2021年11月18日(木)に東京・品川プリンスホテル クラブeXにて、お米の擬人化舞台RICE on STAGE「ラブ米」シリーズ最新作、RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come~が開幕する。“関西米”がメインとなるこの第4膳(作)。より美味しくいただくために、収穫直前の稽古場の様子を取材した。
※本記事は、作品のテイストに沿って米ワード(お米にちなんだ言葉)をたっぷり、かつ、物語の一部を含んでいます。
RICE on STAGE「ラブ米」とは、お米を擬人化した短編TVアニメを原作とした舞台作品。これまでに本編4膳(作)のほか、イベント公演なども行われてきた。これまでは、伝説のお米ハーベスター「五穀米」に憧れ穀立稲穂学園に入学した“ひのひかり”を中心に、ささにしき、ひとめぼれ、あきたこまち、にこまるの5人が結成した「ラブライス」を中心とした物語が描かれてきたが、今回は“関西米”を中心に3膳目として昨年上演された「~Rice will come again~」の前日譚、米ピソード0を描く。
エンタステージがTwitter上の企画として行っているスペース機能を使ったラジオ配信には、米米スタッフより企画担当の河野氏(株式会社ネルケプランニング)がゲストとして登場。4膳目に向けてこれまでの作品を振り返りながら、「ラブ米」が手塩にかけて栽培されている様子が語られた。
「ラブ米」舞台に登場するオリジナルの米キャラクターは、河野氏が生み出しているという(ちなみに河野氏は農大出身で砂漠緑化の研究をしていた流れからネリカを育てていた)。前作には関西稲穂学園より穀物留学生として日本晴(吉澤 翼)はつしも(永田聖一朗)が登場していたが、新たにきぬひかり(高橋怜也)、てんたかく(中三川歳輝)、ゆめみづほ(加藤 健)、風さやか(大見洋太)が参戦。
きぬひかりは、平成から令和へと時代が移り変わる際に行われた「大嘗祭」(皇位継承時、五穀豊穣を祈って行われる宮中祭祀「新嘗祭」は「大嘗祭」と呼ばれる)で献上米となったお米ということで、絶対登場させたかったと河野氏。さらに米どころ新潟より“西”と定義し、富山のてんたかく、石川のゆめみづほ、長野の風さやかが選ばれ、キャラクターの性格や容姿にそれぞれのお米の特徴を反映しながら「ラブ米」の“関西米”として登場することとなった。
また、初演から登場している「ST☆RICE」のネリカ(健人)と「GAZEN BOYS」の黒太閤(田中季宇)。前作でネリカはアフリカツアーに、黒太閤はテニス留学に行っていたが・・・。
そして、鳥類「Osaka 米 Blues」としてガァ・ガァ・キング(髙木 俊)、ロ・ガァ・ト・ジョンソン(石田 隼)、ガァ・チャールズ(飯島康平)の家鴨3羽衆はどのようにお米たちに関わってくるのか?!
取材日は、第2部のハーベストショー(ライブパート)の完成音源が届いた日だった。このあと通し稽古を控えているが、関西米たちはすでに全力!マスクを着用しながらの稽古だが、熱量高く歌い上げていた。今回も、これまでとはまた一味違う、チームごとの個性滲み出る楽曲の数々が用意されている。
物語の時間軸は、雀鬼(本作にも加藤良輔が声で出演している)が襲来した前作の半年前。関西米たちの学び舎・穀立稲穂学園は、未曾有の米騒動に襲われていた。関西独特の文化に馴染めなかった生徒たちが、反抗心から吹きこぼれてしまっていたのだ。訪れる廃校の飢饉。そこで、稲穂学園の校長・亀ノ尾(声:渡辺コウジ)から学園の立て直しを依頼されたのが、学園OBである日本晴だった。
勉強もせずに飯°ク飯”ド(パンクバンド)活動に現を抜かしていた5粒のお米たちに、日本晴の熱血指導が染みわたる。稲穂学園に来た意味を思い出す米ンバーの中で、どうにも素直になれないはつしもだったが、そこへさらなる飢饉が・・・!
