東京芸術劇場の芸術監督である野田秀樹の戯曲『パンドラの鐘』が2021年春に熊林弘高の演出で上演されることが決定した。熊林が、これが野田戯曲に初挑戦となる。
東京芸術劇場は熊林と共同作業で、チェーホフの『かもめ』(2016年)や、シェイクスピアの『お気に召すまま』(2019年)を、広い空間を効果的に使い、挑戦的かつ魅力的な作品に仕立てた。また、今年は三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020』にて「班女」(出演:麻実れい、橋本愛、中村蒼)を手掛けたことが記憶に新しい。
『パンドラの鐘』は、1999年、NODA・MAP第七回公演として世田谷パブリックシアターで初演され、紀伊國屋演劇賞個人賞・読売演劇大賞最優秀作品賞・芸術 選奨文部大臣賞(演劇部門)などを受賞。20世紀末に、野田本人が演出を手掛けたバージョンと、シアターコクーンで蜷川幸雄が演出をしたバージョンがほぼ同時上演され、2人の演出対決が話題となった。
「遺跡の発掘」「古代の天皇の殉死」「長崎への原爆投下」などのモチーフを扱い、“現代”と“古代”の2つの時間軸を、物語が行き来する。野田戯曲らしい言葉遊びや複数のモチーフと時間・空間が交錯。熊林演出では、1人の俳優が“現代”と“古代”の登場人物を1人2役で演じる。
出演は、門脇麦、金子大地、柾木玲弥、木山廉彬、長南洸生、八条院蔵人、松尾諭、緒川たまき、ほか。
『パンドラの鐘』は、2021年4月14日(水)から5月4日(火)まで東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて上演される(4月13日にプレビュー公演あり)。このほか、びわ湖、兵庫、金沢、水戸、名古屋公演を予定。
あらすじ
物語の舞台は、太平洋戦争開戦前夜の長崎。
歴史の謎に惹かれ、考古学者たちが掘り起こしたのは、土深く埋もれた巨大な古代の鐘。その鐘の姿から、歴史から遠く離れた古代王国と、鐘と一緒に葬られた古代の秘密が浮かび上がる。
決して覗いてはならなかった「パンドラの鐘」に記された王国滅亡の謎とは?
そして、古代の光の中に浮かび上がった<未来>のゆくえとは?
公演情報
『パンドラの鐘』
【東京公演】2021年4月14日(水)~5月4日(火) 東京芸術劇場 シアターイースト
※4月13日(火)にプレビュー公演あり
※このほかびわ湖、兵庫、金沢、水戸、名古屋公演あり
【作】野田秀樹
【演出】熊林弘高
【出演】
門脇麦 金子大地 柾木玲弥 木山廉彬 長南洸生 八条院蔵人 松尾諭 緒川たまき ほか