宮沢氷魚×大鶴佐助『ボクの穴、彼の穴。』開幕!「やっぱり稽古が、演劇が好き」

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2020年9月17日(木)東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて宮沢氷魚と大鶴佐助による二人芝居『ボクの穴、彼の穴。The Enemy』が開幕。初日前にはゲネプロと囲み会見が行われ、出演者の二人と翻案・脚本・演出のノゾエ征爾が登壇した。

本作は、松尾スズキの初翻訳で話題となった絵本を2016年にノゾエ脚本・演出で舞台化した傑作。塹壕の穴の中で、お互いに「戦争のしおり」という大きな力に操られ、どんどん相手が大きなモンスターになり、疑心暗鬼と見えない敵への妄想が膨らんでいく。そして、最後に兵士のとった選択とは…。

『ボクの穴、彼の穴。』舞台写真

ゲネプロを終えノゾエは「新型コロナウイルス感染症の影響もあり、この公演が僕自身の今年初めての公演となりました。なので、とても感慨深いものがありましたし、劇場に客席にお客さんが入ることで、その息づかいのようなものを感じることができ、嬉しかったです」とコメント。

コロナ禍でこの作品を上演することについて「”何が起きているのか””何を信じればいいのか”分からない状況で、人と関われない生活に追い込まれ、様々な思いを抱えた方が多くいらっしゃると思います。本作も、似たような状況の中で登場人物が生きているので、4年前とはまた違った感覚を持っていただけるのではないでしょうか」と見どころを明かした。

『ボクの穴、彼の穴。』舞台写真

宮沢は、前回の出演作『ピサロ』が途中で公演中止になってしまったことにも触れ「ちゃんと幕が開くかどうか不安もありましたが、無事に初日を迎えられて嬉しく思っています」と笑顔を見せた。

また「人と人との関係が希薄になってしまう危うさを孕んている今日。この作品も”個”と”個”から始まりますが、出演したことで、当たり前だからそこ忘れてしまいがちなものときちんと向き合い、考えることができました。本当に光栄です」と、心境を語った。

『ボクの穴、彼の穴。』舞台写真

大鶴は、自身の”見えない敵”と対峙するキャラクターを演じることについて「今の我々の生活と地続きになっている部分もあるので、”見えない敵”が生半可な実態ではお客さんは納得してくれないと思います。だからこそ、ここまで稽古を重ねてきました」と改めて身を引き締めた。

さらに二人芝居ということで「本当に大変でした(笑)」と稽古期間を振り返りつつ「でも、疲れさえも気持ちよくって。演劇とか稽古がやっぱり好きなんだ、と再確認することができました」と大きく胸を張った。

これを受けて宮沢も「稽古が始まる前から、二人芝居だからセリフ量とかすごいんだろうな、と思っていましたが、こんなに肉体的にも精神的にも追い込まれたのは初めてでした(笑)。ですが、親友の佐助と、優しく支えてくれたノゾエさんのおかげもあり、しんどいんですけれどもすごく楽しかったです」と大きく頷いた。

『ボクの穴、彼の穴。』舞台写真

二人とも今回の稽古を経て、友人として、そして役者として信頼がさらに強まったそうで、大鶴が「(宮沢が)叩かれても叩かれても立ち上がる姿を見て、頼りがいがあると思いました」と称賛すれば、宮沢が「これまでがっつり目を見て芝居をすることがなかったのですが、今回は様々な心情や色を見せてくれる佐助の目を知ることができました」と繊細で素直な大鶴の演技をたたえた。

会見の最後にはノゾエが「本気の期待を一身に背負って、舞台上で生き様を見せてくれる二人。千秋楽まで見届けたいと思います」とエールを贈った。

PARCO Production『ボクの穴、彼の穴。The Enemy』は、9月17日(木)から9月23日(水)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。

【公式サイト】https://stage.parco.jp/program/bokuana2020

◆『ボクの穴、彼の穴。』ライブ配信
日時:2020年9月21日(月・祝)18:00
※配信終了後から9月24日(木)23:59までアーカイブ視聴が可能
配信:WOWOWメンバーズオンデマンドにてライブ配信
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
原作:デビッド・カリ
訳:松尾スズキ(千倉書房より)
翻案・脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:宮沢氷魚、大鶴佐助

【配信サイト】https://www.wowow.co.jp/stage/bokuana2020/

(舞台写真/阿部章仁)

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