正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』

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ところどころから、
すすり泣く声が聞こえてきた。
この作品の最大の魅力は、人間の心へ
ダイレクトに訴える、役者たちの演技。

それを引き出すために、原案があり、
脚本が用意され、個々を表す振付と、
演出がある。
そう感じる、作品だった。

登場人物は、それぞれが重罪人である。
正義とは何か?悪いかどうか、決めるのは誰か。
本作品は、そんな難しいテーマを扱っている。

しかし、だからと言うべきか。
言語化するのも難しいテーマに対して、
役者たちはただ全力で演じている。
真剣に伝えようとしている。
それが、「役者陣が心を削り、命を吹き込んだ」
この作品なのだろう。

松田裕は高潔な理想を求める葛藤を表現し、
吉田翔吾は心のボルテージを
最高潮にして叫びをぶつけてくる。
そして、何より久下恭平の見せる顔は、
掛け値なしに優しく、愛が伝わる。

正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』

目次

8人の男女が繰り広げる密室会話劇

舞台『STARGAZER』が2021年11月11日(木)に
東京・六行会ホールで開幕した。
8人の男女が繰り広げる密室会話劇は、
宇宙に儲けられたという空間が舞台になる。
地球上で捕まっていた囚人たちは、
ここで、とあるミッションに臨む。

漆黒に包まれた空間。
集められた男女たちが徐々に目覚める。
お互いに何者なのか探り合う、それぞれ。

最初からテンション全開で
他人に絡むディクティ(丸山正吾)。
オステガ(三浦剛)は年長者らしく、
状況を整理し把握しようとする。

密室では、すぐにイライラが募るのが常だ。
ディクティとロディニア(立野佐紀)の
やり取りに、「うるさい」と
恫喝するヘリオス(吉田翔吾)。
場の騒々しさに耐えられない
ゴンドワナ(遠藤しずか)も、
言い争いに参加する。

正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』
正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』
正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』

しかし、この場で暴力は許されない。
秩序を乱せば罰があることに
気付くブラス(松田裕)。

そして告げられる真実。
「地球に衝突を予測される彗星がある」
「これをミサイルで破壊せよ」

正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』
正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』

地球の存亡をかけた極限状態での多数決

彼らは全員が犯罪者だ。

特別刑務で刑期を見直すと
言われて希望した人物たち。
思ったよりも簡単なミッションは、
「ボタンを押す」。
ただ、それだけだった。
その行為に一度は全員が安堵する。

しかし、管理者アセーノ(日比博朋)の
行動で状況は一変。
囚人を見守るパンゲア(棚橋佑実子)、
シアノ(新川悠帆)にも変化が訪れる。

正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』
正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』
正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』

光速で動く星を破壊する作戦は
成功確率が低いらしく
失敗した場合、次の選択肢となるのは・・・
そして、それぞれの本音・背負った業が
描き出される。

地球の存亡をかけた極限状態での
多数決の行く末は。

正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』
正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』

それぞれが犯した罪は、何だったのか。
それは本当に悪だったのか。
過去の過ちは、もう取り戻せないのか。

迫り来るタイムリミットの中で、
導き出される答えとは。

どこまでも優しい、バイオ(久下恭平)と
妹スフィア(結城美優)のやり取り。
その胸を打つ、迫真の演技に浸ってもらいたい。

正義とは何か?久下恭迫平ら役者たちの真の演技を引き出す密室会話劇『STARGAZER』

キャストコメント紹介

◆バイオ:久下恭平
お医者さんの勉強をしていて、とあることによって捕まってしまった罪人の役です。本編中では回想シーンがあり、家族の話であったり、妹との思い出だったりが描かれています。この描写に関しては、大切にしたいと思って演じていますね。僕のセリフの中で「悪いって誰が決めるんだろうね」っていうのがあって、それは本質だなと思ってます。悪いと思いながら行うことも正義、それを悪いと決めるのは誰なのか。これらのことは、この物語に対して自分が持っている軸ですね。

◆ヘリオス:吉田翔吾
ヘリオスは色々な人たちを拉致してしまった犯罪者です。捕まる前は裏で頭を使って、世界をうまく回していたという存在。捕まってしまったことで、性格的にも荒くれ者になるんですけど、ベースは知的なキャラです。彼の様々な表情をお客様に見せられたらなと思いながら、稽古の時から作り込んできましたので、楽しみにしていただけると幸いです。

◆ブラス:松田裕
ブラスはある人の影響を受けて、自分の正義を多くの方に強制しようとした人物です。自分が正義だと信じてやっていたことが、他人にとっては正義でなかったり、苦痛に感じたり、色々あると思う。そこを様々な目線で楽しんでいただけたらと思っています。話が進むにつれて、登場人物がどういう関係性なのか徐々に明らかになってくるので、そのリアクションを新鮮に全公演見せていけたらと思います。

◆アトラス:飯田南織
本来は真面目で優しい人なんだろうなと思いますが、作中で出会った人が、自分に影響していたことが分かり、その出来事によって道を踏み外してしまっている。真面目ゆえに、おかしな方向に行っちゃったんだろうな、という役です。話が進展していくにつれて、その距離感をどう変えていくか、最終的に彼女がどの地点に立つのか、なるべく丁寧に演じていきたいと思っています。

◆ロディニア:立野沙紀
スパイをしているのですが、彼女なりに事情があってスパイをしなければならないという役柄です。特別なお色気シーンとかはないですけど、ちょっとした仕草だったりは、結構女性らしさを気にしながら演じさせていただいています。IZAMさんとは3回目のお仕事。今までとは違う色気のあるかっこいい女の子を演じさせていただくので、違いが出るように意識しながらやりました。

◆シアノ:新川悠帆
看守世話役で、正体を明かさないんですけど、囚人達に一番近い存在。囚人たちを見守る、ある視点を持つ役をしています。気を付けているのは、笑ってはいけないことだったり、人との違いを観察している点、それを表現することですね。人ってこうやって動くなと仮定しながら、そうじゃないことをしてみようかな、といったような動きを表現したいと思っています。

『STARGAZER』公演情報

上演スケジュール

2021年
11月11日(木)18:30 開演
11月12日(金)18:30 開演
11月13日(土)13:00 開演/18:00 開演
11月14日(日)12:00 開演/16:00 開演
※開場時刻は開演時刻の30分前

会場

東京品川 六行会ホール

キャスト・スタッフ

【原案】:川尻恵太(SUGARBOY)
【脚本】:白鳥雄介(Stokes/Park)
【振付】:青井美文
【プロデュース・演出】:IZAMANIAX (ベニバラ兎団)

【出演】
-トリプル主演-
久下恭平   吉田翔吾    松田裕

結城美優
丸山正吾 (Bobjack Theater)
三浦剛  (キャラメルボックス)
日比博朋 (ベニバラ兎団)

飯田南織  (ベニバラ兎団)
新川悠帆  (ベニバラ兎団

棚橋佑実子
立野沙紀  (劇団4ドル50セント)
遠藤静香

【ベニバラ兎団公式Twitter】https://twitter.com/benibarausagix
【ベニバラ兎団公式ブログ】https://ameblo.jp/benibara-de-paris/

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