「ラブライス」を筆頭におなじみの米米フレンズは不在の物語。しかし、「ラブ米」の精神は、日本晴役の吉澤、はつしも役の永田がしっかりと新米+鳥たちに受け継いでいる。企画者である河野氏は、舞台オリジナルキャラクターを作る際、実際の品種の特徴(味、食感、稲の長さなど)をキャラクターの容姿や性格などにつながるように考えているそうだ。
それを、シリーズの脚本・演出・作詞を担ってきた村井 雄(KPR/開幕ペナントレース)はしっかりと練り込み、「ラブライス」を思い出す節あり、1膳目・2膳目と3膳目をきちんと繋ぐ意味あり、個性を粒立たせ、ぎゅっとおむすばれた新たな“関西米”ならではの物語に仕上げ、「ラブ米」の世界を押し広げていた。どうしても“米どころ”というと北国の印象が強いが、知らないだけで、日本にはまだまだ「美味い」がたくさんある。
二部のハーベストショーも、盛りだくさん。ハーベストショーの稽古中、ステージから降りてなおキャストたちがノリノリで仲間を応援している姿がとても印象的だった。スタッフ陣からの「ラブ米」愛を強く感じる稽古場だったことはもちろん、新キャストたちもしっかり洗農されていることをお伝えしておきたい。
まもなく、炊きあがりの時を迎える新たな「ラブ米」。お腹をすかせたグルメの皆さんをきっと満足させてくれるだろう。
今回も、RICE on STAGE「ラブ米」ではおなじみとなった新嘗祭前夜祭・新嘗祭・新嘗祭後夜祭や、米トーーク!リターンズ(アフタートーク)、ドレスコード公演といった、“お米による、お米のための、お米イベント”も盛りだくさんで用意されている。
※ドレスコード公演は、今年新しく実施されたイベントで、グルメ(観客)に収穫直前の黄金の稲穂になってもらい、「客席全体を金色の田んぼにする」公演。ぜひ、稲穂カラーのファッションで来場を。
さらには、初日の「稲目線」カメラでの生配信を含む休耕地復田プロジェクト「極」や、ニコニコ生放送での配信も決定しているので、劇場での観劇が叶わない方へテイクアウト方法も用意されている。
RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come~は、11月18日(木)から11月28日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて上演される。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1合)
RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come~ 公演情報
上演スケジュール
2021年11月18日(木)~11月28日(日) 品川プリンスホテル クラブ eX
スタッフ・キャスト
【企画・原作】8million
【脚本・演出・作詞】村井 雄(KPR/開幕ペナントレース)
【音楽】坂部 剛
【振付】本山新之助
【アニメ原案】高林ユーキ
【キャラクターデザイン】あおいれびん
【出演】
<関西稲穂学園>
日本晴:吉澤 翼
はつしも:永田聖一朗
きぬひかり:高橋怜也
てんたかく:中三川歳輝
ゆめみづほ:加藤 健
風さやか:大見洋太
<ST☆RICE>
ネリカ:健人
<GAZEN BOYS>
黒太閤:田内季宇
<Osaka 米 Blues>
ガァ・ガァ・キング:髙木 俊
ロ・ガァ・ト・ジョンソン:石田 隼
ガァ・チャールズ:飯島康平
お米のお米によるお米のためのイベント公演
【1】ドレスコード公演
11月21日(日)17:00公演
来場したグルメ全員に収穫直前の黄金の稲穂になってもらい、客席全体を金色の田んぼにする公演。
稲穂ファッション(明るいベージュ~黄色~金色の服を着用)で来場・観劇を。
<アパレルブランド「GOHAN OOMORI」公式稲穂シャツ>
INAHOスタンドカラーシャツ
劇場物販にて数量限定発売
【2】新嘗祭
11月23日(火・祝)13:00公演/19:00公演
終演後、舞台上に祭壇を設置し、高輪神社神職の御奉仕のもと斎行されるRICE on STAGE「ラブ米」新嘗祭。
貴重な新米の収穫を神様に感謝し共に祝う祭儀で、新嘗祭終了後、規制退場の際に参拝し、御供物の御下がりとして、RICE on STAGE「ラブ米」契約農家が収穫した「はつしも」の新米、そして御参列の証として御朱印(紙によるお渡し)ほか記念品が渡される。
【3】新嘗祭前夜祭
11月22日(月)19:00公演/新嘗祭後夜祭 11月24日(水)19:00公演
通常公演とは異なり、トーク&ゲーム&ライブありのスペシャルイベント公演。
【公式サイト】https://love-kome-stage.com/
【公式Twitter】@love_kome_stage
(C) RICE on STAGE「ラブ米」