2020年8月11日(火)に東京・シアタークリエで、韓国のミュージカル賞を総なめにした、人間よりも人間らしい、愛すべきヘルパーロボット達の物語を描いたミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』の日本人キャスト版がついに開幕。初日開幕を控えた浦井健治、中川翔子、花澤香菜、坂元健児、斉藤慎二が、開幕に向けての意気込みや見どころなどを語った。
本作は2017年に韓国で上演され、韓国のミュージカル賞を総なめにした注目作。旧型ヘルパーロボットのオリバーとクレアが出会い、惹かれ合っていく姿を描いていく。韓国で誕生し、アメリカ公演に続き日本人キャスト版として日本初上演となる今作の翻訳・訳詞・演出は上田一豪が手掛けている。
近未来を舞台にした物語ながらアナログの温かみを大切にしており、美しい旋律で紡がれる珠玉のミュージカルナンバーを楽しむことができる本作。主演は浦井が務め、内向的で規則正しい生活を好み、植木鉢が唯一の話し相手で元主人のジェームズをずっと慕っているヘルパーロボット・オリバーを演じることに。初日開幕を控え、浦井は「いよいよお客様が入っての上演ということで、稽古場から皆で和気あいあいとやってきたものがようやく花開く、と言いますか。ほっこりしていただくような時間を皆さんと一緒に過ごせるということで、本当にハッピーな気持ちでいっぱいでございます」としみじみ語り、「このメンバーならではの日本版になるんじゃないかなと思っています」と意気込む。
また、オリバーとは真逆の性格で活発で社交的、主人に捨てられたトラウマがあるヘルパーロボット・クレアを演じる中川は「本当に全身がフワフワしていて夢なんじゃないかなって思ってしまうくらい、シアタークリエに立てるという事が、本当に人生において特別なことです。物語もとっても幸せな気持ちになれて毎日笑顔いっぱいで稽古に励んでまいりましたので、全身全霊でクレアを楽しみたいと思います」とコメント。中川とWキャストを務める花澤も「(劇場に入って)舞台を見た時に本当に素敵で、一目見た瞬間にメイビー、ハッピーエンディングの世界に入れるような感じの作りになっていてとってもワクワクしました。クレアを演じられるのを楽しみにしております」と語った。
そして、ヴィンテージ、ジャスレコードの収集が趣味だというオリバーの元主人・ジェームズを演じる坂元は「約一か月間稽古してきて、すごく面白い作品になったと思ってます。初日が迎えられる喜びを味わいたいですね。今はとにかく気を引き締めて、初日を迎えることを願っております」と語り、同じくジェームズを演じる斉藤も「素晴らしい方々と共演できることを本当に嬉しく思っています。新宿の『ルミネ』というところでは何度も立たせていただいたんですけども、全く緊張感が違うなと言うか(笑)。皆さんと一つの素晴らしい作品を作れることを本当に誇りに思っていますので、一生懸命頑張りたいと思います」と意気込んだ。
人間よりも人間らしい、愛すべきヘルパーロボット達の物語を描く本作。注目してほしいシーンについて浦井は「本当に心温まるストーリーです。そのピュアさと言いますか、“ピュアピュア”な感じが一番出ているのが、蛍を見に行くシーンだと思います。蛍の幻想的な輝き、一瞬のきらめきなのかもしれないですけれど、それが永遠の愛と言いますか。幸せな瞬間として心の中に残る、そんなシーンじゃないかなと」と語り、「オリバーとクレアを通して、演劇って消えちゃうものだけど、きっと一生心に残るんじゃないかな、というところがリンクしているような気がするので。その素晴らしさを体感していただけたらなと思います」としみじみ。
一方、中川は「この作品は音楽が本当に素晴らしくて、もう一日中胸の中に音楽がぐるぐる回ってしまうぐらいです。なのでオリバーとクレアは最初対立をしているのですけれど、音楽でどんどんとお互いの気持ちが出ていって、そして稲妻に打たれたみたいにハーモニーが重なり合っていく。本当に素敵で、ミュージカルってなんて美しい世界なんだろうって、演じながら本当に幸せを感じております」と語り、花澤は「心の触れ合いが一番見所かなと思います。ジェームズとオリバー、そしてクレアとオリバーの関わりがどうなっていくのか注目してほしいのと、坂元さんと斉藤さんがいろんな形で舞台に出てくるのがすごく楽しみで(笑)。いつも笑いをこらえるのが大変なんですけど、そこも注目していただきたいなと思います」と笑顔でコメント。
そして坂元は「個人的なことで言わせていただきますと、ジェームズという役はいくつかキャラクターを演じさせていただいております。たった5秒しか出ない役もありまして、そのたった5秒のために早替えを5秒でやるという、そんなシーンがありますので、注目していただけたら嬉しいです(笑)」とアピールし、斉藤は「(オリバーとクレアの)ドライブのシーンですね。音楽が本当に素晴らしいんですよね。リズムを取りたくなるような、本当に二人の雰囲気が素晴らしくて、そこはいつも見ていてなんかワクワクするシーンというか。注目してもらいたいなと思ってます」と楽しそうに語る。
そんな斉藤は本作でミュージカル初出演となるが、「僕はミュージカル初出演ということで、出演者の皆さんやスタッフさんにもたくさん迷惑を掛けたり、色々と分からない部分が本当にたくさんあって、それを修正していくことで精一杯な毎日だったんですけど、一つずつ形ができていく中で、自分も皆さんの一員になれたことを本当に幸せに思っています」としみじみ。そして、「でも自分が初めてだからというのは何の言い訳にもならないですし、お客様はやっぱり、ひとつのミュージカルを見に来てるわけですから、そこで自分がやることを精一杯やって皆さんの印象に残るような素敵なミュージカルにしたいと思っています。一生懸命頑張りたいと思います。はい!」力強く意気込んだ。
最後に、浦井が「メンバー、スタッフ全員が、またお稽古ができるという喜びからスタートしました。意気込みとしてはもちろん完走!一回一回が、本当にキラキラ光っているようなかけがえのない瞬間瞬間の輝きだと思っているので、それを目撃していただくというのが最終的な目標かなと思っております。あとはもう、お客様に楽しんでいただけるように我々みんなも楽しんでいけたらな、と思っております」と、メッセージを送って締めくくった。
ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』は2020年8月11日(火)から8月30日(日)まで日比谷シアタークリエにて上演。上演時間は約1時間50分を予定(休憩なし)。