えんとつ掃除屋のメンバーにも紹介。
スーさん(乾直樹)と陽気に踊り、
ボスのダン(宮川浩)から仕事をもらうプペル。

しかし、生じた異変を排除しようとする
異端審問官が、二人を追いつめる。
おどろおどろしい雰囲気を纏いながら、
登場するベラール(岡幸二郎)。
その存在感は別格だ。

ルビッチに対して、父親の思い出を
語るローラ(知念里奈)。
ブルーノとの美しいハーモニーは、
家族愛の涙を誘う。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント

そしてルビッチは、煙の向こうに何があるのか、
空を目指して航海に出ようとするが、
たどり着くことはできるのか…

様々な議論・工夫を積み重ねたであろうミュージカル

グランドキャバレーの設備を利用して、
2000年にオープンした「東京キネマ倶楽部」。
雰囲気は趣十分だが、
演劇向きとは言えない設備で、
地下・地上・空をどう表現するのか。
物語の後半に欠かせない
船をどう持ってくるのか。

全てにおいて、様々な
議論・工夫を積み重ねたであろう。
そんなことが見える舞台。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』開幕!吉原光夫が表現する“父ブルーノとゴミ人間の血の流れ”と圧倒的なエンターテイメント

そして、プペルとブルーノを同一人間が演じる、
難しいチャレンジに挑んだ吉原光夫。

「ブルーノの魂をプペルが引き継いでいる、その血の流れを見せたい。それは役者として面白いと思った」
と本人の言葉通り、
見事に性格の違う二役を表現。

足のステップの踏み方やしぐさ、
その細部に両者の共通点が感じられ、
この配役を決めた
意図が舞台上に見える。

日本トップクラス、超一流の役者たちが
一堂に会して、これだけの近い距離で
見られるミュージカルもなかなかないと
言えるだろう。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』、
世界に向けた初演の幕は今開いた。
そのクオリティを肌で感じてもらいたい。

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【公式ホームページ】https://poupelle-musical.com/

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ミュージカル『えんとつ町のプペル』公演情報

上演スケジュール

2021年11月14日(日)~11月28日(日) 東京キネマ倶楽部

キャスト・スタッフ

プペル&ブルーノ 吉原光夫
ルビッチ 笠井日向
ベラール 岡幸二郎
ローラ 知念里奈
スコップ 藤森慎吾
レベッカ 田野優香
アントニオ 竹下瑠花
ダン 宮川浩
スーさん 乾直樹
ダンサー 杉原由梨乃
ダンサー 加賀谷一肇

【原作・脚本・演出】西野亮廣
【作曲・音楽監督】Ko Tanaka
【英歌詞】Jessica Wu
【オーケストレーター】August Eriksmoen
【訳詞】長島祥
【振付】SHOJIN

【公式サイト】https://poupelle-musical.com/

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