2021年10月22日(金)に開幕する音楽劇『キセキ-あの日のソビト-』。開幕を1週間後に控えた稽古場の様子が、オンラインで公開された。初の衣裳付き通し稽古を終えたあと、GReeeeNのプロデューサーであるJIN役の崎山つばさ、GReeeeNメンバーを演じる立石俊樹、太田将熙、岸本勇太、里中将道が取材に応じた。
本作は、人気ボーカルグループ「GReeeeN」の話を元に製作され、大ヒットを記録した映画『キセキ-あの日のソビト-』の舞台化作品。メンバー全員が歯科医師免許を持ち、医療との両立のため顔出ししないという異色の形で活動を続けてきた「GReeeeN」を、生バンドの演奏と生歌に乗せて、俳優たちが「等身大の若者」として見せる。
(以下、あらすじに触れています)
JIN(崎山つばさ)は、医師であり厳格な父・誠一(羽場裕一)から厳しく育てられていたが、父の意に反して音楽の世界にのめり込んでいた。音楽活動を続ける中で、レコード会社の目に留まり、JINはメジャーデビューのきっかけを掴むこととなる。父の猛反対を押し切り、JINは家を飛び出していく。
一方、弟のHIDE(立石)は受験生。医大を目指すも浪人してしまう。限界を感じていたが、母(遠山景織子)の「昔から歯が弱かった」という言葉をきっかけに、歯医者になるという新たな夢を見つける。
歯科大でnavi(太田)、92(岸本)、SOH(里中)という仲間と出会ったHIDEは、彼らとの交流の中で、兄と同じく音楽の魅力に引き寄せられていき、「グリーンボーイズ」を結成。自分たちのオリジナル曲を作ろうと、HIDEは兄JINに曲のアレンジを依頼する。
自分のやりたい音楽とレコード会社から求められる音楽のギャップなど、思い悩んでいたJINは、デモテープを聞き、音楽を心から楽しむその歌声にはっとさせられる。そして、弟たちの才能に、自分の夢を託していくことに・・・。
「中学の頃、通学の車の中で『キセキ』のPVがかかりまくっていたので、(曲を聞くと)劇中の学生生活の部分が自分と重なります」(立石)、「上京してきた時に、新幹線の中で『遥か』を聞いていたんです。エモエモでした」(岸本)、「僕も、中学卒業が迫る頃、グラウンドのベンチに一人座っていたらたまたま『遥か』が流れてきて祝ってもらっているような気持ちになりました」(里中)とキャストたちも語るように、青春時代を振り返るとGReeeeNの曲を思い出す方も多いのではないだろうか。
それと同じように、名曲誕生の裏には、GReeeeNとなった若者たちの“青春”があるのだと、目の前で起こる「演劇」という表現が、雄弁に物語る。稽古の中で、プロデューサーという立場を演じる崎山は、「GReeeeNが楽しそうで(見ていて)すごく嬉しい気持ちになります。でも、時々寂しくもある(笑)。4人で一緒にコンビニ行ったりしているんですけど、俺はあんまり誘われないから・・・」と、GReeeeNを演じる4人のチームワークを傍で感じている様子。
これに対し、「誘いましたよ(笑)!」と一同突っ込みつつ、太田は「僕ら、めっちゃ仲が良くなって、深夜にグループLINEが動いていたり、くだらない話をずっとしてるんですよ。本当のGReeeeNさんも、学生時代からきっとそういうことしてきたと思うんですよね。だから、稽古以外でも4人で経験しようとしていて。本番でも、そういう積み重ねが自然とにじみ出たらいいなと思っています」と語った。
1週間後に迫る開幕に向け、主演の崎山は「この舞台は9人で野球をやる、という舞台なので・・・」とボケつつ(太田「それ、『ROOKIES』だから(笑)!」)、「出演者の“声”を聞いて、僕らが作る“道”に皆さんを導いて、舞台としても“キセキ”が起きればいいな」と、GReeeeNの名曲タイトルとかけながら、アピールしていた。
会見の最中も、学生時代からの友人たちが集まったようなワイワイとした雰囲気の中で、些細な一言からも盛り上がり続けていた出演者たち。うまくいかない日だって、みんなで力を出し合えば、きっと今より笑顔になれる。最後の一秒まで、GReeeeNの楽曲や物語を背負うため高めあった彼らが、きっと観る者も一緒に“青春のひととき”へと連れて行ってくれることだろう。
音楽劇『キセキ-あの日のソビト-』は、10月22日(金)から11月7日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、11月11日(木)・11月12日(金)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演される。
(取材・文/エンタステージ編集部 1号、写真/オフィシャル提供)
音楽劇『キセキ-あの日のソビト-』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2021年10月22日(金)~11月7日(日) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
【大阪公演】2021年11月11日(木)~11月12日(金) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
スタッフ・キャスト
【原作】映画『キセキ ―あの日のソビト−』
【脚本・演出】吉谷晃太朗
【音楽】tak
【振付】伊藤今人(梅棒)
【出演】
崎山つばさ、立石俊樹、太田将熙、岸本勇太、里中将道
大石敦士、朝倉ふゆな/遠山景織子/羽場裕一
<ダンサー>
荒川湧太、宇田川太雅、加藤木風舞、武中隆之介(50音順)
【公式サイト】https://kisekistage.com
【公式Twitter】@kisekistage
(C) 音楽劇キセキ製作委員会